発行:社会批評社 この版元の本一覧
四六判 240ページ 並製
定価:1,700円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-916117-84-7 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年11月 書店発売日:2009年11月09日
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北海道・沖縄―ブラジルなど、全国・全世界から愛知県の自動車工場にやってくる、派遣の出稼ぎ労働者たち。―そこは、まさにゲンダイの「自動車絶望工場」だった。「派遣労働者」として〝潜入〟した気鋭のライターの、生産現場と派遣労働の実情を徹底追求したレポート。
目次
まえがき 2
第一章 人材派遣会社 9
工場見学 9
二分間の面接 14
私にとっての製造業 16
製造業と派遣労働者 20
トヨタ系自動車部品メーカー 22
第二章 田戸岬工場製造部第六生産課 29
仕事初日 29
出荷検査 34
「二六パレットやり終い」 39
陽気なブラジル人たち 43
北海道から出稼ぎに来た花巻さん 49
一三八組の正社員たち 58
「サービスでやっていけ!」 62
細かいキズの検査 68
第三章 出稼ぎのブラジル人労働者たち 75
銀行員だったミキオ・ウエムラ 75
おしゃべりのロドルフォ 78
祖父母が沖縄人のイラン・ウィリアン 84
辞めさせられていくブラジル人 86
「正社員にはならない」と言うケンジ 90
働くコマのブラジル人 94
ビーチでシュハスコ 100
「ブラジル人社外工杯」争奪 105
第四章 自動車部品製造ライン 111
昼夜二交替 111
睡眠剤に頼る 115
いよいよラインへ 118
機械との競争 123
〇四ラインのメンバー 125
三七秒の「進度」 129
三九〇ライン 134
強面ダシルバの夢 139
イケ面ブルーノ 142
ラインは生きモノ 145
イケ面ブルーノの出稼ぎ 156
ミキオが帰国 160
第五章 製造現場の光と陰 165
自己責任 165
辞めていく日本人社外工たち 167
汐谷君という社外工 173
突発休み! 178
地域経済崩壊の北海道 181
モノ作りは楽しい! 186
ブラジル人と日本人社外工 192
雇用の創造 195
取材日記から 199
第六章 日本人の出稼ぎ社外工たち 205
沖縄から家族五人でやってきた島袋さん 205
派遣で全国を歩く比嘉君 213
正社員を拒む長友さん 220
ズサンな人間関係を嘆く平目さん 225
希望を消さないための抵抗 230
惜しまれて退社 232
あとがき 235
前書きなど
まえがき
二〇〇七年、トヨタは生産台数世界一になり、愛知県の有効求人倍率は、何十カ月も全国一位を続けていた。同年度のトヨタの営業利益は二兆二〇〇〇億円を超え、六年連続で過去最高益を記録した。また、トヨタと並行して主要部品メーカーも増収増益を続けていた。
企業の利益をもたらすコスト減は、トヨタのいわゆるジャストインタイム生産方式(必要な物を、必要な時に、必要な量だけ生産する)によっていたことは言うまでもない。では、物を作るための人材確保を可能にしていたのは何だったか。それもまた、ジャストインタイム人材確保方式(必要な人手を、必要な時に、必要な数だけ供給する)と言えるものだった。
つまり、二〇〇四年の労働者派遣法改正により解禁になった製造業派遣である。「年齢不問」「経験不問」「学歴不問」「外国人可」……。こういう求人により、北海道や東北・沖縄から、また地球の反対側のブラジルから、一年中いつでもどこへでも、ピンポイントで「ゲンダイの出稼ぎ労働者」は工場へ送り込まれるようになった。
これら二つのジャストインタイム方式によって、愛知県の製造業が好景気に沸いていた二〇〇七年二月、私は愛知県のある自動車部品工場で派遣労働者として働き始めた。これは、その工場で働いていた「ゲンダイの出稼ぎ労働者」=派遣労働者たちの物語である。「派遣切り」、「派遣村」という言葉も存在せず、景気対策など、まだ誰も語っていなかったころの話しである。
二〇〇九年一〇月
著 者
版元から一言
派遣労働者問題が話題になっている中、その派遣のもっとも多い製造業―自動車生産工場をルポしたものです。ここには、その労働者たちの実情ばかりでなく、現代の自動車工場の実情までもが、赤裸々に語られています。
著者プロフィール
池森憲一(イケモリケンイチ)
1974年名古屋市生まれ。近畿大学建築学科環境デザインコース卒。大学在籍中から国際交流に積極的に参加する。卒業後は中国・インドなどを旅する。貴州省凱理市に語学学校「凱理市池森育才外語培訓中心」を設立。2000年ニューヨークへ渡る。アルバイト先の飲食店にてメキシコからの出稼ぎ少数民族ミステコ族と出会い、彼らの故郷の村を訪れる。
著書に『ニューヨークのミステコ族』(2003年トランスビュー)。
帰国後は、派遣・期間工として製造業で働き、労働者の側から出稼ぎ問題や雇用問題を考える。
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