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講座スピリチュアル学 第2巻 スピリチュアリティと医療・健康
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年12月
- 書店発売日
- 2014年11月28日
- 登録日
- 2014年10月22日
- 最終更新日
- 2015年3月20日
目次
はじめに──「講座スピリチュアル学」と「スピリチュアリティと医療・健康」 鎌田東二
序 章 統合医療から見た医療・健康とスピリチュアリティ 山本竜隆
──地域医療と養生医療の現場から
一 はじめに
二 統合医療とは2
三 田舎・農村地域における統合医療のかたち
四 統合医療とスピリチュアリティ
五 統合医療と自然
六 最後に
第一部 医療とスピリチュアリティ
からだとスピリチュアリティ──終末期医療と気功実践から 帯津良一
一 はじめに
二 場と階層の原理
三 ホメオパシー
四 医療とは本来ホリスティックなもの
五 養生とは
六 養生のダンディズム
七 最後の晩餐
八 気功
九 おわりに──生と死の統合
代替医療から見たスピリチュアリティ 上野圭一
ビート文学に呼ばれて
AMERIKAのなかのAMERICA
エゴではなくエコを
外辺医療から代替医療へ
ホリスティックヘルスからホリスティック医学へ
『スワノセ・第四世界』
おわりに
アントロポゾフィー医学がとらえたスピリチュアリティ 浦尾弥須子
一 アントロポゾフィー医学とは何か
二 人間とは何か、病気とは?
三 アントロポゾフィーおよびアントロポゾフィー医学の人間観
四 アントロポゾフィー医学の実践
看取りとスピリチュアリティ 大井 玄
はじめに
お迎え現象
目に見えぬ者についての判断
つながりの感覚
主観的判断は自由である
神仏や霊的存在を実感する
記述民族学(ethnography)の見出す事実
見えぬものをイメージする
脳は「世界」を創る
事実は求め方と観測方法により決まる
結び
変わる人生・社会・ケア──研究実験国家日本の挑戦 長谷川敏彦
一 変わる病気の意味
二 変わる社会の型
三 変わる人生の過程
四 変わる人生観、死生観
五 変わる病気の型
六 変わるケアそして医療
七 変わる日本そして世界
第二部 こころとたましいの健康にむけて
喪失のもの語りとスピリチュアリティ やまだようこ
一 息することと生きること──スピリットとは
二 こころと身体
三 もの語り(ナラティヴ)とは
四 喪失のもの語り
五 死別と喪の作業──死の受容と回復の段階説
六 「回復もの語り」と「克服もの語り」
七 「死者と共に生きるもの語り」
八 死とスピリチュアリティ
九 喪失のもの語りとスピリチュアルケア
「魂」の心理臨床 黒木賢一
一 はじめに
二 事例からみる「魂の危機」
三 魂の危機の見立て195
四 自我と自己の折衝
五 セラピストとクライエントの気(=情報)の交流
五 おわりに
緩和医療と「心の治癒力」 黒丸尊治
一 苦痛症状に寄り添う
二 痛みと心の治癒力
三 代替療法が癒しをもたらすのか?
四 予想に反して長生きする患者さん
五 あきらめたくないという思いを大切にする
六 患者さんの思いに寄り添う
七 死から目をそらすのもスピリチュアルケア
終 章スピリチュアリティと日本人のいのち観 鎌田東二
はじめに──医学と仏教、あるいは医師と僧侶
一 「いのち」と「むすひ」──『万葉集』と『古事記』を通して生と死の神話知を考える
二 「いのち」と健康──出雲の力といのち
三 「いのち」の目覚め
おわりに
前書きなど
本書は「講座スピリチュアル学」と銘打った全七巻シリーズの第二巻目として編集された。
「スピリチュアル学」とは、こころとからだとたましいの全体を丸ごと捉え、それを生き方や生きがいなどの生の価値に絡めて考察しようとする学問的探究をいう。また大変重要なことであるが、この世界における人間存在の位置と意味についても真剣に問いかける姿勢も保持している。そのような意図や方向性を持ちつつ、心については心理学、体に関しては生理学や神経科学(脳科学)、魂については宗教学や神学といったような、従来の細分化された専門分野に限定されてきた学術研究の枠を取っ払って、こころとからだとたましいと呼ばれてきた領域や現象をホリスティック(全体的)に捉えようとしたのが本シリーズである。
この「スピリチュアル学」全七巻の最初の二巻を「スピリチュアルケア」と「スピリチュアリティと医療・健康」としたことには理由がある。第一巻を「スピリチュアルケア」とした理由は、「心のケア」が社会問題となった一九九五年に起こった阪神淡路大震災から一六年を経て二〇一一年に起きた東日本大震災の後の社会を、一人ひとりがどう生きぬいていくかという喫緊の深刻な実存的問題にまず取り組むべきだと考えたからである。「心のケア」から「スピリチュアルケア」への展開がこの一六年で具体的に進行していると考えたからだ。
このような流れを受けて、本「スピリチュアル講座」の第一巻を「スピリチュアルケア」とし、第二巻を「スピリチュアリティと医療・健康」とした。そしてその第一部を「医療とスピリチュアリティ」と定めて、終末期医療における気功の実践や代替医療やシュタイナー医学や看取りやお迎え現象を論じ、第二部を「こころとたましいの健康にむけて」と定めて、ナラティブ、臨床心理、緩和ケアの諸問題を論じ、冒頭で統合医療から見た医療と健康を概観し、終章で日本人のいのち観を通覧した。
第一巻同様、本第二巻の各論者の提起する問いかけと探究と解決への取り組みから、生のヒントと力を得ていただければ企画・編者としてこれ以上の喜びはない。[鎌田東二 「はじめに」より]
上記内容は本書刊行時のものです。