蓬莱の彼方
森田たもつ
発行:ボーダーインク この版元の本一覧
四六判 206ページ 上製
定価:1,200円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-89982-177-9 C0093
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奥付の初版発行年月:2010年03月 書店発売日:2010年03月20日
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目次

収録作品

「オールド・マーチン」
「メリー・クリスマスeverybady」
「ボタン」
「蓬莱の彼方」

前書きなど

発刊によせて
 もりおみずき

 宮古島に一冊の本が誕生した。森田たもつ著『蓬莱の彼方』。自分のことのように嬉しい。
 それにしてもなんという才能だろうと瞠目せずにはおれない。突然のように小説を書き始めたかと思うと、一作目がすぐに「新沖縄文学賞」の候補作になるという幸福な出発を果たし、二作目が「おきなわ文学賞」の一席沖縄県知事賞を受賞した。さらに三作目四作目と「新沖縄文学賞」「琉球新報短編小説賞」に輝き、三年であっという間に作家としての基礎を確立したのである。真摯な努力の日々、苦闘の時間を人知れず重ねられたに違いないが、まさに彗星のようにといった鮮やかな登場である。
 いつか森田さんから、「書きたいという気持ちをずっと持っていました」と伺ったことがある。来し方のさまざまな出来事、歯科医師というハードな仕事、そのなかで、「ほんとうの自分」「「自分がもっとも納得できる自分」というものを探し求めた結果が小説を書くことだったのだろうか。
 ところで、森田さんの小説に登場する人たちは、心優しく、不器用だけれど懸命に生きている愛おしい人たちである。対立や闘争の際立つ非常な現実世界の中にあって、森田さんは人間への絶対的な信頼を持ち、人の心のきらめきを掬い上げているのだ。またその作品には宮古島や宮古の人たちが描かれている。私は新しい光を照射されて浮かび上がったこの島を私自身を認識し直し深い感動を覚える。
 宮古島にひとりの作家が誕生した。自分の島の作家を戴けるということはなんとも誇らしく喜ばしいことである。この小さな島の名もなき人たちの生きる姿に根ざしながらも人間や時代の普遍を描く、そのような大きな作家を目指して頂きたい。その力を持った森田さんであると確信している。

                          (児童文学作家)

版元から一言

「心優しく不器用だけど懸命に生きている愛おしい人たちの物語」
宮古島から登場した注目の作家、初の作品集。未発表作を含む四作品を収録。表題作は「第三十四回新沖縄文学賞」、「オールド・マーチン」は「第三回 おきなわ文学賞 第一席」、「メリー・クリスマスeverybady」は「第三十六回琉球新報短編小説賞」をそれぞれ受賞した。
都会の片隅で懸命に生きる人物をいきいきと描くドタバタ人情喜劇あり、ほろりとするハートウォーミングな小品あり、家族の再生を描いた問題作、戦後の宮古島と今を結ぶ時代の淵に隠された謎を追うドラマと、バラエティに富んだ作品集です。とにかくおもしろい一冊です。掘り出しものです。

著者プロフィール

森田たもつ(もりたたもつ)

本名 森田保 1959年宮古島市(旧平良市)生まれ。奥羽大学歯科部卒業。歯科医。
「第三回 おきなわ文学賞 第一席」「第三十六回琉球新報短編小説賞」「第三十四回新沖縄文学賞」受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。


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