琉球メッセージシマとの対話
平田大一, 桑村ヒロシ
発行:ボーダーインク この版元の本一覧
A5判変型 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-89982-163-2 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年07月 書店発売日:2009年08月07日
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紹介

「シマ」から「シマ」へ縦横無尽に走りぬけ、骨太な活動を続ける南島詩人、
思索の森を歩き、刻んできた魂の対話と写真が紡ぎ出す 圧倒的感動の情熱ブログ、待望の書籍化!

帯文
僕はもう一度自分の「シマ」を見つめ直してみたい。
もっと知りたい。そして、人に語ってあげたい。
自分を語り、他を知ることで
いつか、「シマ」がひとつになるかもしれない。
(「シマとの対話に向けて」より) 宮沢和史/THE BOOM


沖縄の過去と未来について考えるとき、僕はシマと対話する。
シマは、僕にとって老賢者のような存在だ。(平田大一/南島詩人)

己と向き合い、南島詩人と対話し、シマと語り合うかのような
魂の共演に、僕は奮わされた。(桑村ヒロシ/写真)


沖縄県産ブログ「てぃーだブログ」の公式WEBマガジン「ryuQ」(http://ryuq.ti-da.n
et)で好評連載中!

目次

■目次:

序 前略 南のシマジマ Prologue “Dear Southern Islands” 6


1章 南島の哲人 Wise Man of the Southern Island 

   大願 My Earnest Prayer 12
   大榕樹 Malayan Banyan 16
   珊瑚の杜に月の舟 Moon Boat on the Coral Grove 20
   南島の哲人 Wise Man of the Southern Island 24


2章  使命という名のシゴト Task Named Mission 

   失敗の自由 Freedom of Failure 28
   可能性にかけて Bet on a Possibility 32
   奇跡の方程式 Equation of Miracle 37
   疾走  Scamper 40
   使命という名のシゴト Task Named Mission 44

3章 風の行方  Where Does the Wind Blow? 

   島風のジプシー Gypsy in the Island Wind 48
   風の行方  Where Does the Wind Blow? 54
   サバニ Sabani - A Small Fishing Boat  57
   赫ようらの花  Red Flowers of Deigo 61


4章 シマの声 Voice of the Island 

   グスク Sanctuary 66
   想い Wish 70
   星のゆりかご Cradle of Stars 73
   シマの声 Voice of the Island 76


5章 島人北上 Island Man Goes North 

   蝶のはなし Tale about the Butterfies 80
   島人北上 Island Man Goes North 84
   道標 Milestone 88
   サトウキビの風に吹かれながら僕は哲学者になる
     I Become a Philosopher Blowin’ in the Sugarcane Wind 92
6章 天を衝く! Thrust the Sky! 

   夏花 Summer Flower 98
   桟橋の風景 Scenery of the Pier 102
   手紙 Letter 106
   天を衝く! Thrust the Sky! 110


7章 沖縄よ何処へ Okinawa, Where Are You Going? 

   遠雷 Distant Thunder 116
   歩み A Step Forward 120
   沖縄よ何処へ Okinawa, Where Are You Going? 125
   咆哮  Howl 130
   島人元朝 Island Man Renaissance 134


結 三拝云 Give Thanks and Praise to You All 

   平田大一より  from HIRATA Daiichi 140
   桑村ヒロシより from KUWAMURA Hiroshi 141
   宮沢和史より from MIYAZAWA Kazufumi 142

前書きなど

■あとがき:

平田大一より

「毎週1回、1年間、自分の想いと格闘してみるか……」
 この企画が持ち上がったとき、僕はまるで修行に挑むが如くの意気込みで引き受けた
。毎週の締め切りが、辛くなかったといえば嘘になる。でも、かなりのペースで台本に
追われ、果てなき企画書作成に追い立てられ、時に人間関係に振り回されながらも、毎
日を駆け足で生きている僕にとって、「シマと対話」するこの瞬間は何にも代えがたい
自身の根っこを考える大きなきっかけになった。こうして、写真と一緒に並ぶ文章を見
て、あらためて書き綴った思考の足跡を辿ってみると不思議な清々しさを感じる。時に
迷い、時に怒り、時に吼えながらも。……もしかすると、純粋な怒りは、夢と情熱のエ
ネルギーに成り得るのかもしれない、と思った。
 こころよく寄稿文を書いてくれた「宮沢和史」氏、英訳を担当してくれた「山本安見
」さん、編集をアドバイスしてくれた「新城和博」氏、ブログ掲載に多大な理解を示し
てくれた「てぃーだブログ」の皆さん、そしてなにより共にこの気が遠くなる編集作業
を根気強く進めてくれた「桑村ヒロシ」に心から感謝を申し上げたい。
「しかいっとから三拝云」


桑村ヒロシより

 2007年11月8日より、南島詩人・平田大一氏の綴るコトバと1枚の写真がコラボ
レーションした「シマとの対話」が、沖縄県産ブログポータルサイト・てぃーだブログ
の公式ウェブマガジン「ryuQ」(http://ryuq.ti-da.net/)で連載開始。それと同時に
平田大一公式ブログのほうでも連載がスタートしました。
 連載最初の年は、毎週水曜日の零時に掲載。多忙を極める平田氏から送られてくる原
稿は、各地の空港や出張先からだったり、時には海外のハワイから送られてくることも
ありました。そのようなスリリングな状況にありながら、一度も欠かす事なく、毎週1
話ずつ書き下ろしてくださいました。
 エピソードといえば、締切期限ぎりぎりで文章と写真が揃うことも多々ありました。
もちろん、どういう内容の原稿が届くかは直前までわかりません。毎週毎、心のままに
撮った写真が、締切寸前に頂いた文章とぴったりと一致することが何度もあり、魂を奮
わせる共演をさせて頂きました。
 今回は書籍化するということで、じっくりと写真を選び直し、レイアウトまで直接担
当させて頂きました。平田大一氏の発する檄文にはモノクロ写真で力強く迫まり、撮り
下ろしの写真も追加し、出版化へのリクエストを頂いていた写真も含め、この度、入魂
の一冊となりました。ぜひ、皆様へお贈りさせていただきたいと思います。


「シマとの対話」へ向けて 宮沢和史

 本州の中部地方に位置する山梨県甲府市。周囲を360度山に囲まれた甲府盆地。大
昔、そこは巨大な湖だったという。そこが僕の故郷……。僕らは真っ平らな盆地に立ち
つくし、周りの顔色を伺いながら日々背比べをして育った。枠から飛び出す者がいれば
、それはそれは目立ったものだ。そこから出て行くしかなかった。夢を語る者も目立っ
た。彼らは都会へ出て行った。声の大きい者もしかり、山を越えて行くか、はたまた、
政治家になるか……。
 我が身が従属するその場所に閉鎖性を見、閉塞感を味わって育った。そこは「シマ」
だった。
 僕は声がでかく、夢を語る者だった。高校を卒業すると同時に東京に移り住み、今年
で25年。沖縄を始め、日本全国、さらには、日本を離れ、海外の多くの町でも歌を歌っ
てきた。そして、地球の裏側、ブラジルまで辿り着いてようやく気がついた。どこもか
しこも、そこは「シマ」なのだ。人は皆「シマ」で暮らす「シマの住民」なのだ。国籍
や宗教、民族にとらわれず生きる者もいる。自分の意思ではなく、故郷を離れざるを得
なかった者もいる。自らの選択で故郷を離れた者もいる。しかし、きっと人は皆「シマ
の住民」だ。閉塞感から逃れることなど出来るはずはない。
 動物を罠でしとめ、毛皮を売り、肉を食べ暮らすトラッパーの一家がカナダにいる。
彼らの家を中心に半径数百キロに隣人の民家は皆無だそうで、北海道にたった4人で暮
らしているようなものだという。彼らは文明から、社会から逃れ、シマを捨て、森で自
由を勝ち得た。閉塞感から脱出した。しかし、「大自然」という社会性……というか、
宇宙、もしくは、掟。その人間の力など及ぶべくもない「うねり」に身を投げ出さなけ
れば生きていけない。それに従わなければ生きていけない。彼らは動物として、「シマ
」に従属したのだ。
 若い頃は国も宗教も民族も越え、人は兄弟のように暮らすことが出来ると信じていた
。ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞が大好きだった。いや!今でもあの歌を信じて
疑わない。だが、僕はもう一度自分の「シマ」を見つめ直してみたい。もっと知りたい
。そして、人に語ってあげたい。これから生まれて来る人たちに伝えていきたい。他の
「シマビト」との違いに驚き、それを笑いもしたい。笑われもしたい。自分を語り、他
を知ることでいつか、「シマ」がひとつになるかもしれない。ジョン・レノンのメッセ
ージより、だいぶ遠回りな道のりになるだろうが……。
 僕らは何かを所有しているのではない。「シマ」そして「チキュウ」に所有されてい
るのだ。「生きる理由」も「死ぬ理由」も、本当はないのかもしれない。「シマ」そし
て「チキュウ」に生かされているのだけなのだから。人はそれを支配していると信じた
いから、すべての物事に理由づけをしているにすぎない。意味を探して生きるのではな
く、逃れられない運命と向き合い、うねりに身を委ねればいい。後世の人たちが意味を
語ってくれるであろう。

 平田君と出会って、20年近くになる。長い間お互い違うところを旅をしていて、どこ
かの道ばたでバッタリ出くわすこともなかった。2009年の今年、コザで再会した。
「この先、同じ旅路を歩くかもしれないな……」そんな予感がした。
(ミュージシャン)

著者プロフィール

平田大一(ヒラタダイイチ)

1968年沖縄県小浜島生まれ。18歳の時から「南島詩人」を名乗り、自作自演の詩朗読舞
台「南島詩人一人舞台」で独自の世界観を確立。
シマで砂糖キビを育てながら宿屋を営む傍ら、舞台活動も積極的に展開。
2000年に子ども達による「現代版組踊・肝高の阿麻和利」を演出したことをきっかけに
多くの舞台を手がけ、県内外から好評を博す。
その後、文化施設「きむたかホール」初代館長、那覇市芸術監督、一般社団法人タオフ
ァクトリーの代表理事などを務める。
今、沖縄で最も注目される、行動する詩人、若き演出家として絶大な支持を集めている

上記内容は本書刊行時のものです。

桑村ヒロシ(クワムラヒロシ)

1968年生まれ、五島福江島出身。編集制作プロダクション・(有)イコノグローブを主
宰し、デザイン制作・写真撮影・編集執筆までマルチに活動中。
現在、沖縄県産ブログ「てぃーだブログ」の公式WEBマガジン「ryuQ」の編集人。
http://ryuq.ti-da.net/

上記内容は本書刊行時のものです。
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