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食品ロスの経済学 小林 富雄(著) - 農林統計出版
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食品ロスの経済学 (ショクヒンロスノケイザイガク)

ビジネス
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A5判
216ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-89732-322-0   COPY
ISBN 13
9784897323220   COPY
ISBN 10h
4-89732-322-3   COPY
ISBN 10
4897323223   COPY
出版者記号
89732   COPY
Cコード
C3033  
3:専門 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
長期品切れ
初版年月日
2015年5月
書店発売日
登録日
2015年4月9日
最終更新日
2023年2月16日
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紹介

飢餓と飽食が併存する現代世界での食料問題の1つとして、語られることがなかった「食品ロス」をとりあげ、その定義から問題の本質まで様々な場面での経済学的な解説を施す。さらに食品ロスの過剰性と発生メカニズムの多様性の経済学的な分析から、問題解決の方策とその限界とを明らかにする。

目次

まえがき(本書の課題設定)

第1章 世界の食品ロスと日本の課題
 1.日本の食品ロス
  (1)日本の食品ロスの現状
  (2)食品リサイクル法
  (3)改正食品リサイクル法
  (4)食品リサイクル制度の見直し
 2.世界の食品ロス
 3.経済成長と食品ロス
 4.先進国の食品ロスと日本の課題

第2章 期限表示による食品ロスの発生メカニズム
 1.課題と方法
 2.期限表示関連法の概要
  (1)食品衛生法
  (2)JAS法
  (3)期限表示設定における法体系
 3.供給サイドの対応
  (1)食品製造業の対応
  (2)非対称情報とモラルハザード
 4.需要サイドの対応
  (1)非製造部門の企業行動
  (2)期限幼児と消費者行動
 5.サプライチェーンにおける食品廃棄物発生状況
  (1)食品製造業
  (2)食品卸売業
  (3)食品小売業
  (4)一般消費者
 6.食品表示による経済的メリット・デメリット
 7.小括

第3章 多店舗経営における品揃え戦略と食品ロス
 1.課題
 2.多店舗経営における食品販売の品揃え戦略
  (1)多店舗経営における食品販売の品揃え戦略
  (2)最適品揃えモデル
  (3)品揃え戦略における組織間関係
 3.ファーストフードフランチャイズチェーンにおける品揃え戦略と組織間関係
  (1)ファーストフードの位置づけ
  (2)洋菓子FFSにおける品揃え戦略と組織間関係
  (3)品揃え戦略下での品揃えの実態
  (4)品揃え戦略における廃棄コスト
  (5)品揃え戦略における品切れコスト
 4.食品ロス発生抑制の取り組みとフランチャイズチェーン
  (1)レギュラーチェーンにおける食品ロス発生抑制への取り組み
  (2)フランチャイズチェーンシステムにおける廃棄コスト負担
 5.小括

第4章 外食産業における食品ロスマネジメントの分析
   -発生類型別にみたフードサプライチェーンの課題-
 1.課題と方法
  (1)研究の背景
  (2)研究の方法
 2.食材ロスの発生原理とその抑制
  (1)A社ディストリビューションセンターの状況
  (2)A社店舗/FC本部における取り組み
 3.調理くずの発生原理
  (1)B社CKにおける取り組み
  (2)B社店舗における取り組み
  (3)A社店舗の調整くず発生状況
 4.調理品ロスの発生原理とその抑制
  (1)C社店舗の調理品ロスの発生状況とB社との比較
  (2)C社店舗の調理品ロスの発生抑制の取り組み
 5.食べ残しの発生原理とその抑制
  (1)A社店舗の状況
  (2)A社店舗の発生抑制の取り組み
  (3)B社店舗における食べ残しの対応
 6.小括
  (1)発生類型別の食品リサイクル法対応
  (2)食品リサイクル制度の新展開と今後の課題

第5章 食べ残しの持ち帰りにおけるリスクコミュニケーションの経済分析
 1.課題
 2.食中毒とドギーバックの現状
  (1)日本の食品衛生と食品ロス
  (2)ドギーバックに対する関係者の意識
 3.外食事業者におけるドギーバックの実態
  (1)大手企業のドギーバック
  (2)中小零細企業のドギーバック
  (3)確率加重関数と食中毒
 4.NPO法人によるリスクコミュニケーション
  (1)ドギーバック普及委員会による啓蒙活動
  (2)ドギーバック普及委員会の活動概要
  (3)NPO法人の役割と今後の展望
 5.小括

第6章 食品リサイクルにおける収益性と公的支援
   -魚腸骨処理事業における収集システムのケーススタディを通じて-
 1.課題
 2.魚腸骨処理の現状と収集システム
  (1)わが国の魚腸骨処理事業の現状
  (2)公的部門の魚腸骨事業への介入妥当性
  (3)収集システムの革新と公的部門の役割
 3.ケーススタディ①
  (1)愛知県における魚腸骨処理事業の概要
  (2)公的部門の対応と問題点
  (3)魚腸骨収集ルートにおける非効率性
 4.ケーススタディ②
  (1)関東地方における魚腸骨処理の概要
  (2)関東魚腸骨際委資源化連絡協議会での取り組み
  (3)魚腸骨収集システムのマネジメント
 5.小括
  (1)魚腸骨収集システムの発展段階と公的部門
  (2)発展段階の多様性

第7章 市民参加を通じた食品リサイクルの到達点
   -名古屋市生ごみ堆肥化事業における可視化の意義-
 1.課題と方法
  (1)課題
  (2)名古屋市の現状
 2.コンポスタ配布期(1993~97年度)
  (1)生ごみ処理容器補助事業の経緯
  (2)名古屋市住宅供給公社の取り組み
  (3)B荘(中村区)の取り組み
  (4)アンケートによる住民の意識調査
  (5)小括
 3.地域主体期(1998~2000年度)
  (1)地域型生ごみ処理設備設置モデル事業概要
  (2)NPO法人による取り組み概要
  (3)アンケートによる参加市民の意識調査
  (4)小括
 4.行政主体期(2001~08年度)
  (1)生ごみ堆肥化/生ごみ分別収集資源化モデル事業の経緯
  (2)市民参加の動向と小括
 5.市民参加の将来展望
  (1)処理形態の分類と可視化
  (2)可視化の可能性
  (3)市民参加における課題

第8章 循環型フードシステムと食料問題の相互依存性
   -地方展開するフードバンク活動を事例として-
 1.循環型フードシステムにおける課題
 2.フードバンクの仕組みとリユース
  (1)フードバンクシステムの概要
  (2)フードバンクの非市場性
 3.フードバンク活動と食料問題
  (1)食料問題の定義
  (2)フードセキュリティと食の過剰性
  (3)フードセキュリティの地方格差
 4.食品リユースと食料問題の相互依存性

第9章 フードバンク活動における食品ロスの再配分と流通機能
   -セカンドハーベスト名古屋のケーススタディと欧米韓との比較分析-
 1.課題と方法
 2.世界のフードバンク活動
 3.国内でのセカンドハーベスト名古屋の位置づけ
 4.フードバンク活動の流通機能
  (1)フードバンク活動の交換機能
  (2)フードバンク活動のロジスティクス機能
  (3)フードバンク活動の補助機能
 5.2HNにおける取扱いアイテム数の拡充と課題
  (1)規格外野菜
  (2)弁当・総菜
  (3)国内における課題
 6.海外のフードバンク
  (1)2HJと外資系企業
  (2)米国の状況
  (3)欧州の状況
  (4)韓国の状況
 7.小括
  (1)フードバンクの多様性
  (2)わが国への示唆

第10章 フードバンク活動による被災地支援と食料安全保障
    -食品ロス発生抑制ソーシャルビジネスとしての可能性-
 1.はじめに
 2.フードバンクの位置づけ
  (1)フードバンクとソーシャルビジネス
  (2)フードバンクとフードセキュリティ
 3.フードバンクによる東ン本大震災復興支援活動
  (1)震災前後の活動状況
  (2)セカンドハーベスト・ジャパンの取り組み
  (3)セカンドハーベスト名古屋の取り組み
 4.フードバンク活動の発展と課題
  (1)ネットワークの進展とロジスティクスの高度化
  (2)予算規模の拡充
  (3)支援の継続性
 5.小括

第11章 韓国フードバンク活動における贈与経済
 1.フードバンクによる食品ロス削減の本質的課題
 2.贈与経済の定義と課題解決の方法
 3.韓国における食の過剰性とフードバンク誕生の背景
  (1)韓国における廃棄物問題と食品ロス
  (2)韓国の食品流通と食品ロス
  (3)韓国の福祉制度と「欠食者」
 4.韓国フードバンク活動の拡大
  (1)韓国のフードバンク活動と行政
  (2)韓国フードバンクへの寄付と受給者
  (3)中央フードバンク
  (4)広域フードバンク
  (5)地域フードバンク・フードマーケット
  (6)民間フードバンク
 5.寄付者の行動変化と贈与経済への展開
  (1)寄付者の増加とソーシャルマーケティング
  (2)食品企業における寄付行動の変化
  (3)小括(わが国への示唆)

あとがき(総括)

著者プロフィール

小林 富雄  (コバヤシ トミオ)  (

1973年 富山県生まれ
2003年 名古屋大学大学院生命農学研究科博士後期課程修了
     生鮮食品商社,民間シンクタンクを経て,
2009年 中京学院大学中京短期大学部健康栄養学科准教授
2015年 名古屋市立大学大学院経済学研究科博士後期課程
     (短期履修コース)修了
2015年 愛知工業大学経営学部経営学科准教授
博士(農学)名古屋大学
博士(経済学)名古屋市立大学

上記内容は本書刊行時のものです。