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学船
北海道大学 洋上のキャンパス おしょろ丸
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年7月
- 書店発売日
- 2014年7月11日
- 登録日
- 2014年7月8日
- 最終更新日
- 2014年9月17日
紹介
北海道大学水産学部の練習船、「おしょろ丸」。
1909年竣工の初代「忍路丸」から代を重ね、一世紀以上にわたり水産学部の教育と研究を支えてきた「洋上のキャンパス」を特別公開。
大海原へと乗り出した乗船者達の挑戦が本書で甦る。
[2014年夏就航のおしょろ丸V世の写真も掲載] (帯文より)
目次
巻頭言
第1章 おしょろ丸の概要と歴史
第2章 乗組員の仕事
甲板部
機関部
事務部
海洋調査部
第3章 洋上の教育
第264次 太平洋・父島周辺海域航海同行取材記
船内での学生教育
洋上のキャンパスライフ―学生の目から見た「おしょろ丸」
第4章 おしょろ丸の研究
取材レポート・研究者による解説1~8
あとがき
前書きなど
あとがき――洋上のキャンパス おしょろ丸
北海道大学水産学部附属練習船おしょろ丸IV世と私たちの初めての出会いは、3年前の2011年の春、風の強い朝のことです。函館キャンパスにある総合博物館分館水産科学館へと函館駅から車で向かう途中、助手席側の窓から、白波が立つ函館港中央ふ頭に白い船体のおしょろ丸が浮かんでいるのが見えました。おしょろ丸の存在は知っていましたが、実際に船を見るのはこの時が初めてでした。
船の近くへ車を移動し、乗り込んでよいのかと戸惑いながらタラップを上がると、静かな船のなかで迎えてくださったのは坂岡桂一郎首席一等航海士でした。突然訪れた私たちに、坂岡首席一等航海士は快く船内を案内してくださいました。
(中略)
その後、水産科学館の矢部衞館長と河合俊郎先生から、おしょろ丸では北海道大学らしいアクティブな教育や研究がなされていることを詳しく聞き、その船の役割が平成26年度にIV世からV世へと引き継がれることを知らされました。そこで、この機会を捉え、おしょろ丸の歴史、教育や研究を広く伝える展示を、総合博物館の夏季企画展示として函館と札幌で開催することを決めました。(中略)
企画展示に向けて、企画展示担当者がおしょろ丸の航海に実際に加わり、そこで行われている教育や研究、船での生活を映像で記録し、乗船者にインタビュー取材し、紹介することにしました。初めてのおしょろ丸との出会いから1年を経て、おしょろ丸IV世の北太平洋と北極海への60日北洋航海に2回、太平洋・父島周辺海域航海に1回に参加し、船員や研究者、学生に取材し、彼らのさまざまな活動を映像と写真に収めてきました。船の中では小さな社会が形成され、常に海に囲まれていると言う特殊な環境の中で、ゆったりと時間が過ぎていきました。おしょろ丸での様々な活動を記録した映像や写真は、世界に1枚しかない貴重な資料となりました。
本書では、忍路丸からおしょろ丸IV世までの歴史を振り返り、おしょろ丸V世の進水式の写真も紹介しています。上記の取材レポートと研究者の解説、学生のエッセイを紹介し、おしょろ丸乗船経験がある方にもない方にも楽しんでいただける内容になっています。
(中略)
札幌農学校(現北海道大学)初代教頭であったクラーク博士(William Smith Clark)は、マサチューセッツに戻った後、世界一周して見聞を広めながら教育する「洋上大学」を企画したが実現しなかったと聞きます。おしょろ丸は、共同利用施設として北海道大学の関係者以外も活用することができます。学生教育、共同研究など多くの人が知識を共有し、学ぶ場を提供しています。時代時代の期待に応えながら、クラーク博士が理想とした「洋上教育」を実現してきたおしょろ丸。これからもおしょろ丸では、新しいストーリーが刻まれていくでしょう。
(後略)
上記内容は本書刊行時のものです。