文化多様性・市民知・まちづくり創造都市と社会包摂
佐々木 雅幸:編著, 水内 俊雄:編著
シリーズ・叢書「文化とまちづくり叢書」の本一覧
発行:水曜社 この版元の本一覧
A5判 316ページ 並製
定価:3,200円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-88065-220-7 C0033
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年08月 書店発売日:2009年07月29日
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紹介

「創造都市」という新しい都市モデルは、芸術文化のもつ「創造性」を新産業や雇用の創出に役立て、ホームレスや環境問題の解決に生かし、都市を多面的に再生させる試みであり、EUが1985年から開始し、大きな成果を上げてきた「欧州文化都市(欧州文化首都)」の経験を総括するなかから生み出された都市モデルである。
都市や地域の経済的エンジンが大規模工場から、創造性あふれる企業や個人から構成される「創造産業」と「創造経済」にシフトし、芸術文化はそのための新たな社会的インフラストラクチュアと考えられる。
日本より一足早く製造業の衰退と空洞化に苦しんだ欧州において創造都市への取り組みが進んでいるのはこのような背景による。
もう一つのテーマである「社会包摂」とは「社会的排除を生みだす諸要因を取り除き、人々の社会参加を進め、他の人々との相互的な関係を回復あるいは形成すること」を指し社会的排除の対立概念であり、90年代後半よりEUにおける都市再生の目標の一つにも掲げられてきたものである。
「創造都市」も「社会包摂」も、新自由主義的改革による「福祉国家」の解体を乗り越えて、新しい分権的な福祉社会をめざす共通の土壌の上に位置する社会改革の試みである。
本書は、芸術文化のもつ創造力、とりわけ、社会的に排除された人々をエンパワーメントする力に着目しつつ創造都市論と社会包摂論を架橋し、世界的な都市再構築の流れのなかで、コミュニティの再生への胎動を描写するものであり、とりわけ、悩める大都市・大阪の再生に向け足元で進む社会実験に参与しつつ、分析を進めたものである。

目次

1文化多様性と社会包摂に向かう創造都市
佐々木 雅幸
2都市の創造的縮小の時代ー人口減少、環境容量枯渇時代の「都市のかたち」
矢作 弘
3グローバル創造都市の文化ブランド戦略ー都市の包容力・バランス・俊敏性
岡野 浩
4日本の創造産業集積ー家庭用ビデオゲーム産業の集積利益
半澤 誠司
5成長するアジアの創造産業ー世界のエンタテイメント業界のグローバル化と再編
橋爪 紳也 杉浦 幹男
6アジアの都市政策における二つの包摂
瀬田 史彦
7大阪の長屋建築の伝統と保存活用ー豊崎プラザの実験
谷 直樹
8歴史的都心の再生ー船場再生の胎動
嘉名 光市 岡 伸一
9近世大坂の都市下層ー勧進宗教者の存在形態
塚田 孝
10社会包摂に向き合うアートマネジメントーボトムアップのガバナンス形成へ向けて
中川 眞
11社会包摂に向けた地域組織の取り組みとその可能性ー大阪・釜ヶ崎を事例として
原口 剛 西口 宗宏
12東アジア大都市の外国人労働者と民族関係
谷 富夫
13「都市への権利」とソーシャル・ミックスーフランスの住宅政策に学ぶ
檜谷 美恵子
14脱野宿とホームレス支援からみた都市の社会保障の再構築ー多様な社会参加の方法を創出するために
水内 俊雄

著者プロフィール

佐々木 雅幸(ササキ マサユキ)

大阪市立大学都市研究プラザ所長・同大学院創造都市研究科教授

上記内容は本書刊行時のものです。

水内 俊雄(ミズウチ トシオ)

大阪市立大学都市研究プラザ副所長・教授/同大学院文学研究科兼任

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