発行:現代人文社 発売:大学図書 この版元の本一覧
A5判 253ページ 並製
定価:2,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-386-4 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年09月
書店発売日:2008年09月10日
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血液製剤によるエイズ感染。その責任追及は安部医師に集中し、業務上過失致死罪で起訴されたが、メディアの予想に反して無罪となった。無罪判決の概要と「薬害エイズ事件」の真相に迫り、なぜ無罪になったかを浮き彫りにする。
目次
はじめに
第1部 安部医師無罪判決の衝撃——マスメディアの予想外報道
第1章 メディアの作り出した虚像とバッシング
第2章 「薬害エイズ」問題と安部英医師をめぐる動き
第2部 エイズ問題の構図——エイズ問題の正しい理解のために
第3章 エイズ問題の構図とエイズ侵入への行政の対応
第4章 「薬害エイズ」問題の勃発と世界の動き──日本の血友病治療医の対応
第5章 血友病という病気と治療法の変遷──福音としての濃縮製剤
第6章 医療におけるベネフィットとリスク
第3部 安部医師への誤った責任追及と「薬害エイズ」裁判
第7章 エイズ問題責任追及の動き──とくに刑事裁判の動きと判決の骨子
第8章 帝京大学の中の医師たち
第10章 加熱製剤の治験の真実
第11章 検察の陰謀──国策捜査・国策起訴
第12章 否定された安部医師の過失
第13章 「薬害エイズ」感染・裁判から政府の意思決定の改善を学ぶ
終章 血友病治療と安部医師の軌跡
エイズ関連年表
「薬害エイズ」裁判起訴状
あとがき
コラム1 NHKの『埋もれたエイズ報告』
コラム2 菅厚生大臣の謝罪と「郡司ファイル」
コラム3 国会での安部医師に対する質問
コラム4 ミドリ十字治験責任者への取調べで何があったの
コラム5 ギャロ嘱託尋問調書の発見
コラム6 安部英医師獄中記
<付録CD-ROM目次>
「薬害エイズ」事件・第一審判決文(東京地裁平成13年3月28日判決)全文
俗説「加熱製剤の治験調整」を検証する(岡本和夫)
はじめに
第一章 安部医師はミドリ十字の開発を待って、治験を開始したか?──いわゆる治験調整はあったか?
第二章 名誉毀損裁判はメディアにたずさわる人の資質が問われた裁判であった
参考資料
あとがき
前書きなど
東京地方裁判所は、2001(平成13)年、いわゆる「薬害エイズ」事件において、安部医師に無罪の判決を下しました。この本を読まれた方は、この事件において、安部英医師に責任のないことは、あまりにも当たり前で、どうして起訴までされたのだろうと思われるのではないでしょうか。しかし、世間では、第一審無罪判決が下される前はもちろん、その後でさえも、安部医師の責任を問う声が絶えません。その理由は、血友病患者に対してエイズのウイルスに汚染された血液製剤を投与したためにこれだけの被害が出たのだから、責任者がいないはずはない、安部医師は血友病治療の第一人者であるから責任を負うのは当然だ、ということにあるようです。
私たちは、そういう声を聞くたびに、無罪判決のエッセンスを、それはつまり本書のエッセンスなのですが、それを要約して説明してまいりました。そうすると、ほとんどの方が、30分ほども私たちの話を聞かれると、なるほど、そうか、そういうことかと、安部医師の無罪を納得されました。そして、それでは、なぜ一部のマスメディアはあんなに書き立て、検察は起訴までしたのかと慨嘆し憤慨される方も多くおられました。
そこで、そういう経験を持ってみて、私たちは、もっと多くの方にこの事件の真実を知っていただきたいと思うようになりました。それが、本書執筆の動機であります。みなさんの理解が広まることによって、安部医師に着せられた濡れ衣も乾くことになりますし、また、これからは無実の人を起訴することも少なくなるものと思います。
血液製剤は、人間の血液を原料とする薬品であるために、各種のウイルスに汚染される可能性があります。最近、大きな社会的問題となった肝炎の問題も、肝炎のウイルスに汚染された血液製剤の投与によって生じたものであります。血液製剤における肝炎ウイルス汚染の可能性と危険性は、エイズウイルス汚染の場合に比べて、医師の間では、かなり古くから知られておりました。また、肝炎に罹った方の数は非常に多く、エイズに罹った方の何倍にもなります。しかし、これまでのところ、マスメディアや検察を含めて、誰からも、医師の責任を問う声は全く聞こえてきておりません。これは、安部医師に対する事件についての深刻な反省によるものと考えられますが、それにつけても、安部医師に対しては、ひどいことをしたものだという思いがこみ上げて参ります。
本書の執筆者のうち、武藤春光、弘中惇一郎、喜田村洋一、飯田正剛、坂井眞、加城千波の6名は、安部医師の弁護団の弁護士、郡司篤晃は当時の厚生省の生物製剤課長、そして、岡本和夫は当時のミドリ十字の社員であります。
2008年8月
編者 武藤 春光
弘中惇一郎
著者プロフィール
武藤 春光(ムトウ シュンコウ)
弁護士
弘中 惇一郎(ヒロナカ ジュンイチロウ)
弁護士
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