
発行:アールズ出版 この版元の本一覧
四六判 208ページ 並製
定価:1,300円+税 総額を計算する
ISBN978-4-86204-099-2 C0030
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年03月 書店発売日:2009年03月15日
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場での意思疎通はますます困難な時代に。「話せばわかってくれる」という淡い期待はあっさり裏切られる。なかなか通じない会話に疲労感だけが溜まり、古き良き時代の「察し型」コミュニケーションへの郷愁に浸る人がいる。もう一方に、それでもわかってもらおうと「発信型」コミュニケーションの努力を怠らず、イライラ感をひたすら募らせる人もいる。そんな時代のコミュニケーションはどうあるべきか─。そこで本書は、「そもそも話は通じなくて当たり前」、「一割、二割、わかってもらえたら儲けもの」をスタート地点に、“不機嫌な時代”の会話術を構築する。名づけて「関係重視型」。話をわかってもらう第一歩は、「相手をどれだけ理解しているか?」「相手と自分はどんな関係にあるか?」─この「自分への問いかけ」からはじまる。
目次
はじめに 「さっぱり話が通じない」とストレスを溜め込んでいないか
序章 「簡単な話」が通じない時代▼親近感を育む「関係重視型」コミュニケーションのすすめ
1 かつて“沈黙は美徳”だった/2 見直されてきた「お喋り」の効用/3 話すときの“軸足”をどこにおくか/4 自分から口火を切って働きかける/5 話す前から“マイナスの結果”を思い描いていないか
第1章 人は“違い”があるから面白い▼相手との“温度差”を乗り越えて、どう伝えるか
1 コミュニケーションって何だろう?/2 コミュニケーションは“共にする”やりと/3 “上から目線”で話していないか/4 対面コミュニケーションのプラスとマイナス/5 気持ちを伝えるときに大切なこと/6 口数の多さと伝達力は比例しない/7 人は“見かけ”に影響される/8 コミュニケーションは「言葉」がすべてではない/9 「わかった」イコール「実行する」ではない/10 相手は「自分を映す鏡」である
第2章 話の「聞かれ方」を考えて伝える ▼相手の身になって話せば、思いはかならず通じる
1 「相手」と「聞き手」の違いはどこにあるか/2 「相手」を「聞き手」にするひと言/3 「あいさつ上手」の人はここが違う/4 相手の気持ちに目を向けて“感じよく”振る舞う/5 “感じの悪い”相手にどう伝えるか/6 話しながら相手の“心の声”を聞きとる/7 軽い冗談が“悪い冗談”に変わるとき/8 あくまでも「笑うのは客」である/9 「知る」には聞かなくてはならない/10 言葉を“文字どおり”受け取っていないか/11 相手が知りたがっている点に的を絞る
第3章 話の“通り”がよくなる説明の技術 ▼理解・納得し、行動してもらうための実践ノウハウ
1 “未消化”のまま相手に伝えようとしていないか/2 “あっさりした”説明を心がける/3 「頭のいい人」「専門家」が陥りやすい、こんな誤り/4 まずは「全体像」をわからせる 5 「対比」によって違いを浮き彫りにする/6 “順序よく”流れにそって話す/7 身につけたい「理由・根拠」を添える習慣/8 「思考語」を「表現語」に変えて伝える/9 「専門語」と「日常語」を使い分ける/10 具体的に表現すると話が通じやすくなる
第4章 こんなとき、何をどう伝えるか▼簡潔かつ印象深く伝えるためのポイント
1 謝る─“前進”へのチャンスと捉える/2 断る─理由を納得してもらうのが何より大事/3 叱る─目的は“気づかせる”ことにある/4 ほめる─きちんと伝われば自信につながる/5 会話─親近感を育てる、かけがえのないやりとり/6 道案内─細部は省略して要点を押さえる/7 紹介する─「共通点」にふれれば親近感が生まれる/8 説明会(1)─準備に必要なこと/9 説明会(2)─本番で大切なこと/10 理由の説明─どう述べるかで“人となり”が判断される/11 気持ちを伝える─言葉だけでなく全身で表現する/12 “その気”にさせる説明のコツ─すぐれた説明には説得力がある
第5章 こんな「言葉癖」「言い回し」に要注意!▼「言い方」をちょっと変えるだけでスムーズに伝わる
1 「何度言ったら、わかるんだ」─「わかるはず」との思い込みから発する言葉/2 「そんなこともわからないの!?」─弱みにつけ込んだ偉そうな言い方/3 「そのうち、○○しましょう」─外国人には通用しない言い回し/4 「朝イチで」「一両日中に」─特定しない“曖昧さ”がときにはリスクを呼ぶ/5 「つらいものがあるんですよ」─わかったような、わからないような表現/6 「簡単ですよ」─相手を安心させるか、それとも突き放すことになるか/7 「お電話、代わりました」─わかりきった不必要な言葉/8 「話せばわかる」─自分に都合よく考えるのは、あまりにも身勝手!
前書きなど
はじめに……「さっぱり話が通じない」とストレスを溜め込んでいないか
あなたは、次の三つの項目のうちのどれに、一番共感を覚えるだろうか。
①話さなくてもわかってくれる
②話せばわかってくれる
③話しても、なかなかわかってくれない
①に共感を覚える人も少なくないだろう。気心の知れた相手なら、
「言わずと知れたあいつのことだ。きっとわかってくれるに違いない」
で、すむからだ。とはいえ、その相手が理解してくれないとわかると、
「あんな奴とは知らなかった」
と、怒りの矛先は相手へと向かい、関係がギクシャクするといった現実も少なくない。
では、②はどうか。正論派ならば、「そのとおり」と、ここに同意するだろう。「話せばわかってくれる」とは、
「私が言っているのは正しいことであり、正論は当然、相手にも伝わるはずだ」
と、言っているのだ。
だが、人は理屈では動かないこともある。正しいことを言っても、わかるどころか、耳を傾けようともしない相手もいるのである。そして、今日の価値観や環境がめまぐるしく変化する社会状況からすれば、③の「話しても、なかなかわかってくれない」が、もっとも現実に近いといえる。③に共感を覚えない人でも、心のどこかで、
「話がさっぱり通じない」
という苦い経験に思い当たるのではなかろうか。
本書は、この③を認め、受け入れるところから出発する。
「話せばわかってくれる」
とばかり、しきりに発信するものの、
「あれほど話したのに、なんでわからないのか?」
と疲れ果て、ついには、
「あんな奴とは話すだけムダだ」
と、コミュニケーションを投げ出す人も出てくるばかりか、最初からあきらめて、ものを言わなくなってしまう人まで出てくるとなると、これは大きな問題である。
「話しても簡単には通じない」
を前提にして、だからこそ、どう話せばよいか、そこに知恵を絞る。いや、そこに、コミュニケーションの本来の価値を求める。コミュニケーションの原理・原則や方法を、どう生かしていくかを、あれこれと試みる。
そのために、「どう考え」「どのようにしたらよいか」を、具体的に述べたのが本書である。
どんな話にも必ず相手が存在する。その相手は自分と異なる存在だ。〈そんなこと、当たり前だ、なにをいまさら〉と、思う人もいるだろう。だが、わかってほしいと思う相手を、自分はどれだけ理解して、話をしているだろうか。相手と自分はどのような関係にあるのだろうか。それらを知ることが、「わかってもらう第一歩」なのである。
本書が、コミュニケーションの取り方を、
・「察し型」から「発信型」へ
・そして、単なる発信一方でなく「関係重視型」へ
と、説いているのも、そのためである。
人は一人では生きていけない。人とのかかわりの中で生きていく動物だ。相手を理解したい、相手に理解してもらいたい、という思いを実現させるには、コミュニケーションは欠かせない。
そもそもコミュニケーションは手間のかかる作業なのだ。もともと容易なことではない。そこへもってきて、一人ひとりの生き方における価値観はガラガラと音をたてて変化し、多様化している。
そんな変化に手間ひまかかるコミュニケーションのあり方を連動させるのは決して容易ではない。ややもすれば変化についていけず、人によっては「さっぱり話が通じない!」とストレスを溜め込んだり、過去の“よき時代”へのノスタルジーにひたる人もいるだろう。
それを承知しながら、いまの時代のコミュニケーションの取り方についての目安を説いたのが本書である。
「話は通じなくて当たり前」
そう思えば、気がラクになるではないか。一割でも、二割でもわかってもらえれば、儲けもの。とすれば、
「話はしてみるもの」
と、明るい気持ちになれる。
話してみて、相手をわかっていなかったことに気づけば、こちらの態度や話し方を改めることができる。本書を読んで下さる皆さんに、そう思ってもらえることを心から願って、私はこの本を書いた。
福田 健
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著者プロフィール
福田 健(フクダ ケン)
(株)話し方研究所 会長
1961年、中央大学法学部卒業後、大和運輸(ヤマト運輸)に入社。1967年、言論科学研究所に入所。指導部長、理事を歴任。1983年、(株)話し方研究所を設立、同研究所所長に就任。2004年、会長。コミュニケーションを軸にした講演、講座に出講。話し方研究所主催のセミナーでも直接指導にあたる。主な著書に『人は「話し方」で9割変わる』『女性は「話し方」で9割変わる』『子どもは「話し方」で9割変わる』(以上、経済界)、『場の空気が読める人、読めない人』(PHP新書)、『人間関係が10倍よくなる「聞く技術」』(角川SSC新書)、『プレゼンの上手な話し方』(ダイヤモンド社)など多数。
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