発行:長崎出版 この版元の本一覧
A5判変型 128ページ 並製
定価:1,200円+税 総額を計算する
ISBN978-4-86095-325-6 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年04月 書店発売日:2009年04月22日
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5月の「母の日」を前にすると、街には赤いカーネーションと母への感謝のメッセージがあふれるようになります。母の日は、市場規模5000億(※2002年ビジネスガイド社の調査レポートより)、クリスマスより大きいギフト市場でもあります。
けれども、母の日というのは、贈り物をするということだけの日ではありませんし、また、母への気持ちは、感謝ばかりではありません。
「母が亡くなった年から、私にとって母の日は苦痛な日へと変わりました。周囲は笑顔でカーネーションを買っているのに私は泣きながら仏花を母の仏壇に供える。そのことにかなりの寂しさと悲しさを感じていました。病気で衰弱し自宅療養していた母に優しい言葉をかけられなかったのをずっと責めている自分がいます。もっと話したかったし、もっと一緒にいたかった。母の日なんて大嫌い、自分には全然関係ないと思っていたけれど、私も素直に母への感謝を表していいのだと思いました」
これは2008年に刊行した文集『101年目の母の日〜今、伝えたい想い〜』への反響の声です。悲しみも、後悔も、そこにある素直な気持ちをありのままに認めることができたら、それはその人にとっての新しい「母の日」との出会いになるのかもしれません。
そして2009年、新聞紙上等での呼びかけに、全国からたくさんの手紙や手記をいただきました。そして刊行されたのが本書になります。
本書を読み、切なくなった人や葛藤を感じた人もいるかもしれません。文集の読者の中には、数行読んだだけで辛くて読めず、数カ月かけてやっと読むことができたという方もいました。いろんな感情や想いがあっていい。一人ひとりに母への想いがある、そうした母への想いをありのままに表すことのできる場、それを分かち合うことのできる場でありたい、それがこの本の願いです。
目次
はじめに
お母さんがこの手紙を読んでくれますように 上原教子 23歳 千葉県
2回目の手紙 髙島彰代 24歳 千葉県
お母さんへ 山本真綾 22歳 和歌山県
24歳のお母さんへ 梨本恵里子 30歳 神奈川県
こんにちは豆腐屋です 岡部晴美 37歳 東京都
二人の母と娘 有馬さかえ 71歳 神奈川県
あーちゃん 遠藤紀子 18歳 福島県
小さなお菓子袋 栗城利光 50歳 東京都
コラム1 世界の母の日
迷子にならないで/五月の風 育栄 47歳 茨城県
形見の着物 片方雅恵 50歳 岩手県
大きいひとりごと 小沢美知子 50代 京都府
感謝 木畑ユリ子 54歳 埼玉県
母さん、ありがとう 吉田幸子 64歳 埼玉県
母をこころで感じながら 荒谷直美 41歳 大阪府
お母さん 正美 28歳 栃木県
オカンへ 今井英明 26歳 兵庫県
母への想い 狩野直美 42歳 茨城県
コラム2 日本の母の日
コラム3 私の母の日の思い出
お母さんへ 渡辺光希 44歳 神奈川県
天国のママへ。幸せにしていますか? 紅林千賀子 48歳 神奈川県
亡き父母に想うこと 藤井由紀子 58歳 広島県
21年目の母の日 大前みどり 36歳 埼玉県
38歳の時の母 森加代子 56歳 千葉県
母は観音様 斎藤泰子 73歳 福島県
優しかった母さんへ 杉浦小百合 59歳 京都府
母の思い出 田中達男 77歳 千葉県
悔いる 伊藤栄子 39歳 東京都
空いっぱいの愛 永野直美 52歳 千葉県
亡き母に送る手紙 松岡静子 92歳 宮崎県
母への懺悔 五十嵐浩子 55歳 神奈川県
コラム4 グリーフ 〜ひとつ、ひとつを大切に〜
伝えたいこと 吉田千枝 31歳 秋田県
「母が亡くなった数日後のはしり書き」より 大矢富行 37歳 神奈川県
今の気持ちを聞いて、かあちゃん 沢野貢二 52歳 埼玉県
お母さん、もっと一緒にいたかった 石波恵里 34歳 鳥取県
今でも恋しいお母さんへ 小出幸子 61歳 新潟県
おばあさんとの思い出 栗城清美 34歳 福島県
おかぁへ 池本真理 36歳 鳥取県
母と生きた時間 尾角光美 25歳 京都府
ボストンバッグ 星名稔 62歳 宮城県
お母さんとの交換日記 古山恵梨 21歳 大阪府
亡き母……母親の存在 熊田優紀 21歳 福島県
おわりに
前書きなど
「母の日」はもともと母を亡くした子がはじめたもの。
私は「母の日」の起源を2007年5月に知りました。息を呑みました。それまで生きている母へのものだと思っていた「母の日」。ところが、原点は亡き母への想いであり、そこに共感した人が共に「母の日」を広めたものだったのです。
数年前に母を亡くしている私は、起源を知るまでは「母の日」は「関係のないもの」として意識したこともありませんでした。母が亡くなる前年、「母の日」に初めてバッグを贈ったのですが、それは最初で最後の「母の日」になると思っていました。しかし、そうではありませんでした。私の元に「母の日」が戻ってきたのです。
母が生きている、生きていないに関係なく、「母の日」をすべての人に届けよう。そのために母の日の起源を一人でも多くの人に伝えようと思いました。亡くした人は、死が関係を断ち切るものでなく、むしろ亡き母と自分をつなぐ「母の日」を感じられるのではないかと。亡くしていない人は、死があっての生で、今目の前に母が「存在」することをより実感できる機会になるのではと考えました。
2008年、「母の日」が100周年を迎えると知り、母を亡くしていた6人の友人に呼びかけました。「一人の力は小さいけれど結集すれば、より大きなことができる」。そう思ったのです。7人で、ただ事実を知ってもらう活動をするのではなく、母を亡くした人に、文集という「場」をつくることにしました。
悲しみ、怒り、寂しさ、後悔、自責感……どんな感情でも、感じたままのことを出しても大丈夫な「場」。直接顔は見えずとも文集という「場」を介し、出会い、つながり、深い部分を共有する。そのために母を亡くした人に文集への寄稿を、新聞を通じて呼びかけました。
そうして生まれたのが、『101年目の母の日〜今、伝えたい想い〜』です。和紙をつかい、手刷りでつくった文集です。初版500部、計1000部を発行しました。北は岩手から南は沖縄までの21歳から80歳の「子ども」たちが、40篇の物語を紡ぎました。
その反響は、私たちの予想を遙かに上回るものでした。
「この先も続けて欲しい」
「この活動をずっと応援していきたいです」
そんな声を受けて立ち上げた企画が本書です。「より多くの人に届きますように」との願いをこめて。
関連リンク
http://mother102.blog26.fc2.com/
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