発行:批評社 この版元の本一覧
A5判 360ページ 並製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8265-0512-3 C0039
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年11月 書店発売日:2009年11月16日
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「河内もん」の世界を描いた今東光、グリコのおまけ博士宮本順三、東洋のハリウッドとうたわれた帝国キネマ長瀬撮影所、庶民文化の発明品である回転寿司。近世以降独特で多彩な商業文化を育んできた河内を様々な角度から眺める河内文化のインデックス。
大和川によって形作られる河内地域は、古くより水陸交通の要衝の地であり、日本史において幾多の分岐点となってきた。『記紀』において神武天皇がナガスネヒコと戦いを繰り広げ、聖徳太子が物部守屋を破った地である。以後、南北朝時代には楠木正成が河内往生院で決戦に臨み、大阪の陣の戦場ともなった。幾多の争乱を経て、河内の地域は「河内もん」に象徴される反骨心を育んできた。
多くの政争の場となった河内地域は、有名な1704年の大和川付け替え工事によって豊かな農業地域となり、綿作等の商業作物栽培によって富農層が誕生した。近代になると大阪電気軌道の開通によって大阪船場の商人や企業経営者、文化人が移り住み、独特の商業文化を生み出しはじめる。歴史的に育まれた反骨と進取の気質は、民間開発による人工衛星「まいど一号」の打ち上げに表されるように、21世紀になった今なお河内の人びとのこころと文化に息づいている。
目次
序文 U—BOX〔大学の箱〕とおもちゃ箱(谷岡一郎)
インタビュー 無量の光の中で——河内とわたしの考古学(水野正好)
総論——1 河内イメージの形成と展開——河内の文芸史(石上敏)
総論——2 河内・おもちゃ箱の世界(河内の郷土文化サークルセンター)
エッセイ 『河内文化のおもちゃ箱』と記憶遺産(浅野詠子)
■河内のおいたち
河内平野のおいたち(別所秀高)
河内の渡来人(田中清美)
馬と船——河内と東アジア(山野隆雄)
皇紀二千六百年の孔舎衙(中谷作次)
■河内の古代・中世
幻の河内大橋(安村俊史)
横野の万葉歌と犬養孝(大東道雄)
古代山城・高安城の歴史と発見(棚橋利光)
河内玉櫛——楠木正成の生まれた地(関谷広)
楠木正行の墓(滝住光二)
織田信長と若江城(勝田邦夫)
大坂城石垣の石材——生駒山西麓の石切場(館邦典)
大坂築城の石奉行 足立家の墓碑(田中絹子)
■河内の宗教的世界
河内往生院の多様性——生駒山の宗教的世界(小林義孝)
民俗学者赤松啓介と生駒の神々(小林義孝)
コリアタウンと生駒山系の韓寺〔朝鮮寺〕(曺奎通)
戦国時代の河内キリシタン(神田宏大)
■近世の河内と大坂
付替え前の大和川の治水と開発(小谷利明)
柏原船——近世河内平野の大動脈(吉村馨)
舟板塀に魅せられて(杉山三記雄)
河内木綿の生産と新田経営——鴻池新田の分析から(井上伸一)
鴻池新田会所史跡指定奮闘記(天竹薫信)
河内木綿再生へ(中井由榮)
水車〔踏車〕——河内を流通する民具(川口哲秀)
水車〔踏車〕と平野屋新田会所(小林義孝)
近世河内の庄屋と地域社会——『日下村森家庄屋日記』を資料として(浜田昭子)
■近世河内の文化
生駒山人と上田秋成(浜田昭子)
慈雲尊者と梵字研究(横田明)
近世河内の文化人二人——医師芦田梅三と国学者岩崎美隆(伊ヶ崎淑彦)
■河内の伝統と習俗
河内音頭は、民謡か?——そのなりたち、そして今(村井市郎)
雑記帳 河内の方言(後藤利幸)
河内相撲(大西英利)
石地蔵伝承あれこれ——大阪府中部編(三村正臣)
今東光・河内風土記の世界(伊東健)
今東光著『悪名』について(井上万里子)
■河内の近代
おまけ博士の 河内から世界へ発信——井の中の蛙 大海を知る(樋口須賀子)
大軌物語(黒田収)
帝キネ界隈(荻田昭次)
稲荷山遊園地と谷崎潤一郎(浜田昭子)
太宰治『パンドラの匣』の舞台は孔舎衙健康道場だった!(藤本優子)
司馬さんのいた町——鶴橋・猪飼野から守口・八尾へ(足代健二郎)
河内の戦争遺跡——日常の中の戦争痕跡(大西進)
大東ヒストリー——水の恵み、水の災い(古崎勉)
人工衛星まいど一号の推進力——東大阪のものづくり(成瀬俊彦)
河内の回転文化(黒田収)
関連リンク
著者プロフィール
水野正好(ミズノ マサヨシ)
昭和9(1934)年、大阪市生まれ。大阪学芸大学卒業。奈良大学名誉教授、(財)大阪府文化財センター理事長。専門は日本宗教考古学。宗教、まじないなど精神世界の考古学的研究を進める。
主な著書に『土偶 日本の原始美術』(講談社)、『島国の原像』(角川書店)など。研究論文多数。
河内の郷土文化サークルセンター(カワチノキョウドブンカサークルセンター)
昭和58(1984)年創立。中河内地域(柏原市・八尾市・東大阪市・大阪市東部・大東市)などで活動する25の文化サークルセンターで構成。大阪商業大学の支援を受け、同大学谷岡記念館を活動の拠点とする。機関誌『あしたづ』を発行。
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