
発行:七つ森書館 この版元の本一覧
四六判 256ページ 上製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-8228-0999-7 C0033
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年10月 書店発売日:2009年10月01日
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三大メガバンク──三菱UFJ・みずほ・三井住友もついに!? 銀行はどうあるべきか。問われているのは「良い銀行」とは何か、である。
目次
はじめに
第1章 三菱UFJフィナンシャルグループ
1 世界最大銀行の大赤字
「世界最大の銀行」が生まれた
五年ぶりの赤字決算
2 三菱の歴史
国有企業の払下げで大きくなる
財閥解体と復活
陽和不動産株買占め事件
3 ビジョンなき合併
東京三菱銀行の誕生
対等合併という虚構
「資金量世界一の銀行」
4 UFJとの統合
「三菱東京が乗っ取られる」というデマ
三井住友とのUFJ争奪戦
三和と東海──合併の繰り返し
5 三菱UFJ証券
銀行と証券のあいまいな関係
銀行による証券支配へ
6 信託、生保、損保との関係
信託銀行を傘下に
迷走する明治生命と東京海上
サラ金へ触手
7 解体する企業集団
六大企業集団の時代は終わった
三菱グループと三和グループは融合するか
8 混迷する戦略
三菱UFJ証券とモルガン・スタンレーの関係
銀行による証券支配がもたらすもの
第2章 みずほフィナンシャルグループ
1 「世界最大のメガバンク誕生」
不吉なスタート
2 三菱─第一銀行合併の挫折
「三菱に飲み込まれる」──第一グループの反対
3 第一=勧銀の合併へ
「一つ屋根の下の二つの銀行」
4 安田財閥から富士銀行へ
芙蓉グループの中核
山一証券でつまずく
5 興銀→みずほコーポレート銀行
存在理由がなくなった興長銀
〝ツーバンク制〟
6 合併の相手を間違える
誰が決めたのか
興銀は良いパートナーだったのか
7 芙蓉グループ+第一勧銀グループになるか?
雑多な企業の集まり
みずほグループは形成されたか
8 〝混成チーム〟──みずほ証券
準大手+銀行系
銀行による証券支配はうまくいくか?
9 大きすぎる銀行
弱さが目立つみずほフィナンシャルグループ
「規模の不経済」
第3章 三井住友フィナンシャルグループ
1 政商から財閥へ──三井
政治家に取り入る
戦後斜陽化した原因
2 銅からいもづる式に発展──住友
三井と対照的
3 暴走する住友銀行
「住友神話」──磯田一郎頭取
「向こう傷を恐れるな」
イトマン事件で挫折
4 住友銀行とさくら銀行の合併
山陽特殊鋼事件と神戸銀行
「世界第二位の巨大銀行」
なぜ、さくらと住友なのか?
5 孤立する住友信託
二度にわたる合併の失敗
6 証券戦略
大和証券との微妙な関係
日興を買収
大和と日興を統合できるか
7 三井と住友の奇妙な関係
三井の弱さ
住友の強さ
8 赤字転落、大幅増資
〝住友神話〟の亡霊
第4章 問われている銀行のあり方──大きい銀行」(ルビ:グレイト・バンク)から「良い銀行」(ルビ:グッド・バンク)へ
1 銀行合併──失敗の歴史
合併という奇術
合併とは何か?
持株会社による統合
日本の〝話し合い合併〟
合理的判断だったのか
2 「大きいことは良いこと」か?
規模の経済と不経済
大きくなりすぎた銀行
内部対立
銀行の社会的責任
3 銀行と証券の垣根
証券取引法六五条による分離
変化する関係
歴史に逆行
4 野村証券という会社
〝ノルマ証券〟
〝証券スキャンダル〟
「引受部門を分離せよ」
転機に立たされた野村証券
5 銀行国有化とは何か
国有化=社会主義か?
日本の公的資金投入
誰のための低金利政策か?
誰のための規制緩和か?
6 りそな銀行のケース
奇妙な〝国有化〟
7 銀行による株式所有
危険な株式所有
アメリカとの違い
株式相互持合いという背理
8 金融持株会社
持株会社──禁止から解禁へ
株主が一人の会社が株式会社といえるのか
9 職業としての銀行員
西川善文と島村大心
天職とは何か
マルクスの職業
〝貪欲餓鬼道〟
銀行に就職を希望する学生たち
10 金融資本主義の末路
サブプライム恐慌の原因
「日本は矛盾の先進国」である
銀行を救済したあとどうするのか
11 「大きい銀行」から「良い銀行」へ
「大きい銀行」は「良い銀行」ではない
大きい銀行を小さくする
銀行から証券を分離する
「良い銀行」が求められている
「良い銀行」とは
前書きなど
はじめに
「銀行業は破綻した産業である」
イギリスの「エコノミスト」誌は二〇〇九年五月一六日号の「銀行の再建」と題した特集でこのように指摘している。
銀行は企業や消費者に対して効率的に資本を配分するはずだが、実際にはカネが欲しい者には誰にでも信用を与える。
銀行は本来、信用の流れを効率的にするはずだが、逆にそれを阻害している。
そして倒産した銀行を救済するために、世界中の政府がそれぞれ巨額の公的資金、すなわち国民の税金をつぎ込んでいる。
同誌はこのように指摘して、銀行を改革することの必要性を訴えているのだが、二〇〇八年九月のリーマン・ブラザーズの倒産以来、アメリカ発のサブプライム恐慌が世界中の銀行を奈落の底に陥れた。はじめはその影響が少ないとみられていた日本の銀行もやがて大きな打撃を受けることになり、三菱UFJ、みずほ、三井住友という日本を代表する三大銀行グループも二〇〇九年三月期決算で大きな赤字を計上するに至った。
そこで問われているのは銀行業のあり方であるが、「エコノミスト」誌が指摘するように、それが破綻した産業であるとすれば、それはわれわれにとっても大問題である。
日本の銀行は一九九〇年代になってバブルが崩壊したあと、いずれも巨額の不良債権を抱えて経営危機に陥った。そこで政府は銀行を救済するために数十兆円の公的資金を投入したのだが、それで立ち直ったかにみえたところへ、今度はまたサブプライム恐慌に襲われたのである。
巨額の公的資金によって救済されながら、銀行の体質は変わらなかった。いや、合併や統合によって巨大化しただけであった。
そしていま、サブプライム恐慌でアメリカをはじめ多くの国で銀行救済のために巨額の公的資金が投じられているのだが、その結果は果たしてどうなるのだろうか。
国民の税金によって救済されながら、銀行が元の姿のままであるというのでは、それは〝税金泥棒〟といわれても仕方ない。
いま、こうしてアメリカをはじめ世界中で銀行のあり方が問われている。そこでこの本では日本の三大銀行グループについて、それがこれまで何をしてきたか、それは日本の国民に何をもたらしたのか、ということを明らかにしていく。
私は株式会社の研究を五〇年以上にわたって続けてきたが、この株式会社研究の観点から日本の銀行、とりわけ三大銀行グループを取り上げて解剖した。
そして銀行はこれからどうあるべきか、銀行員は何をなすべきか、という問題を提起した。その解答は簡単ではないが、読者がこの本を読んで、それぞれ自分で考えるために役立つことを願っている。
これまで七つ森書館から『会社事件史』(佐高信との共著)『会社学入門』『世界金融恐慌』『徹底検証 日本の五大新聞』を出してもらっているが、今回の本を含め中里英章さんには大変お世話になったことを感謝する。
二〇〇九年 夏 奥村 宏
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“メガバンクは銀行が抱えていた問題を解決したのか?
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徹底検証 日本の五大新聞
著者プロフィール
奥村 宏(オクムラ ヒロシ)
1930年生まれ。岡山大学法文学部卒業。産経新聞記者を経て、日本証券経済研究所主任研究員、龍谷大学・中央大学教授を歴任。会社学研究家。商学博士。
著書に『株式会社に社会的責任はあるか』(岩波書店)、『企業買収』(岩波新書)、『会社とはなにか』(岩波ジュニア新書)、『粉飾資本主義』(東洋経済新報社)、『株のからくり』(平凡社新書)、『会社はなぜ事件を繰り返すのか』『会社はどこへ行く』(以上、NTT出版)、『会社事件史』(佐高信との共著)、『会社学入門』『世界金融恐慌─1929年の世界恐慌が再来するのか?』『徹底検証 日本の五大新聞』(以上、七つ森書館)他。
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