“貧しさ”の連鎖の中の食食大乱の時代
大野 和興, 西沢 江美子
発行:七つ森書館
この版元の本一覧
四六判 272ページ 並製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8228-0871-6 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年07月
書店発売日:2008年07月09日
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紹介

いま、食と農の世界が音をたてて崩れている。
人びとの食を支え、そのことによって土や水を守り、地域の自然環境を守ってきた食と農の現場から世界を見据える!

目次

第1章 食大乱──食卓を襲う3つの大波
 1 世界に広がる食料危機
 2 農薬入り中国ギョーザは日本初のブーメランだ
 3 貧困が食卓を襲う

第2章 田んぼと畑から──貧困の連鎖の中の食I
 1 いつまでもあると思うな親とコメ
 2 土地から引き剥がされる農民──解体する農民世界
 3 自由貿易はアジアの農村になにをもたらしたか

第3章 食品企業の裏側──貧困の連鎖の中の食II
 1 名ばかりの店長の反乱
 2 食品産業の集中と再編
 3 なぜ生協か

第4章 食わせろ──貧困の連鎖の中の食III
 1 たちすくむ女たち
 2 若者は食べてつながる
 3 お店がなくなる
 4 直撃される貧困層──各地からの報告

第5章 作る権利と食べる権利
 1 食糧危機対策が新たな食料危機を作り出す
 2 食料主権と市民社会
 3 食の安全
 4 管理される食

第6章 足下からつくりなおす
 1 生きる権利──廣がある生存権裁判
 2 地域でくらしと食を取り戻す
 3 アジアの村から
 4 共同組合として──生活クラブ生協の取り組み
 5 食べるということ

前書きなど

あとがき

 中国からのギョーザに農薬が入っていたと大騒ぎしていたら、そこに食糧危機なるものが津波のように押し寄せてきて、世界中をのみ込んだ。せきたてられるように、本書の執筆を急いだ。表面にあらわれている出来事は分析しつくされている。6月には国連が食糧危機をめぐって「食糧サミット」を平木、この本が書店に並ぶころ、北海道・洞爺湖のリゾートホテルに世界のおえらいさんが8人集まり、G8サミットなるものがひらかれているが、そこでも食料問題が議論の種になっているはずだ。
 長年農と食をめぐる問題を見つづけ、現場で当事者の方々と動いてきたものとして、私たちはいま表面にあらわれているあれこれの根っこでなにが起こっているのか、それはどういう意味を持っているのかを明らかにしたいと考えた。「食べる」ことは、農という自然と人間が織りなす営みによってつくられた「食材」のなかに宿る「生命」を、料理するという行為を通して引き出し、それを「食べる」ことで私たち自身の「生命」を再生産することだと思う。この「生命の循環」「生命の再生産」の根っこにまでさかのぼって、いま起こっていることの意味をとらえなおしてみたいと思ったのだ。
 この野心的な試みが成功したという自信はないが、とりあえず食の根っこの現実をとらえ、そこで生きる人びとがどう生き、あるいはどう生きようとしているかについては、お伝えすることができたと思う。

著者プロフィール

大野 和興(オオノ カズオキ)

1940年生まれ、ジャーナリスト(農業・食料問題)。現在、ジャーナリスト活動のかたわら、アジア農民交流センター・脱WTO/FTA草の根キャンペーン世話人、国際協力NGO・日本国際ボランティアセンター理事。日本とアジアの村歩きを通して、現場での農民との共同作業と発信をこころがけている。主著に『農と食の政治経済学』(緑風出版)、『日本の農業を考える』(岩波ジュニア新書)、『増補 百姓が時代を創る』(共著、七つ森書館)など。

西沢 江美子(ニシザワ エミコ)

1940年生まれ。群馬県の小さな山村で農民の娘として育つ。茨城大学農学部卒。日本農業新聞記者を経て、現在フリージャーナリスト(農村社会・女性・くらし)。日本の村々を歩き、農村女性とともにむらで自立するためのグループづくりに参加している。主著に『凶作 むらからの証言』(社会評論社)、『あぶない野菜』(共著、めこん)、『あぶない肉』(めこん)、『コメをつくる コメでつくる』(岩波ジュニア新書)など。

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