歴史教育と歴史学の協働をめざして―ゆれる境界・国家・地域にどう向きあうか
森田 武:監修, 坂井 俊樹:編著, 浪川 健治:編著
発行:梨の木舎 この版元の本一覧
A5判 416ページ 並製
定価:3,500円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-8166-0908-4 C0073
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年08月 書店発売日:2009年08月10日
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紹介

「歴史をどうとらえるか」という問題意識を
 共有しながらも、いままで、歴史教育者としての教師と歴史研究者の
 交流や相互理解は十分ではありませんでした。
  本書は、歴史教育の実践者である教師と歴史研究者との
 対話=「協働」の試みです。
  今日の歴史教育を取り巻く状況をうけとめ、
 ゆれる「境界・国家・地域」という視点から見つめなおします。
 小・中・高校の歴史教師や研究者必読です!

目次

目次(抜粋)
第1章.境界と領域の歴史像 
 高校生が自分たちの民族意識を捉え直す日本史の授業    
 歴史和解の方法としての東アジア史        
語られたアイヌ像                 
第2章 地域 営みの場の広がりと人間
 昔の暮らしとまちづくり(小学校)            
 「荒廃」の地域像
 百姓一揆の意識と行動
第3章 交流のなかの東アジアと日本
 古代・中世における仏教思想の浸透      
 女真海賊の侵攻と日本・高麗関係  
第4章 現代社会と歴史理解
 開かれた小学校歴史教育と国際的視野        
 基地の街・朝霞から見える日本・世界      
 在日朝鮮人一世の生業と夜間中学

前書きなど

おわりに
 専門が異なる編者の坂井と浪川が、ある経緯から本書の企画を思い立った。そこには、歴史教育と歴史研究が基本的には問題意識を共有しながらも、実践や研究を進めるにあたっては両者が相互理解を持つことなく、それぞれに対して異なった認識と位置付けを与え、ときには対立的な関係になることを再考したいとの思いがあった。
 2009年3月、坂井は歴史教育関係者に、浪川は歴史研究者に呼びかけ、共同研究会的組織を作った。快く参加をしていただいた実践者・研究者が、第一回の会合を持ったのが五月下旬であった。その後、二回の全体会(同年一一月と翌〇九年三月)の合計三回、人数と時間の制約はあったものの充実した議論の場を持つことができた。この間、浪川・坂井の編集者間では、毎月のように研究の進め方と構成、さらには各メンバーの報告について意見の交換を行っている。
全体会においては、歴史教育と歴史研究の関係性を示すコンセプトとして考えた「協働」という概念のあり方について、その具体的な意味と位置付けの鮮明化についての指摘がなされた。さらに、教育実践と歴史研究の距離の遠さという現実からこうした試み自体の展望について懸念が示されたこともあった。このような討議を踏まえながら、最終の三回目の全体会では、「協働」に対する一定の方向性がおぼろげながら見え始め、執筆者の教育実践と歴史研究の関わりに対する気持ちも醸成され、共通の問題意識を持つことも可能になってきた。十分なものではないものの、「協働」のありかたを形にするという仕事の出発点に立つことができたと思う。
 本書をまとめるにあたり、各執筆者に対しては報告原稿や提出原稿段階で修正をお願いするなどご負担をおかけした。それにもかかわらず、熱心にこの共同作業に参加していただき感謝している。本書に対して多くの方々から、ご意見、ご批判を頂ければ幸いである。それを踏まえて、本書で提案した「協働」について、教育実践と研究を深めていきたい。
 なお最後になりましたが、梨の木舎の羽田ゆみ子さんには、研究会の会場運営や出版に際して多大なご協力を頂いた。記して謝意を表したい。
編者 浪川健治・坂井俊樹
2009年7月12日

著者プロフィール

森田 武(モリタ タケシ)

埼玉大学名誉教授
・「近世後期の村役人選定における郷例・入札と「村自治」『近世・近代日本社会の展開と社会諸科学の現在』新泉社、2007年

上記内容は本書刊行時のものです。

坂井 俊樹(サカイ トシキ)

坂井俊樹 東京学芸大学教育学部
・『現代韓国における歴史教育の成立と葛藤』御茶の水書房、2003年
・共編著『社会科教育研究の再構築をめざして-あたらしい市民教育の実践と研究』東京学芸大学出版会、2009年

上記内容は本書刊行時のものです。

浪川 健治(ナミカワ ケンジ)

筑波大学大学院人文社会科学研究科 
・『地域ネットワークと社会変容』共編著、岩田書院、2008年
・『近世の空間構造と支配-盛岡藩にみる地方知行制の世界-』編著、東洋書院、2009年

上記内容は本書刊行時のものです。
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