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DVD&BOOK 愛蔵版 花のレクイエム
愛蔵版
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年1月
- 書店発売日
- 2014年1月22日
- 登録日
- 2013年12月13日
- 最終更新日
- 2016年4月12日
紹介
連作短編の名手でもあった辻邦生が晩年に紡ぎだした、花と死にまつわる12の物語を、声と音楽で呼びおこす愛蔵版。
著者を魅了した情感あふれる円熟の朗読。
名曲喫茶ヴィオロン秘蔵のSP盤が奏でる旋律。
曲想とマッチした幻想的な絵画。
著者が荒井良雄の朗読がもつ力について語ったエッセイ「生命の劇場としての〈声〉」を単行本初収録。
目次
1月 山茶花
2月 アネモネ
3月 すみれ
4月 ライラック
5月 クレマチス
6月 紫陽花
7月 百合
8月 向日葵
9月 まつむし草
10月 萩
11月 猿捕茨
12月 クリスマス・ローズ
生命の劇場としての〈声〉
DVD収録曲目・音源
前書きなど
辻邦生「生命の劇場としての〈声〉」より
どんな楽器より、声楽が好きなのは、父が琵琶楽を弾奏し、たえず「武蔵野」や「吉野落ち」を歌うのを聞いていたからであろうか。とにかく人の声が好きだ。お喋りしていても、話の面白さもだが、まず声というものに魅惑される。
荒井良雄氏の朗読もまず声だ。それは、天成の美質を、発声法や謡いなどによって訓練して鍛えあげた、しなやかな、響きのいい声である。広いホールでも、マイクなしに、朗々と響きわたる。
その声はメロディに乗っているわけではない。意味伝達のためのテクストを、正確に読むという慎ましい営みのために用いられる、もっとも純粋な声、声のための声である。
文学はもともと声で語られるために書かれた。吟遊詩人たちの吟ずるホメロスも中世武勲詩も、琵琶法師の弾ずる平家物語もそうだった。声の緩急、抑揚によって文学は重層した、闇の部分を多く抱えた、奥行の深いものとして存在した。……
版元から一言
収録曲目はいずれも二十世紀前半のSP盤の名盤。ヴィオロンで細心におこなわれた演奏の高い録音技術によるデジタル化も聞きどころです。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。