発行:第三書館 この版元の本一覧
四六判 416ページ 上製
定価:2,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8074-0901-3 C0031
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年03月 書店発売日:2009年03月02日
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「憂国」の制服組と「腐敗」の背広組。それは、防衛省を映し出す合わせ鏡だった!
年間5兆円にのぼる防衛利権の暗部を徹底取材。
私欲のために国防を弄ぶ”亡国人物列伝”。
目次
序 章 「守屋」と「田母神」の温床
第1章 ”安保”の皮膜を剥がせ
第2章 深き闇へ
第3章 守屋天皇とチルドレン
第4章 山田洋行事件の発端
第5章 噴きあがった”底流”
第6章 CXエンジン選定のクロ魔術
第7章 東京地裁104号法廷からの景色
第8章 抜きさしならぬ関係
第9章 まず欲望ありき
第10章 30万ドルはどこへ消えたか
第11章 利権争奪のさらに源流へ
第12章 金丸信と小沢一郎
第13章 巨額ビジネス/MD利権族の誕生
第14章 日本をMDに巻き込め
第15章 おれの何が悪いんだ
あとがき
前書きなど
防衛庁が「省」に格上げされた2007年。4年という異例の長期にわたって防衛省(庁)の事務次官に君臨してきた守屋武昌が収賄の容疑で逮捕された。
「防衛省の天皇」とまで恐れられた背広組のトップが、武器輸入商社から数百回ものゴルフ接待などを受けたりして、東京地方裁判所で懲役2年6カ月を課せられたことは記憶に新しい。この贈収賄事件の背景には、年間5兆円といわれる防衛予算のパイをめぐって、三菱グループを筆頭に、山田洋行や日本ミライズに及ぶ「日の丸商社」による、壮絶な争奪戦があった。
国防をめぐる背広組の「腐敗」が激しく非難された。だが他方、その「日の丸商社」を優遇せよと説く制服組もいた。
たとえば、民間企業主催の懸賞論文コンテストに「日本は侵略国家であったのか」と題する論文を応募し、その内容が政府見解と著しく異なるとして退官に追い込まれた田母神俊雄航空幕僚長だ。
この「憂国の士」が、じつは「武器ビジネスの尖兵」でもあったことは、あまり知られていない。
「日本は侵略国家ではない」との主張で脚光を浴びる約4年前、田母神は自衛隊の機関紙『鵬友』(2004年9月号)で、こんな持論を語っている。
「防衛産業を守ると言った場合、それは国産にするということであり、武器輸出が出来ない我が国においては、それによって防衛に関する商社の売り上げは減少することになる」と指摘し、「自衛隊としては(中略)日の丸商社に対して申し訳ない気がする」と。
そして田母神は、武器メーカーと武器商人の利害対立を解消する「妙案」を提唱する。
「我が国が武器輸出が出来るようになれば、防衛産業を守ることと商社の利益は対立しなくなる」
これが、「自らの身は顧みず」(田母神の著作タイトル)にモノを申す制服組の本音なのだ。
そこには国民を守る、平和を守るといった崇高な理念などどこにもない。ただ兵器で潤う「死の商人」の懐具合を案ずるのみだ。
このような典型的な背広組の贈収賄事件と田母神をはじめとする制服組の本音は、けっして相反するものではない。それどころか、彼らは補完しあってここまできたのではないだろうか。
「憂国」と「腐敗」。ここに底流するものはなにか。
私たちは、腐敗した「守屋」は彼ひとりではなく、また憂国の名を借りて利益誘導を進める「田母神」も彼独自の論理ではないとの仮説を立てた。日本とアメリカに横たわる巨額の防衛利権が、第二、第三の田母神や守屋を生み出す温床になっているのではないか。これを立証するには、独自の作業を進めるしかないとの信念から、問題の原点へ、あきらめることなく接近し続けた。
版元から一言
数百回にのぼるゴルフ接待や「おねだり妻」のキャッチフレーズ(?)で世相をにぎわした守屋元防衛省事務次官と、「日本は侵略国家ではない」と主張して保守層から喝采をあびた田母神元航空幕僚長。
この腐敗した背広組と、憂国の士を気取る制服組は、相反するものではなく、年間5兆円という巨大な防衛利権をめぐって補完しあってきたのではないか? それを立証するために、著者らは徹底的に取材していきます。
「安保」や「国防」の名をかりて、闇の世界にうごめく「亡国人物列伝」に驚愕してください。
著者プロフィール
野田 峯雄(ノダ ミネオ)
1945年、山梨県生まれ。同志社大学卒のジャーナリスト。おもな著書に、『破壊工作 大韓航空「爆破」事件の真相』(宝島社)、『疑惑の相続人 田中真紀子』(共著)、『わが池田大作バッシング』、『周辺事態 日米「新ガイドライン」の虚実』、『「プリンセス・マサコ」の真実』(以上第三書館)など。
田中 稔(タナカ ミノル)
1959年、千葉県生まれ。82年、中央大学法学部卒。首相関係や国会の動
向など、日本中枢の「永田町」を対象に記者歴20年。日米安保にまつわる疑惑解明のため政官業ゆ着の密会現場などを直撃し続けている。共著に『国策防衛企業 三菱重工の正体』(金曜日)など。
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