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スーツ=軍服!?
スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった!!
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2008年3月
- 書店発売日
- 2008年3月7日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2014年12月19日
紹介
我々が日常身につけている洋服のスタイルは驚くほどミリタリーに由来する。本書は、西欧服飾の通史、特に服飾全体をリードした軍服の歴史をたどり、それが今日のスーツ・ファッションにどう影響を与えているのかを、時系列的に概観する。
目次
序章
◆本当に「スーツは男の戦闘服」である
◆文明開化当時、スーツは最新式の服装だった
◆基本を知らなければ崩すことも出来ない
◆我々の身近にあるミリタリーファッションの影響
一、スーツの章
①スーツまでの歴史を概観する
◆西欧の衣服は本来「ひらひら」
◆長く続いた「ワンピース」の時代
◆半ズボンとボタンの登場
◆ルイ14世の「紳士服革命」
◆ナポレオン時代は軍服花盛り
◆ヴィクトリア朝に登場する今のスーツ
②背広の襟(ラペル)について
◆背広の襟はもともと詰め襟
◆2ボタンスーツと3ボタンスーツ、どっちが正式?
◆ダブルのスーツはフロックコートから
◆ボタンが広まるまで
◆男も女もレースの襟飾りの時代
◆襟は自然発生したもの
◆ポーランド騎兵とハンガリー騎兵の制服
◆紳士服にも「左前」があった時代
③フロックコートの時代
◆2人の「アルバート」とヴィクトリア女王
◆質素倹約の父親、ファッションリーダーの息子
◆フロックコートは「乗馬用上っ張り」
◆「プルシャン・ブルーの軍服」の流行
◆モーニングの登場
◆そして現代型スーツの誕生
◆フロックコートの退場
◆タキシードも本当は英国海軍生まれ
◆日本の閣僚が夜でもモーニングを着る理由
④軍服が背広に近づいてきた時代
◆ドイツ空軍の「背広軍服」
◆日本軍の折り襟軍服はドイツ軍の真似?
◆世界的に大流行した折り襟
◆フランス陸軍式の学生服、英海軍式のセーラー服
◆軍服が「ドレスダウン」したころ
⑤センターベントとサイドベンツ
◆「馬乗り」と「剣吊り」
◆シングルにはセンターベント、ダブルにはサイドベンツ
◆軍刀を下げるのに便利?
◆ノーベンツの方がフォーマル?
⑥袖の仕様「本切羽」その他について
◆「切羽」とは日本刀の部品だが
◆英語では「リアル・カフ・ホールズ」
◆ナポレオンも袖口のボタン外し
◆ドレスシャツを袖から覗かせる習慣
◆ズボンの折り返しがあるほうがフォーマル?
⑦007はなぜイタリアン・スーツを着るのか?
◆ボンドは第2次大戦に従軍した海軍中佐
◆ブリオーニのスーツは一着50万円也
◆注文あつらえにも段階がある
◆コネリーのボンド
◆レイゼンビーのファッショナブルな007
◆ロジャー・ムーアはエグゼクティブ風
◆「マイアミヴァイス」のようなダルトン時代
◆ブリオーニが採用された背景
⑧「クールビズ」が気に入らない理由
◆気になった「政治的ユニフォーム」
◆制服効果の悪しき前例
◆そもそも時代遅れな発想ではないか
◆見せかけではなく本当の環境対策を
◆やめるべきはネクタイではなく「衣替え」
◆古来、偉い人ほどラフな格好を好んだ
◆スーツを駆逐する服装はあるか
◆たかがネクタイ、ですまない場合も
◆「涼しいだけ」では正装といえない
二、ブレザーの章
◆色違いの「替え上着」ではすまない
◆「ブレザー」に二つの系統
◆ケンブリッジ大学のボートクラブ
◆英国軍艦「ブレザー号」の逸話
◆「セーラー服」は1857年に制式に
◆平和任務で名を残した名艦
◆4代目「ブレザー」号
◆海軍士官のジャケットはダブルのブレザーに
三、コートの章
◆コートが必要になった時代
◆チェスター・コートに名を残した伯爵
◆水兵用のピーコート
◆モントゴメリー将軍が流行らせたダッフル
◆アクアスキュータムのトレンチ
◆クリミア戦争とファッション
◆ラグラン男爵とカーディガン伯爵
◆塹壕で生まれた数々のもの
◆そして「塹壕」コート
◆軍用コートには不可欠な肩章
◆肩章の長い来歴とは
◆「小さな肩」を頼もしく見せたい
四、ネクタイの章
①クラヴァット普及までの謎
◆真相はルイ13世か、14世か?
◆ローマ軍のフォカーレ
◆クロアチア兵、フランスに現る
◆クラヴァットの流行
②結び下げネクタイの謎
◆フォー・イン・ハンド・ノットの謎
③レジメンタル・タイと「大佐」の権威
◆レジメンタル・タイの特別な意味合い
◆軍服の「カーキ色」化
◆軍隊における「連隊」の格
◆古代以来の由緒ある呼び名
◆レジメントが最高の編成だった
◆将軍にはなれるが大佐にはなれなかった
◆日本軍向けにすっきりと翻訳
◆海軍の階級の由来
◆キャプテンの由来は「斬り込み隊長」
◆無理な陸海軍のすり合わせ
◆ストライプはなぜ英国と米は逆なのか
④水玉ネクタイの不思議
◆水玉タイはなぜ格が高いのか
◆ブラックスーツを結婚式で着るのは日本人だけ?
◆水玉とは「ポルカ・ドット」
五、ブルゾンの章
①戦闘服とブルゾン
◆「硫黄島からの手紙」への妙な難癖
◆鬼の首を取ったようなブログの滑稽
◆戦闘服が登場したのはごく最近
◆Tシャツも米軍が普及させた
◆今の若者にも大人気のM65ジャケット
②ヒモ飾り「飾緒」の歴史
◆「参謀職緒」は参謀専用ではない?
◆むしろ「副官=秘書」の印である
◆もともとは「馬の手綱」
六、勲章の章
◆勲章の歴史をたどってみる
◆ガーター勲章と金羊毛勲章
◆新時代の勲章レジオン・ド・ヌール
◆あまりにも有名なドイツの鉄十字勲章
◆ヴィクトリア十字勲章、メダル・オブ・オナー、金鵄勲章など
七、靴の章
◆謎だらけの「靴の歴史」
◆とんがり靴とミッキーマウス靴
◆靴に名を残したワーテルローの英雄
◆19世紀に花開くさまざまな靴の様式
◆靴の手入れは自分でするに限る
◆10足の靴を交互に履くほうが長持ち
◆老舗「トリッカーズ」の由来をたどる
◆創業時は「バルトロップ」社だったか
八、鞄の章
①旅行用トランクとルイ・ヴィトン
◆日本にはなかった「カバン」の概念
◆旅行が盛んになる時代が前提
◆世界最古のトランク業者
◆日本の家紋の影響というが
◆世界最大の巨大ファッション財閥に
◆ドン・ペリニオンの由来
②奇跡のような紙のトランク
◆ゾウが踏んでも壊れないトランク
◆ヴァルカナイズという名の共通点
◆靴のグッドイヤー・ウェルト製法とグッドイヤー氏
◆薄幸の天才チャールズ・グッドイヤー
◆マッキントッシュとヴァルカナイズド製法
◆なぜか紙から生まれた素材もヴァルカナイズドに
◆漱石も見た? グローブ・トロッターの流行
③金属製のトランク
◆ドイツ空軍仕様のリモワのケース
九、帽子の章
①二角帽までの時代
◆装飾過剰の時代まで
◆三角帽、そして二角帽に変化
◆軍帽から生まれたさまざまな様式
②敬礼と脱帽の歴史
◆ネルソンの麦わら帽子
◆現代的な「官帽子」の成立
③シルクハットの時代
◆さまざまな帽子が出そろう19世紀後半
◆帽子の消滅と復権の兆し
十、腕時計の章
◆最初の懐中時計はヘンリー8世か
◆航空機と世界大戦が普及させた腕時計
十一、その他のこぼれ話
◆まずはリーバイ・ストラウスから
◆レイバンの軍用サングラス
◆オールデンのコードバン靴
◆英陸軍発祥のカジュアル・シューズ
◆一旅行者が流行させたサンダル
◆沈没船から引き上げられた帝政ロシアの幻の革
◆万年筆と鉛筆の四方山話
◆エルメネジルド・ゼニアの先見の明
◆パラシュートから生まれたナイロン傘
◆チャーチルの「特別製のもの」を守った特製の下着
あとがき
主要参考文献・参考サイト
上記内容は本書刊行時のものです。