ネット社会を生き抜くために「インターネットと人権」を考える
部落解放・人権研究所:編, 奥野 卓司:著, 林 紘一郎:著, 松井 修視:著, 桑子 博行:著, 碓井 真史:著, 辻 大介:著, 中原 美香:著, 石田 英敬:著
発行:部落解放・人権研究所  発売:解放出版社 この版元の本一覧
A5判 146ページ 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7592-6723-5

奥付の初版発行年月:2009年03月 書店発売日:2009年03月13日
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紹介

ネット上の差別事件が頻発している。この問題をどう捉えていけばよいのか。インターネットというメディアとネット上の人権侵害について社会学、心理学、文化人類学、法律などの研究者、事業者、市民の立場から多角的に考える。

目次

刊行にあたって
Ⅰ インターネットというメディア
東アジア型情報社会の可能性と問題  奥野卓司
 インターネットの現在まで
 今日の「情報社会」の状況
 「情報社会」とは?
 日本は情報社会か
 アルビン・トフラーの「第三の波」
 アメリカと日本の「第三の波」比較
 東アジア型情報社会
 モノ語り文化の国の情報化
 
インターネットとはどのようなメディアか  林 紘一郎
 インターネットの世界を俯瞰する
 インフォミュニケーションの時代
 サイバースペースの3つの特徴
 集中から分散へ―ネットワークトポロジーの変化
 ウェブサイトの発達
 メディア産業と規制の類型
 インターネットは平等か

Ⅱ インターネットをめぐる法と自主規律
インターネットと人権をめぐる状況  松井修視
 発信者の地位の回復
 インターネットの普及と社会的影響
 インターネット上のさまざまな人権侵害と法規制の状況
 インターネットのさらなる利用と人権侵害の新たな可能性
 違法・有害情報の規制―解決のためのバランシング
 

安心・安全なインターネット利用環境をめざして  桑子博行
-事業者自主規制の現状と課題 
 通信事業者として
 ネット社会の環境変化と「光と影」
 インターネット上の違法・有害情報対策
 ネット上の権利侵害への取り組み
 安心・安全なインターネット利用環境の整備に向けた動き
 

Ⅲ インターネットとどうつきあっていくのか
インターネットの心理学  碓井真史
 インターネット文化の不在
 人間関係能力の低下
 本当に親友は要らないの?
 傷つきたくないけど、分かってほしい
 ネットコミュニケーションの特徴
 ネット集団自殺の心理
 ネットコミュニケーションの可能性
 ネットについての社会的コンセンサスを

インターネットと子ども・若い人びと 辻 大介
 新しい問題と、新しく見えるだけの問題
 若年層のネット利用の概況
 ネットコミュニケーションの特徴
 「有害」サイトやコンテンツへの接続
 ネット上での過激発言、誹謗中傷
 学級(学校)裏サイト
 ネット中毒、ケータイ依存
 誰かと始終つながっていたい
 「つながりの絶え間」の価値

グローバルな視点からインターネット上の差別を考える 中原美香
 インターネットのさまざまな「場」
 インターネット上の人権侵害の問題点
 諸外国における人権侵害情報をめぐる判例
 法整備とネットワーク構築を

「グーグル・ストリートビュー問題」とは何か 石田英敬
 情報とプライバシーをめぐる議論
 「プライバシー侵害問題」
 「四つのリスク」
 拡がる人権侵害のリスク
 情報社会の現段階

版元から一言

インターネットが私たちの日常生活に入ってきたのは、わずか十数年前のことです。しかし、その直後からインターネット上での差別的表現が問題視されてきました。最近では、Googleがストリート・ビューという事業を日本で展開し、新たな人権侵害を生むのではないかと各方面で検討が始まっています。インターネットというメディアについて人権の観点からどのように捉えて私たちとの関係を取り結んでいけばよいのでしょうか。本書は、文化人類学、メディア学、心理学、法律学、通信事業者、NPOなど多彩な専門家がわかりやすく語っています。今こそ、一人ひとりがインターネットというメディアを意識化し、私たちの側から人権の視点に立って社会的な議論を起こしていくことが大切です。

著者プロフィール

奥野 卓司(オクノ タクジ)

関西学院大学大学院社会学研究科教授
『ジャパンクールと江戸文化.』(岩波書店、2007年)、『日本発イット革命―アジアに広がるジャパンクール』(岩波書店、2004年)、『第三の社会』(岩波書店、2000年)、『人間・動物・機会―テクノアニミズム』(角川新書、2002年)。

林 紘一郎(ハヤシ コウイチロウ)

情報セキュリティ大学院大学副学長・教授
『インフォミュニケーションの時代』(中央公論社、1984年)、『情報メディア法』(東大出版会、2005年)、共著『進化するネットワーキング』(NTT出版、2006年)。

松井 修視(マツイ シュウジ)

関西大学社会学部教授
「ドイツにおける表現の自由とプライバシー」田島泰彦他編『表現の自由とプライバシー』(日本評論社、2007年)、「情報社会と人権」中川義朗編『現代の人権と法を考える』(法律文化社、2007年)、「インターネットと人権」『ヒューマンライツ』233号(部落解放・人権研究所、2007年)。

桑子 博行(クワコ ヒロユキ)

社団法人テレコムサービス協会サービス倫理委員長
現在、総務省、警察庁、内閣官房などの懇談会・研究会等の委員として多数出席。また、通信業界の立場では、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会・会長代理違法情報等対応連絡会主査、ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会・会長など多数。共著に、情報ネットワーク法学会編『インターネット上の誹謗中傷と責任』(商事法務、2005年)など。

碓井 真史(ウスイ マフミ)

新潟青陵大学大学院教授
『誰でもいいから殺したかった!追いつめられた青少年の心理』(KKベストセラーズ、2008年)、『人間関係がうまくいく 図解 嘘の正しい使い方』(大和出版、2008年)、『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』(主婦の友社、2001年)

辻 大介(ツジ ダイスケ)

大阪大学大学院人間科学研究科准教授
「ケータイは公共性の敵か」羽渕一代編『どこか〈問題化〉される若者たち』(恒星社厚生閣、2008年)、「ケータイ、インターネットと人間関係」橋元良明編『メディア・コミュニケーション学』(大修館書店、2008年)、「若者のコミュニケーションにおける配慮の現れ方」『文学』11-12月号(2008年)。

中原 美香(ナカハラ ミカ)

インターネット上の差別に反対する国際ネットワーク(INDI)代表
「多様な国内人権機関と機関相互の協力―アメリカの雇用機会均等委員会と行政人権部局―」NMP研究会・山崎公士編著『国内人権機関の国際比較』(現代人文社、2001年)、「インターネット上の差別をめぐる国際的な動向」『月刊部落解放』595号(2008年)、「サイバースペースにおける人種主義および排外主義と闘う-ヘイトスピーチに影響する法的問題および国際協力を促進する方法-」(上・下、翻訳)『部落解放研究』167号(2005年)、168号(2006年)。

石田 英敬(イシダ ヒデタカ)

東京大学大学院情報学環教授 
編著『知のデジタル・シフト』(弘文堂、2006年)、『現代思想の地平』(放送大学教育振興会、2005年)、『記号の知/メディアの知』(東京大学出版会、2003年)。

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