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同性愛と同性婚の政治学 アンドリュー・サリヴァン(著) - 明石書店
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同性愛と同性婚の政治学 (ドウセイアイトドウセイコンノセイジガク) ノーマルの虚像 (ノーマルノキョゾウ)
原書: Virtually Normal:An Argument about Homosexuality

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発行:明石書店
四六判
308ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7503-4206-1   COPY
ISBN 13
9784750342061   COPY
ISBN 10h
4-7503-4206-8   COPY
ISBN 10
4750342068   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年6月
書店発売日
登録日
2015年6月19日
最終更新日
2015年6月19日
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紹介

米国を代表する政治評論家が同性愛に関して異なる4つの政治的立場から検討し、法社会と自由主義社会とは何かを探るとともに、同性婚法制化についての意義を問う。現在の米国における同性愛者の社会的位置づけの基礎を築いた本書は同性婚が議論され始めた日本においても必読。

目次

 日本語版刊行にむけて Preface to the Japanese Edition アンドリュー・サリヴァン

はじめに Preface

プロローグ Prologue
   同性愛者とは何か What Is a Homosexual?

第1章 同性愛禁止論者 The Prohibitionists

第2章 性解放主義者 The Liberationists

第3章 保守派 The Conservatives

第4章 リベラル派 The Liberals

第5章 同性愛の政治学 A Politics of Homosexuality

エピローグ Epilogue
   同性愛者の役割 What Are Homosexuals For?

おわりに Afterword

主要な参考文献 Select Bibliography

謝辞 Acknowledgments

 監訳者あとがき Translator's Afterword 本山哲人

 日本における同性愛者の法的、社会的現状 The Legal and Social Status of Homosexuals in Japan Today 山下敏雅

前書きなど

おわりに Afterword

 (…前略…)

 公的な議論を検証している第1章から第5章も、それぞれ若干異なった論調で書かれている。最初の四章は、友人であるロイ・ツァオ氏が言うところの「内在批評」という形を取っている。同性愛に関する論争を展開している四つの立場を、それぞれの視点から論じようとした。検証するためにそれぞれの立場が前提としている事柄を受け入れた上で、内在する矛盾点を明らかにしようとした。そういう意図があったので、章と章の間に矛盾点があることを指摘した批評は、本書のそもそもの狙いを誤解していたのではないかと思えてしまう。第1章で前提となっていることと、第2章あるいは第4章の前提とは違う。各章で取り上げているフーコー、アクィナス、ミル、バークは、それぞれ違った前提を基に議論を展開している。だから、各章、全く違った表現で議論を展開している。それぞれの議論を行う者が用いる言葉遣いや口調で表現し、彼らの声と直接対話することを心がけた。したがって、各章は首尾一貫した大論の一部ではなく、一種の論理的共感をそれぞれ個別に生む試みと捉えて読むべきものである。各論を単に論駁するのではなく、それぞれと対話という形で議論を展開するように心掛けた。対話を通して学ぶものがあることを期待した。この「対話」は、そもそも結論ありきの「対話」で、この共感というのは欺瞞であるとの批判もあるだろう。これに対しては、真剣に対話をしたと主張する以外、反論はできない。論理的検証というのは、批判するだけでなく、耳を傾け、ときには真似てみることである。だからこそ、それぞれの議論に耳を傾けることを心掛けた。そして、そうすることで、それぞれの議論において様々な問題点を検証していくことになった。
 本格的な批判は、第5章で展開した。第1章から第4章までの論調と、この章の論調は全く違う。第5章は、明らかに私自身の声で書かれており、私の政治的な考えをここで初めて提示した。したがって、第1章で全面的に用いた自然法の論理は、第5章では姿を消している。第4章で扱った文化的論理は、第5章では影を潜めている。それは、第5章が、第4章までに検証した諸々の思考法から切り離されて存在しているからである。ただ、第5章は、一個人ではなく、一般市民の視点で書かれている。そのため、本書の政治的な議論の核をなしている。

 (…後略…)

著者プロフィール

アンドリュー・サリヴァン  (サリヴァン,アンドリュー)  (

英国出身、米国在住の執筆家・政治コメンテーター。オックスフォード大学より近代史及び近代言語の学士号を、ハーバード大学より公共政策の修士号、政治学の博士号を取得。1991年から1996年まで『ニュー・リパブリック』誌(The New Republic)編集長を務め、その後も『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌(The New York Times Magazine)や『サンデー・タイムズ』紙(The Sunday Times)に寄稿。2000年よりThe Dish、The Daily Beast、The Daily Dishと政治ブログを続けてきたが、2015年1月にブログ執筆から引退することを表明している。主な著書にLove Undetectable: Notes on Friendship, Sex, and Survival(Knopf, 1998);The Conservative Soul: How We Lost It, How to Get It Back(HarperCollins, 2006);Intimations Pursued: The Voice of Practice in the Conversation of Michael Oakeshott(Imprint Academic, 2007)がある。
ゲイを公言しており、役者のアーロン・トーン氏と2007年に結婚している。

本山 哲人  (モトヤマ テツヒト)  (監訳

早稲田大学法学部准教授。バーミンガム大学シェイクスピア研究所修士課程修了。国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程修了(学術博士)。専門分野はエリザベス朝演劇。主な業績に、江戸馨共著“Strange Oeillades No More: The Three Daughters of Lear from the Tokyo Shakespeare Company's ‘Shakespeare through the Lookingglass,'”Shakespeare 9.4 (Dec. 2013)や、冬木ひろみ共編著、『シェイクスピアの広がる世界―時代・媒体を超えて「見る」テクスト』(彩流社、2011年)などがある。また、カリフォニア州提案8号裁判の公判記録に基づいたダスティン・ランス・ブラックの法廷朗読劇『8』を共同邦訳し、2013年11月、早稲田大学において本邦初上演。

脇田 玲子  (ワキタ レイコ)  (監訳

弁護士。慶應義塾大学法科大学院修了後、英国系法律事務所を経てコロンビア大学ロースクール修了(LL.M.)。国際NGOヒューマン・ライツ・ナウ・ニューヨークにインターンとして携わる。LGBT支援法律家ネットワークメンバー。2013年にはダスティン・ランス・ブラックの法廷朗読劇『8』を共同翻訳し、早稲田大学での上演に関わった。

板津 木綿子  (イタツ ユウコ)  (

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。津田塾大学大学院言語文化研究科修士課程修了。南カリフォニア大学大学院歴史学研究科博士課程修了(歴史学Ph.D.)。専門分野はアメリカ文化史、社会史。主な業績に、“The Hollywood Boycott Movement of 1924 Japan,”Historical Journal of Film, Radio and Television 28.3(August 2008)や、「アヴェニューQ」『現代アメリカのキーワード』吉原真理、矢口祐人編(中央公論社、2006年)などがある。

加藤 健太  (カトウ ケンタ)  (

早稲田大学国際教養学部卒業。2015年4月より早稲田大学大学院国際コミュニケーション研究科修士課程に在籍中。専門分野は映画批評。ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校に留学後、2013年にダスティン・ランス・ブラックの法廷朗読劇『8』を共同翻訳し、早稲田大学において本邦初上演の演出を担当。同作品が2014年7月の東京国際レズビアン・ゲイ映画祭で『8-エイト-』として上演された際には、演出助手を務めた。また2014年11月のフェスティバル/トーキョー14で上演された『透明な隣人~8─エイト─によせて~』にも演出助手として参加。

上記内容は本書刊行時のものです。