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賢者の惑星 JUL(絵) - 明石書店
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賢者の惑星 (ケンジャノワクセイ) 世界の哲学者百科 (セカイノテツガクシャヒャッカ)
原書: LA PLANÈTE DES SAGES: ENCYCLOPÉDIE MONDIALE DES PHILOSOPHES ET DES PHILOSOPHIES

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発行:明石書店
A4判
128ページ
上製
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-7503-4094-4   COPY
ISBN 13
9784750340944   COPY
ISBN 10h
4-7503-4094-4   COPY
ISBN 10
4750340944   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年10月
書店発売日
登録日
2014年10月21日
最終更新日
2014年10月21日
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紹介

孔子・仏陀からドゥルーズ、ブルデューまで古今東西の哲学者・思想家を選りすぐって紹介。気鋭の若手BD作家とジャーナリストが繰り出すスカしたマンガとツボを押さえた解説に、思わずクスッ、目からウロコの体験必至の痛快哲学絵本!

目次

デカルト/モンテーニュ/キルケゴール/ディオゲネス/ニーチェ/ライプニッツ/ハイデッガー/孔子/トマス・アクィナス/ヘラクレイトス/トクヴィル/フーコー/バクーニン/ルソー/バシュラール/ヘーゲル/懐疑主義者たち/デリダ/アビラのテレーズ/ヴォルテール/ヴィトゲンシュタイン/サド/ホッブズ/アウグスティヌス/仏陀/レヴィナス/ニュートン/パスカル/エラスムス/セネカ/ショーペンハウアー/マイモニデス/チベット仏教(ラマ教)/ジャンケレヴィッチ/ヒューム/シモーヌ・ヴェイユ/アリストテレス/スピノザ/ベルクソン/ヴァルター・ベンヤミン/トマス・モア/ボードリヤール/マルクス/レヴィ=ストロース/荘子/イブン・ルシュド(アヴェロエス)/高等師範学校/カント/マキァヴェッリ/ドゥボール/フッサール/ブルデュー/コレージュ・ド・フランス/エピクロス/ハンナ・アーレント/ドゥルーズ/フロイト/プラトン/モンテスキュー/サルトル

 さくいん
 訳者あとがき

前書きなど

訳者あとがき

 はいどーも。哲学オンチのみなさんこんにちは。っていきなり読者を罵るような書き出しの「あとがき」ってどうなんでしょう。毒蝮三太夫かよ。いや違うんです、これにはわけがありまして。何を隠そう訳者であるこのわたくしこそ、「哲学なにそれ食べられるの?」的なノリで生きてきた張本人なんですな。
 でもでも、博士課程(←いちおう在籍してた)の指導教官は哲学系のすごく高名な方で、確かデリダの直弟子だったような、ゼミではリゾームやら純粋理性やら文化相対主義の功罪やら、そりゃもういろんな、こう、ありがたいお話を伺ったような気がするんですよ。なんか、書いてたらだんだん思い出してきた!
 でもねえ、なにしろこう、基礎がないじゃないですか。もとい、ないわけですよ私には。だからさっぱり頭に入らない。頭に入らないからますます敬遠する。しかも周りをみればなんだか楽しそうでうらめしい。むむむ、個人の万人に対する闘争勃発。そういうときの時間に限ってものすごーく長く感じたりしません? あげくの果てに在籍期間中ただの一度もゼミ発表をしないでやりおおせたと、まあそういうドクター生活だったんですから。えへん。アレですよ、語り得ぬものには口をつぐめってね。
 ま、今でこそこんな風にやさぐれちゃってる私ではありますが、フランス語とはそりゃもう運命的な出会いを果たしたんですよ。なんせ唯一受かったのが仏文科でね、既に一浪してましたからさすがにもう1年ごくつぶしを続けるのもちょっとなあ、ってんでこれも運命かなと。ほんとうは史学科とか心理学科がよかった……ってまあいいかその話は。だいたい史学科と心理学科もぜんっぜん違うし。いいかげんなのは昔からだなあ。ともかくそんな、会話の授業でネイティヴの教師に挨拶するだけでいちいち「(なーにが)ぼんじゅーる!(だよ日本人のくせに)」みたいな「(笑)」的自意識に苛まれていた私にとって、おフランス哲学なんてものはさらにさらに敷居の高いものであって、上部構造にあたる人たちだけが享受し行使する知財であって、だからなるべく近寄らないようにしてきたんです。ずっと。ずうっと。鬼は敬して遠ざけよ、って、あれは中国の大先生のお言葉でしたかね。
 ところがですよ。やっぱりこうフランス語の世界てえのは、なんていうんですか、哲学/思想がものすごく偉そ……重要な位置を占めるんですね。いえ「ドイツ語のできないやつに哲学なんかできないよ」なんて言った人もいるとかいないとか、そもそも遥か古代ギリシアの叡智にまでさかのぼって見渡せば現代フランス思想なんてのは先人の発見に注釈を足しているだけに過ぎないのかもしれません。が、それでもやっぱり、フランス研究をしていれば哲学はどうしたって付いて回る。文学であろうと社会科学であろうと、逃れ得ぬ構造になっている。まして博士課程まで進んでおきながら哲学オンチのままだなんて文化資本の持ち腐れだろう、若手研究者の在りかたを手前の勝手で脱構築するんじゃないよ、と周囲からの視線もつらい。気にスンナ!って? だってだって、自己なんてしょせん他者の目に映る自分に過ぎないらしいですよ? おお、劣等生の凡庸さよ!
 そんな、父の名にも等しく憎悪していた絶対者たる哲学と去勢されかかった私とのあいだに橋を架けてくれるような本が現れようとは! それが本書であることはもはや申し上げるまでもないでしょう。もちろんこの本ですべてがわかると強弁するつもりはございやせん。それでも私のような哲学オンチさんには長年のコンプレックスからの解放を、すでに高い見識を備えた哲学エリートさんには新鮮な換骨奪胎の手練手管を、コミックと主観に満ちた解説文の見開き2ページという本書ならではの仕掛けがもたらしてくれるものと確信いたしております。ありゃ、ここまで読んでもまだ疑ってる? そんなエリスのピュロンも真っ青のアナタ! 迷わず行けよ、行けばわかるさ(←アントニオじゃないよルネのやつだよ)! なにしろ賭けは「信じる」に限るってね♪

 (…後略…)

著者プロフィール

JUL  (ジュル)  (

バンド・デシネ(BD)作家。1974年、パリ郊外に生まれる。サルトルやボーヴォワールの出身校としても知られるフランス最高学府・高等師範学校を卒業、高校で中国史を教えたのち、諷刺を得意とする社会派のBD作家として徐々に頭角を現し、有名紙上で連載をもつように。2005年、初の単行本「ジョゼ・ボヴェを殺せ(仮訳)』で大きな話題をさらい、その後もビン・ラディン夫人の日記を模した体裁の漫画をはじめ意欲作を次々発表、2007年と2009年には若手作家に贈られるGoscinny賞に輝いた。

シャルル・ペパン  (ペパン,シャルル)  (

哲学者、作家、ジャーナリスト。フランスの政治エリート養成機関といわれるパリ政治学院および高等商業専門学校を修了。高校や複数の高等教育機関で哲学の教鞭をとる傍ら、哲学専門誌への寄稿や執筆をはじめ、哲学を紹介するテレビ番組のプレゼンテーターや雑誌での連載、さらには映画館で哲学セミナーを毎週開講するなど、複数メディアにおいても精力的に活動している。

平野 暁人  (ヒラノ アキヒト)  (

翻訳家。フランス国立東洋言語文化研究所、社会科学高等研究院などへ遊学の末、翻訳業へ。戯曲から精神分析、ノンフィクションまで調子に乗って手を広げる。近刊書に『フクシマ・ゴジラ・ヒロシマ』(明石書店、2013年)、『濡れた砂の上の小さな足跡』(講談社、2013年)など。また演劇専門の「言語文化仲介者」として青年団、SPAC、ジュヌヴィリエ国立演劇センター、リモージュ国立演劇センターなど国内外に複数の拠点を置き活動している。2014年秋より今度はヴェネツィア大学へ懲りずに遊学。

上記内容は本書刊行時のものです。