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知的障害・発達障害のある子どもの面接ハンドブック
犯罪・虐待被害が疑われる子どもから話を聴く技術
原書: ATT INTERVJUA BARN
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年9月
- 書店発売日
- 2014年9月15日
- 登録日
- 2014年9月12日
- 最終更新日
- 2014年9月12日
紹介
コミュニケーションに支障がある子どもが虐待や被害に遭遇した場合、その報告を適切に聴取するにはどうしたらよいのか。本書ではまず、知的障害・発達障害のある子どもの特性を理解し、次に誘導や暗示のかからない面接法について、具体的な場面を設定して学んでいく。
目次
監訳者のことば
プロローグ
第1章 はじめに
第2章 障害とハンディキャップ
1.身体障害と精神障害
2.診断
○診断
3.知的障害
○重度の精神発達遅滞
○中度の精神発達遅滞
○軽度の精神発達遅滞
○学校の状況
4.発達障害
○自閉症スペクトラムの診断または広汎性発達障害
・予測できる体験が安心感を与える
・他者を理解し,コミュニケーションをとることの難しさ
○アスペルガー症候群
○ADHD(注意欠陥多動性障害)
○トゥレット症候群
○要約
・知的障害のある子ども
・自閉症スペクトラム障害のある子ども
・ADHDの子ども
・トゥレット症候群の子ども
第3章 知的障害,発達障害,またはその両方のある子どもへの面接
1.面接の計画を立てる
○要約
2.面接
○面接への同席
○子どもを第一に考える
・権威的な態度をとらない
・子どもの能力に合わせた適切な言葉と表現を使う
・子どもの経験について柔軟に考える
・面接の時間帯を子どもに合わせる
・話すよりも傾聴する
・身体の接触を避ける
・他者の考えや動機について質問するのを避ける
・道具の使用
○要約
3.面接技法
○質問タイプ
・あいづち
・オープン質問
・明確化
・要約
・言語化
・クローズド質問の種類
・考慮すべき点
4.面接の段階
○段階の分け方
・導入
・グラウンドルール(面接の約束事)
・エピソード記憶を思い出す練習
・実質的な話題(本題)
・クロージング
・中立的な話題
5.おわりに
引用文献
参考文献
索引
前書きなど
監訳者のことば
本書は,犯罪・虐待被害が疑われる子どもの支援ならびにその研究に携わるスウェーデンの3人の専門家,すなわち編著者であるアン-クリスティン・セーデルボリ教授(ストックホルム大学:心理学),クラーラ・ヘルネル・グンペルト医師(カロリンスカ研究所:精神医学),グンヴォル・ラーション・アバド准教授(リンショーピン大学:心理学)による『知的障害・発達障害のある子どもの面接ハンドブック』(原題:ATT INTERVJUA BARN)を翻訳したものである。
本書のテーマは,被害が疑われる子ども,特に知的障害をもつ子どもからいかに報告を得るかであり,第1章の導入の後,第2章では,知的障害をもつ子どもの特性,第3章では,障害児を含む子どもに面接する際の注意点が,例とともに示されている。
ここでの面接は,福祉や司法において,正確な判断や意思決定を可能にするための事情聴取であり,調査面接,司法面接,事実/被害確認面接などと呼ばれるものである。これらは,子どもに,体験した出来事を自身の言葉でできるだけ多く語ってもらい,そうすることで精度の高い情報を得ようとする面接法であり,心の回復を支援するカウンセリングやセラピーとは目標も方法も異なる。欧米では,福祉や司法の現場において,このような面接法が広く用いられているが,日本ではまだ馴染みが薄いかもしれない。以下,その基本的情報について述べ,その上で本書の背景やスウェーデンでの事情,そして本訳書が生まれるまでの経緯について述べる。
なお,本書で扱う面接は「司法」現場のみならず,「福祉」やその他の文脈でも使用できるものである。そのため,上記のように,調査面接,事実/被害確認面接と呼ばれていることもあるが,現在,日本では,事実に焦点を当てた面接法は「司法面接」という用語で呼ばれることが多いように思われる。また,本書は子どもから適切に「供述/証言」をとることを重視している。そこで,本訳書においては「司法面接」という言葉を用いることとした。読者におかれては,子どもの体験を聴取するどのような面接にも活かせる内容であることを念頭におき,読み進めていただきたい。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。