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発達障害白書 2015年版(CD-ROM付き)
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年9月
- 書店発売日
- 2014年9月1日
- 登録日
- 2014年8月29日
- 最終更新日
- 2014年8月29日
紹介
2013年度の知的障害・発達障害分野の記録と展望・課題を示す。第1部・特集は1「国連の障害者権利条約の批准とこれから」、2「発達障害をとりまく最新の動き」。第2部では、医療・教育・子ども/家族支援・福祉・労働・国際動向などに関する2013年度のトピックを論述。
目次
まえがき
『発達障害白書2015年版』における「発達障害」の表記と定義の統一について
第1部 特 集
1 国連の障害者権利条約の批准とこれから
Ⅰ 障害者権利条約の特徴的な考え方と批准までの経緯
Ⅱ 障害者権利条約の批准と国内法の整備状況
Ⅲ 障害者権利条約における障害者政策委員会の役割
Ⅳ 障害者権利条約批准後の具体的な展開と今後の課題
2 発達障害をとりまく最新の動き
Ⅰ DSM-5診断基準の改訂と臨床への影響
Ⅱ Neurodevelopmental disorderと神経心理学的視点
Ⅲ 発達障害のある子どもをその家族に理解していただくために
第2部 各分野における2013年度の動向
第1章 障害概念
Ⅰ DSM-5発表と発達障害の研究動向
Ⅱ 発達障害・知的障害研究の現在
Ⅲ 発達障害と神経心理学的診断
Ⅳ 「自閉症スペクトラム障害」と新たな知見
Ⅴ 自閉症スペクトラムと社会脳
Ⅵ ICF-CYと発達の視点
第2章 医 療
Ⅰ 消えるアスペルガー診断名
Ⅱ 自閉症治療薬としてのオキシトシンの可能性
Ⅲ 注目される発達性協調運動障害
Ⅳ ADHDのペアレントトレーニングの評価
Ⅴ 産科医療補償制度
■時の話題
「明日、ママがいない」騒動と子どものトラウマ
コンサータ錠の成人への承認
ラミクタール単剤投与を申請
第3章 子ども・家族支援
Ⅰ 孤立する家族と多様な支援
Ⅱ 児童発達支援事業の現状と課題
Ⅲ 家族支援と児童虐待予防
Ⅳ ICT機器でのコミュニケーション支援
Ⅴ 原発事故から3年、福島での子育てのいま
■時の話題
富士通が生活・学習支援のためのスマホ用アプリを開発
スマホに子守りをさせないで!
第4章 教育:特別支援学校の教育
Ⅰ 特別支援学校の教育に求められる“変革”
Ⅱ 学校教育法施行令一部改正と「教育支援資料」
Ⅲ 高等部生徒の多様化とその対応
Ⅳ 外部専門家との協働の現状と課題
Ⅴ 「就職支援コーディネーター」の役割と期待
Ⅵ 「領域・教科を合わせた指導」のこれから
第5章 教育:小・中学校等での特別支援教育
Ⅰ 「共生社会」の形成に向けた通常の学校における展開
Ⅱ 通常の学校と「合理的配慮」
Ⅲ 自閉症・情緒障害特別支援学級の現状と課題
Ⅳ 交流及び共同学習の現状と課題
Ⅴ 通常学級のユニバーサルデザイン
第6章 日中活動
Ⅰ 日中活動支援のこれから
Ⅱ 生活介護と意思決定支援
Ⅲ 事業所連携による企業とのタイアップ
Ⅳ 特別支援学校卒業後の「カレッジ」
Ⅴ 訪問看護ステーションを母体とする重症心身障害児の日中活動支援
■時の話題
スーパー初の在宅就業障害者特例調整金
学童保育利用の障害児、10年間で3倍に
障害者介護の主な担い手の96%は母親
第7章 住まい
Ⅰ 安心、安全に住まうこと
Ⅱ グループホームとスプリンクラーの設置
Ⅲ グループホームの一元化でどう変わる
Ⅳ 触法障害者の地域生活定着への支援
Ⅴ 地域移行、その数値目標と障害福祉計画
■時の話題
グループホーム設置に愛知県が独自の取り組み
千葉・袖ヶ浦福祉センター虐待死事件
平成24年度障害者虐待対応状況調査の概要
第8章 地域生活支援
Ⅰ 障害者権利条約批准と地域生活支援
Ⅱ 重度訪問介護の対象拡大と行動援護の活用
Ⅲ 販路拡大を通じた地域づくり
Ⅳ サービス等利用計画の意義と「全員作成」に向けた現状・課題
Ⅴ 移動支援・外出支援のこれから
■時の話題
障害のある子どもたちの放課後を描くドキュメンタリー映画
医療的ケアが必要な障害児者の医療型短期入所拡充の取り組み
障害者権利条約の日本語訳作成をめぐる議論
第9章 職業
Ⅰ 障害者就労における「改革」への対応
Ⅱ 合理的配慮の提供義務の検討動向と課題
Ⅲ 障害者就業・生活支援センターの役割を問い直す
Ⅳ 就労支援と発達障害者
Ⅴ 特例子会社制度の現状と課題
■時の話題
法定雇用率改定後の障害者雇用の動向
障害者優先調達推進法と自治体の調達方針
障害者と農業の取り組み
第10章 権利擁護/本人活動
Ⅰ 障害者権利条約の批准・発効
Ⅱ 新型出生前診断の開始と現状
Ⅲ 選挙権の回復とそれに伴う活動
Ⅳ 施設コンフリクト問題
Ⅴ 障害者のための特定贈与信託
■時の話題
ピープルファースト全国大会
性産業と軽度知的障害の女性たち
第11章 文化・社会活動
Ⅰ メインストリームに向けて具体化される文化・社会活動
Ⅱ 障害者の芸術文化振興議員連盟の発足と拠点活動
Ⅲ 領域を超えた取り組み
■時の話題
澤田真一さん、ベネチア・ビエンナーレに出展
自閉症のある青年の活躍
第12章 国際動向
Ⅰ 国際連帯の再確認を
Ⅱ EUにおける障害者施策の動向
Ⅲ 2013年度JICA課題別研修「地域活動としての知的障害者支援」コース
Ⅳ アジア太平洋発達障害会議2013東京開催
Ⅴ 第21回アジア知的障害会議
■時の話題
発達障害児者とその母の「A Special Day(特別な日)」
2020年東京パラリンピック開催決定
第3部 資料
1 年表
2 統計
3 日本発達障害連盟と構成団体名簿
あとがき
執筆者一覧
前書きなど
まえがき(公益社団法人 日本発達障害連盟 会長:金子健)
『発達障害白書2015年版』をお届けする。1961(昭和36)年、「精神薄弱者問題白書1961版」として刊行されたこの「白書」は、書名は何度か変わってはいるが、イヤーブックとして毎年発行され続け51冊目となった。公益社団法人日本発達障害連盟が、その構成4団体、すなわち発達障害、知的障害に関わる医療、福祉、教育、就労等に携わる専門家と当事者の協力のもとに、企画・編集を担ってきた。本書は、2013年4月から2014年3月までの期間における障害者問題全体の動向と、知的障害を含む発達障害をめぐるさまざまな出来事を記録し、課題を掘り下げ、展望を示す役割を持つ。
実に半世紀を超えることとなったこの白書の歴史の中で、今期はとりわけ大きな時代の節目にあるといえよう。国連の障害者権利条約の批准である。2006年12月に国連総会でこの条約が全会一致で成立したあと、日本政府は国内法との調整を図るとして長い時間を費やしてきた。障害者基本法の改正、学校教育法施行令の一部改正、障害者差別解消法の成立などを経て、ようやく国会での批准承認に至ったわけである。
これからは障害のある人々の平等な社会参加を実現するための「合理的配慮」のあり方が、さまざまな場面で今まで以上に問われることになる。発達障害連盟とこの白書が、長年の蓄積を踏まえつつ、新しい時代のニーズに応えるための一助になることを目指し、読者の皆様のご理解とご支援をお願いしたい。
上記内容は本書刊行時のものです。