身近なことから世界と私を考える授業 100円ショップ・コンビニ・牛肉・野宿問題
開発教育研究会:編著
発行:明石書店 この版元の本一覧
B5判 120ページ 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2958-1 C0037
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年04月 書店発売日:2009年04月02日
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紹介

「100円ショップ」「コンビニ」「牛肉」「野宿者」という私たちに身近なテーマを取り上げ、日本社会の課題を考えるワークブック。日本社会の「南的」な課題を扱うことによって、構造的な理解をうながす。私たちの足下、暮らしから考える開発教育。

目次


  まえがき
  基本アクティビティの説明


1 なんでも?!100円ショップ——100円ショップから世界を考える
 1.部屋の四隅「私と100円ショップ」
 2.バーベキューをしよう!
 3.買い物をする時の基準は?【パート1】
 4.割り箸クイズ「100円ショップの秘密は?」
 5.作ってみよう!
 6.買い物をする時の基準は?【パート2】
 7.私にできること

2 コンビニから考える私たちのくらし——便利さの背景にあるもの
 1.相互インタビュー「コンビニと私」
 2.クイズ「コンビニってどんな店?」
 3.お弁当注文ゲーム「コンビニ店長になってみよう」
 4.ロールプレイ「コンビニから見える人々のくらし」
 5.フィールドスタディ「コンビニを訪ねよう」
 6.ディベート「コンビニの営業時間規制は必要?不要?」
 7.学びから行動へ「コンビニとのつき合い方を考えよう」

3 いのちの食べ方を問う——食卓の牛肉から見える世界
 1.お肉はどこからやってくる?
 2.ここにも牛がいる!?
 3.ロールプレイ「おじさんの悩みにこたえて」
 4.世界牛肉紀行
 5.牛肉が地球を食べる

4 “ホームレス”ってどんなひと?——一緒に考えよう!野宿問題
 1.“ホームレス”ってどんなひと?
 (1)アイスブレーキング「数字を足したら100になる」
 (2)フォトランゲージ「ふれあい」
 (3)どうやって生活しているの?
 (4)どうして野宿になるの?
 (5)時代の流れを知ろう「こんな時代もあったよね」
 2.野宿生活者をとりまく社会〜私たちのくらしと野宿生活者
 (1)フォトランゲージ「何か変だな」
 (2)ロールプレイ「シェルター(仮設一時避難所)建設」をめぐって
 3.いま、私にできること
 (1)なぜ野宿生活者への襲撃は起こるのか?
 (2)野宿問題を解決するために

前書きなど

まえがき

 本書は、京都の開発教育研究会が手がけた3冊目の教材集です。京都修学院にある関西セミナーハウスで1989年に始まった開発教育のセミナーは、これまでに『新しい開発教育のすすめ方——地球市民を育てる現場から』と『新しい開発教育のすすめ方II 難民——未来を感じる総合学習』の2つの成果を世に問うてきました。さいわい、いずれも学校教育や社会教育の現場で受け入れられ、息の長い書物になっています。本書もこの2冊と同様に、数年の歳月をかけて練り上げられたものです。これまでと異なるところは、扱うテーマが海外のことではなく「足もと」のことだという点です。

(…中略…)

 最近「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development:ESD)というコトバをよく聞きます。velop(包む)に打ち消しのdeが付いたものがdevelop(包みを開ける、発展する)ということで、地域の自然やそこにくらす人びとの中にある可能性を引き出し、技能や技術によって資源を活かし、交わりや教育によって人びとの能力を伸ばして、その地域を良くすることが開発ということですから、根源的にいえば、開発に「持続可能な」という形容の言葉を付ける必然性があるとは思えません。しかし、近代における開発の歴史を振り返ると、開発によって持続不可能な社会を生み出してきてしまった——mal development(悪い開発)と総括できます——ので、敢えて「持続可能な開発(SD)」と言わなくてはならないという事情もわかります。1983年に、国連によって環境と経済発展の世界委員会が設置され、その報告書『我々の共通の未来』では持続可能な開発とは「未来の世代の可能性を危うくすることなく、自分の必要性を満足させ、自分でライフスタイルを選びとる今日の世代の必要に対応すること」としています。世界平均で1人当たり年間4トンの二酸化炭素を大気中に放出していますが、アメリカ合州国では20トン、ヨーロッパでは8トン、一方ナイジェリアやバングラデシュでは1トン以下です。こうした格差を可能にしているのはグローバル化ですから、ローカル化について思索を重ね実践していくことが変化をもたらすことになります。例えばオーガニック農法はひとつのライフスタイルです——それはまさに地域での自律にかかわってくるからです。
 持続可能性は自律的な地域での活動からこそ見えてくるものです。ピラミッド型ではなくウェブのように、自律した地域がつながって世界を形作っていくようになれば、新しい関係が生まれてきます。私たちのくらしは市場セクターに支配されているようですが、公的セクターなしでは社会は機能しません。これらを支えるのは母なる自然ですが、自然と公的・市場セクターが直結しているのではなくて、その間に家族や地域を軸にした市民社会セクターがあり、この近代的な公的・市場セクターが機能するには、実は市民社会セクターが健全であることが持続可能な社会のあり方です。開発教育研究会の3冊目の本書はこのような視座をベースにしています。

(…後略…)

著者プロフィール

開発教育研究会(カイハツキョウイクケンキュウカイ)

日本クリスチャンアカデミー関西セミナーハウス活動センターの主催事業として、1989年以来、人権、平和、環境といった「地球的諸課題を参加型で学ぶ」セミナーを年6回、1泊2日で開催してきた。その成果は『新しい開発教育のすすめ方——地球市民を育てる現場から』と『新しい開発教育のすすめ方II 難民——未来を感じる総合学習』(ともに、古今書院)として出版されている。

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