在日コリアンと孝道の記憶オモニとの約束
在日本大韓民国民団中央民族教育委員会:企画, MINDAN「孝道賞」親孝行エッセイコンテスト:編
発行:明石書店 この版元の本一覧
四六判 164ページ 並製
定価:1,000円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2930-7 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年02月 書店発売日:2009年02月18日
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紹介

2004〜2007年までの「MINDAN『孝道賞』親孝行エッセイコンテスト」の受賞作品集。駐日大使特別賞、小学生の部、中学生・高校生の部、大学生・社会人の部に分かれ、在日コリアン1〜4世の孝道(親孝行)の記憶とその歴史を語り継ぐ。

目次


 刊行に寄せて(鄭進:在日本大韓民国民団中央本部団長)

駐日大使特別賞
 見えない贈り物(金克基:大学生)
 残された5カ月(盧多◆:高等学校1年[◆=敏のしたに心])
 伝えられ伝えていくべきこと(李憲視:中学校1年)
 在日の高齢者問題と孝道(金升子:大学准教授)

小学生の部
 ウリオンマ(私の母)(石黒弘佳:小学校5年)
 今、いるべき場所、姿でいること(金保恵:小学校5年)
 自分の夢をかなえる(成希志:小学校6年)
 僕の宝物(徐齊◆:小学校5年[◆=君のしたにれんが])
 出会い、そしてコーヒー一杯(金東煥:小学校6年)
 私を産んでくれて、ありがとう(中村佑美:小学校6年)
 父母に聞く祖父母のあゆみ(呉世羅:小学校5年)
 アッパ、オンマ(鄭俊:小学校5年)
 ひいおじいちゃんの教え(朴浚鎬:小学校6年)
 僕の祖父のあゆみ(李政燦:小学校5年)
 お母さんのぬくもり(中村明日香:小学校6年)
 おばあちゃん!(鄭丞淵:小学校3年)
 今も目に焼きつく母の背中(林さとり:小学校6年)

中学生・高校生の部
 電子レンジがなかったころ(尹志元:高等学校2年)
 孝道(趙暎和:中学校3年)
 母と私と音楽(全敏亨:高等学校3年)
 やっぱり母のところへ(角田友里恵:中学校3年)
 ケンカ(姜祐姫:高等学校3年)
 今私にできること(康民瑛:中学校3年)
 亡き祖母から学ぶこと(小田虎賢:高等学校3年)
 私が考える親孝行(朴ヌリ:高等学校2年)
 祖父母、そして親のあゆみ(徐美礼:中学校1年)
 ありがとう、ごめんなさい(李殷瑛:中学校1年)
 宮本常一と親孝行(金碩鴻:中学校1年)
 キムチの気持ち(成本光陽:高等学校2年)
 ありがとう。が言えなくて……(サランハムニダ)(金高子:高等学校1年)

大学生・社会人の部
 オモニとの約束(李峰子:パート)
 幸せの原点(孫致憲:鉄工業)
 おふくろの保護者(朴明粉:主婦)
 子どものこと(呉福徳:無職)
 朝鮮の「二宮金次郎」(金鳳祚:会社役員)
 これで「親孝行」?(柳川保吉:銀行員)
 コヒャン(故郷)に行こう(朴勝彦:民団滋賀県本部職員)
 三浦氏やマザーの言葉の真実(藤原恵子:病院研究員)
 子どもを思う親心(鄭鐘石:民団安芸支部支団長)
 父の故郷清州への道(李貞子:主婦)
 孝道の記憶(山本鍛:無職)
 今も心に残る父母の言葉(李和枝:教諭)

終わりに(朴一:民団中央民族教育委員会副委員長・大阪市立大学教授)

前書きなど


終わりに

 本書に収録された珠玉のエッセイは、民団(在日本大韓民国民団)が主催する「MINDAN『孝道賞』親孝行エッセイコンテスト」の入賞作品を集めたものである。
 「孝道賞」は今から5年前の2004年、「親を大切にする韓国人の孝行精神を在日韓国人社会でも継承してほしい」と願う羅鍾一駐日韓国大使(当時)の強い要望で実現したものである。こうしたコンテストに果たしてどれくらい応募が集まるのか。初めのころ、民族教育委員会の関係者はずいぶん心配したものである。
 しかし、募集を開始すると、東京韓国学校、京都国際学園、大阪の白頭学院・金剛学園など、全国各地の民族学校のみならず、年齢や世代を超え在日コリアンから多くの力作が寄せられ、主催者の予想を上回る大きな反響があった。
 アボジ、オモニになかなか伝えられなかった感謝の気持ちを綴った小学生、あらためて親のありがたさに気づいた高校生、日本に渡ってきたことで、父の死に目にあえなかった在日一世の懺悔の告白など、読み進むにつれ、目頭が熱くなる作品も少なくなかった。
 審査委員の一人として多くの応募作品を読み、あらためて感じたことは、在日同胞社会における親と子の絆の深さである。家父長的な韓国社会の影響を強く受けてきた在日社会では、子が自分を育ててくれた親に報いたいという気持ちが日本人以上に強いのかもしれないが、それぞれのエッセイで語られる親と子の物語には、日本社会ではすでに形骸化した神聖な「孝道」の世界が広がっている。差別と貧しさという逆風のなかで、自分を立派に育ててくれた親世代に対する子世代の感情は、言葉では表現できないものがあるに違いないが、このエッセイを読めば、そうした在日コリアンの葛藤に少しでも触れることができるだろう。そうした意味で、本書に掲載された作品は、一世から二世、二世から三世、三世から四世へと語り継がれる在日の生活史の貴重な記録でもある。

  2009年2月   朴一(民団中央民族教育委員会副委員長・大阪市立大学教授)

著者プロフィール

MINDAN「孝道賞」親孝行エッセイコンテスト(ミンダンコウドウショウオヤコウコウエッセイコンテスト)

韓民族の伝統的な価値観である「孝道」を在日同胞社会で見つめなおし、日本社会にも広めていこうとの趣旨から、在日本大韓民国民団が主催し、駐日本国大韓民国大使館の後援のもと、2004年度から実施されている事業。2007年度からは、論文、詩歌、写真部門を加えた「MINDAN文化賞」の一部門(孝道部門)として発展的に引き継がれている。

上記内容は本書刊行時のものです。
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