発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 並製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2783-9 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年04月
書店発売日:2008年05月01日
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世界の紛争地域で非暴力・無党派を原則にした平和維持活動を実践している国際NGO「非暴力平和隊」の11人のメンバーが各々の活動経験をもとに、ミリタリーからシビルへの移行に民間人がどのように関わって行くことができるのか著している。
目次
目次
序章 暴力の現在、非暴力の未来(君島東彦)
第1部 紛争地で武力によらずに命をまもる——スリランカ、フィリピンでの活動
1 プロジェクト開始2年の模索(大島みどり)
2 踏みとどまったスリランカ(リタ・ウェブ)
3 1つの政府と2つの‘くに’(徳留由美)
4 NPのプロジェクトの展開(大橋祐治)
第2部 非暴力のちから
1 非暴力平和理念の淵源とその発展(大畑豊)
2 世界の市民平和活動のなかでのNP(阿木幸男)
3 大いなるお節介——非暴力介入(奥本京子)
4 NPの挑戦と可能性(デイヴィッド・グラント)
第3部 人権、民主、平和の一体性——東アジアの経験
1 韓国民主化運動——軍事政権の克服からグローバルな連帯へ(朴成龍)
2 差別撤廃から国際平和貢献への道筋(小笠原正仁)
第4部 高野山シンポジウム——紛争地でNGOに何ができるか
非暴力平和隊の全体組織
あとがき(君島東彦)
非暴力平和隊の賛同者・賛同団体
年表 非暴力平和隊の歩み
前書きなど
あとがき
いま、国際平和協力一般法=自衛隊海外派遣一般法を制定しようとする動きが顕著である。これに反対する市民の声も大きい。日本の国際平和協力のあり方を問うとき、常に争点となるのが日本国憲法の平和主義、とりわけ9条との関係だ。日本国憲法前文を注意深く読むならば、「公正な世界秩序をつくるために主体的積極的に関与する」というわたしたち主権者の決意は読み違えようがない。日本の主権者が国際平和協力に主体的積極的に取り組まないという選択肢はありえない。問題なのは、国際平和協力がもっぱら自衛隊海外派遣の議論に傾斜してしまうことである。
「自衛隊を海外に派遣するな」という主張は──派遣が武力行使につながるおそれがあるときや国際公共性を欠くときにはとりわけ──よく理解できる。これは確かに日本国憲法の平和主義の重要な側面である。このような主張をわたしは「しない」平和主義と呼ぶ。しかし同時に、自衛隊を海外に派遣しないのであれば、国際平和協力として日本の主権者は何をするのか、それが問われる。日本の主権者による国際平和協力の実践、すなわち「する」平和主義が必要である。それなしに自衛隊海外派遣反対を訴えるだけでは説得力が弱い。
国際平和協力には、軍事介入ではない、紛争予防、紛争後平和構築、人権監視、選挙監視などさまざまなかたちがある。非軍事的な国際平和協力の領域はまだまだ拡大しうる。現在、数々のNGOがそれぞれの領域で活動中である。本書の執筆者がかかわる国際NGO「非暴力平和隊」(Nonviolent Peaceforce)は、紛争地の住民の生命を守ることを目的としている。武器を持たずに紛争地に行き、紛争当事者に「外部の目」「国際社会の目」を意識させることによって紛争の暴力化を防ぐ活動である。日本国憲法の平和主義からいって、わたしたち主権者はまず、この「非軍事的な国際平和協力の広大な沃野」について検討し、実行に移すことを考えたい。これが本書の目的である。
関連リンク
非暴力平和隊(Nonviolent Peaceforce, NP)
地域紛争を非暴力で解決するために活動をしている国際NGO。2002年にインドで発足。紛争地に人員を派遣して、現地の非暴力運動体・平和組織と協力しながら現地活動家などに対する脅迫、妨害を防止し、地域紛争を非暴力的に現地の人々が解決できるように環境づくりをしている。
「非暴力平和隊・日本ウェブページ」http://www5f.biglobe.ne.jp/~npj/
著者プロフィール
君島 東彦(キミジマ アキヒコ)
1958年生まれ。立命館大学国際関係学部教授。専門は憲法学、平和学。2008年4月現在、米国ワシントンDCのアメリカン大学国際関係学部で客員教授として、“Japanese Politics in War and Peace”と“Global Constitutionalism”という科目を教えている。2000年以来、国際NGO非暴力平和隊の設立・運営にかかわってきた。毎年ノーベル平和賞候補をノミネートしている。最近の共著として『平和憲法と公共哲学』(晃洋書房)、『人間の安全保障と国際社会のガバナンス』(日本評論社)がある。
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