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思考のトルソー・文学でしか語られないもの
ローベルト・ムージルの小説の方法について
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年12月
- 書店発売日
- 2014年12月22日
- 登録日
- 2014年11月6日
- 最終更新日
- 2016年5月30日
受賞情報
第12回日本オーストリア文学会賞受賞
紹介
『特性のない男』で知られるムージルは「文学によってしか表しえないもの」を表そうとした作家である。他者性、あるいは一回しか存在しないものをどのように表現しようとしたか。あるいは、イメージや比喩の扱いをとおして、非言語的なものを言語によってどのように語ろうとしたか。ムージル文学の奥行に作品論によって深く分け入り、ムージルの創作方法とその小説世界を明らかにする。
目次
序
第一章 夢の流出──『少年テルレスの惑い』について
一、夢の器
二、夢の物語
三、夢の流出
四、もうひとつの夢の流出
五、夢と現実
第二章 非個人的なものが現われるトポスとしての〈部屋〉──『少年テルレスの惑い』から短篇集『合一へ』
一、数学的思考から〈隠れ処〉へ
二、〈部屋〉と感覚
三、もうひとつの〈部屋〉の物語
四、〈部屋〉からの解放
第三章 嫉妬の手──『愛の完成』について
一、小説のモチーフ
二、第三者
三、水という自然
四、愛のパラドックス
第四章 披かれた風景──『グリージャ』について
一、遠き愛
二、演劇的生活、あるいは非人間性
三、ペルソナがない、あるいは「戦争」
四、彼岸の部分
第五章 善良な人へのオマージュ──『トンカ』について
一、愚かさ
二、一回的な存在
三、モラリストの視界
四、他者としてのトンカ
第六章 比喩という方法、あるいは比喩のなかの出来事──『特性のない男』について
一、ここからは何も生じない
二、わたしはどこにいるのか、あるいは歴史について考えること
三、主体的な思考が成立しない場所
四、比喩という方法
五、比喩のなかの出来事
六、自我の「火」、あるいは、これは個人的な物語ではない
第七章 〈贈られた〉可能性感覚──『黒つぐみ』について
一、関係性とそれを超えたもの
二、天の鳥
三、〈贈られた〉身体
四、母親
五、可能性感覚
あとがき
主要参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。