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逃げたい やめたい 自衛隊
増補改訂版
現職自衛官のびっくり体験記
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2005年5月
- 書店発売日
- 2005年5月25日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2019年1月7日
紹介
知らないとこほど面白い―下級隊員が観た自衛隊の生々しい実情を風刺。不祥事・自殺・脱走・いじめがまん延する営内、海外派遣を「ネツボウ」する隊内の赤裸々な姿を描く。
目次
はじめに
第1章 シャバから隔離される新兵 13
●ポン引きにダマされて入隊 14
●現在もあるM検 16
●センシ記号の認識番号の付与 19
●入れズミ・性病の入隊は禁止、銃マニヤは歓迎? 22
●早メシ、早グソ、要領は旧軍の伝統 24
●耐えられない「三K」職場 26
●貯金と日記は上官管理 29
●脱走と脱柵、一字の違い 32
●ズッシリ重い小銃の貸与 36
●一膳メシとは情けなや 38
●「連帯責任」という名のシゴキ 41
●ポルノ写真も持てない私物点検 44
●「精神教育」という反共教育 46
●ノンビリ屋のうまい射撃 49
●地連募集の大ウソ 51
第2章 営内班の中はドブ 55
●ゴネ得で市ケ谷駐屯地勤務 56
●中隊長伝令という名の使役 58
●連隊長、師団長は雲の上の人 60
●自衛隊とラッパ 63
●貴様は、ラッパ様を見たか? 67
●「皇軍の伝統」を継承した内務班 69
●一発五万円の暴力 72
●警務隊はケンペイ 75
●貯金がたまるというウソ 76
●草刈り戦線異状なし 78
●婦人自衛官のウラ話 80
●意見具申を批判と受けとる上官 83
●「恒久平和」に驚く幹部 85
●三島由紀夫の亡霊 87
●正当防衛で撃てる弾薬庫歩哨 90
●駐屯地の中の将校ドノ 93
●ウヨクには務まらないグンタイ 95
●市ケ谷駐屯地雑感 97
第3章 駐屯地の外はテンゴク 99
●「税金ドロボー」と罵られた制服外出 100
●シンペイは「カゴの鳥」 103
●幼児のごとく扱われる陸士 105
●日曜下宿では規律は弛緩 107
●二四時間態勢下の外出と休暇 109
●お年寄りにモテる自衛官 112
●東京の中の自衛隊サン 115
●「通い婚」の陸士 117
●演習で夜学にも通えない苦学生 119
●片寄った自衛官の意識 121
第4章 演習場の中はドロまみれ 125
●昔も今もワラ人形への突撃 126
●ドコマデ続くヌカルミゾ 129
●銃を抱いて塹壕生活 131
●体でホウシする自衛隊 133
●人体実験でホウシするシンペイ 135
●原発事故で災害派遣? 138
●「T訓練」という名の暴徒鎮圧訓練 140
●自衛隊のゲリラ、レンジャー 143
●イヌ、ネコを食べる「レンジャー鍋」 145
●カナズチも泳ぎ始める水泳訓練 148
●最高指揮官に「カシラー、ミギ」 150
●衣食住はタダの自衛隊 153
●災害派遣は余技か? 155
●実戦化の中でクタクタのオジサン兵士 159
●戦地へ赴く! 応急出動訓練 161
第5章 駐屯地のウラはヤブ 163
●「ショクギョウ軍人」の教育 164
●グンタイの要・下士官 167
●将校ドノにはテンゴク 169
●エリート・防大生の危機 171
●調査隊はJCIAか? 173
●たるんでいる! 市ケ谷駐屯地 175
●鉄は熱いうちに打て 少年自衛官 178
●ツブシがきく? 施設アガリ 180
●海空自衛隊のウラ 184
●「職業病」に冒されたショクギョウ軍人 187
●予備自衛官という労働者 190
第6章 自衛隊の中はヤミ 193
●海外演習にはスキン必携 194
●強制保険で天下り 196
●センシ保険のナイ? 自衛隊 199
●バイトに精をだす医官ドノ 201
●年度末には食料の大量支給 203
●不祥事件にビクビクする幹部 205
●苦情処理をモミ消す幹部 207
●一〇〇%を誇る選挙の投票率 209
●クーデターはできナイ将校たち 212
●マスコミには模範回答を指導 214
●「特定隊員」から外された社会党、創価学会? 216
●ツブシがきかない自衛隊アガリ 219
●待遇改善で生き残れるか? 222
●人手不足で危機が深まる自衛隊 224
●「制服を着た市民論」の大ウソ 226
第7章 自衛隊の常識はシャバの非常識 229
●「弛緩」を「ちかん」と言う幹部たち 230
●多発する幹部の犯罪 232
●自殺者はなぜ激増したのか? 234
●放火と飲酒で大騒ぎの海自艦艇 236
●イラク派遣に「ネツボウ!」 240
●海外派遣は断れるか? 243
●ネット環境で「無風地帯」でナイ営内 247
前書きなど
はじめに
ボクが、この本を書くのを思い立ったのは、自衛隊の実情を知ってもらいたかったからだ。自衛隊が創設されて以降、自衛隊について書かれたもの、報道されたものは、確かに膨大にある。
が、そのどれも実情に迫っているとは、言いがたいように思う。メディアを通して伝えられるものは、その一部はともかく、真実も全体像も描かれてはいない。やはり、ここには二重にも三重にもフィルターがかけられている。
自衛隊というのは、閉ざされた社会だ。この中は体験したものでないとわからないことが多い。第一、ここでは今なお、旧軍時代の言葉が飛びかっている。グンタイやセンソウなどの、戦後の国民には忘れられ無縁になった出来事が氾濫している。
しかも、この十数年来、隊内の出来事を外部に伝えるのは、元陸幕長とか元統幕議長などの「軍事評論家」ばかりになってしまった。つまり、お偉いサンの考える自衛隊だ。
もっとも、自衛隊がいかに社会から隔絶されているとはいえ、そこは社会の縮図。さまざまな庶民的楽しみも、苦しみもある。ボクがここで描きたいのは、庶民の目から見た自衛隊、いわば、ヘイタイさんの目から見た自衛隊だ。長い退屈な自衛隊生活の中で、ボクは、そのオモテもウラも見てきた。本書では、この自衛隊の実情を正確に描くことに努めた。
この本の最初の版は、一九九五年に現代書館から出した。発行直後から、さまざまな反響、話題をよんだという。著者としては大変嬉しい出来事である。そして、本書の新装増補版をこのたび、社会批評社から出すことになった。
この新装増補版では、当時と異なることには「補足」として、注釈を入れている。また、最近の自衛隊、自衛隊員をめぐる出来事についても、書き足している。読者の、とくに隊員たちからの批評をお願いしたい、と思う。
二〇〇五年五月一日
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。