発行:実践社
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A5判 84ページ 並製
定価:777円+税 総額を計算する
ISBN978-4-916043-12-2(4-916043-12-X) C0031
在庫あり
奥付の初版発行年月:1996年10月
書店発売日:1996年10月15日
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『技術と人間』評
知花昌一さんたちと一緒に「象のオリ」に入ったときのことから本書は始まる。「象のオリからみた沖縄はとても広かった。……ここに世界の平和を訴えるセミナーハウスをつくって『命どぅ宝』の心を発信できたらいいねと知花さんと語りながら、未来に向かって夢をふくらませた」
編著者の仲宗根京子さんは、「象のオリ」がある沖縄・読谷村で生まれ育った。高卒後上京し、いまは一坪反戦地主会関東ブロックで平和運動にかかわっている。この本は仲宗根一家の生活史をとおして、戦さ世(戦争の時代)、アメリカ世(米軍統治)、そしてヤマト世(復帰後)と変遷してきた沖縄の歴史を伝えている。
後を絶たない戦後の米兵による暴行事件や事故、毒ガスの被害……仲宗根さんが「基地禍」とよぶ被害があまりに「日常的」なことに驚かされる。だが、本書の特徴は何といっても、安保を問い平和を築こうとするアプローチの具体性だろう。 これまでの平和運動と同じく、沖縄をめぐっても、告発型の運動が一つの役割を果たし終えたなかで、自分たちの社会や文化を見直しつくりかえることによって内側から平和の根拠を積み上げようとするアプローチは魅力的である。その際のキーワードは、沖縄の自立・独立であり、行動する女たちの会の問題提起をうけた人権の主張だ。とくに全軍労や沖教組で復帰前の運動にかかわってきた良心の体験を引き継ぎながらも、仲宗根さんが沖縄の独立に傾いていくくだりには引き込まれる。
独立といっても「日本と同じような国」をもうひとつつくっても意味がないという思いは鮮明だ。沖縄社会で女性の人権は尊重されてきたのか。離島出身者が「ウチナーンチュ」と呼ばれることに抵抗感を感じるのはなぜか。仲宗根さんはそうした問題について考えながら、自分たちが変わることから未来を開こうとしている。まだ考えきれていない問題にぶつかっているためだろうか、後半の表現はちょっと硬い。だが、彼女がめざす独立のむこうには、ヤマトやアジアとのもっと開放的な関係が浮かび上がってくる。それは、象のオリからみた沖縄をとりまく青い海の、その向こうに連なる島々の光景に重なってみえる。
目次
はじめに象の
オリから見た沖縄はとても広かった
読谷に「戦後」はあったか
戦さ世からアメリカ世へ
前書きなど
1996年6月22日、沖縄読谷村、象のオリ(楚辺通信所)にある知花昌一さんの土地への立ち入り行動に、私も友人のひとりとして参加しました。
その時、51年前の米軍による上陸、占拠以来、常に基地被害と隣あわせだった読谷村の日常が思い起こされてきました。
様々な被害を受けながら、基地の島ゆえ、仕方のないことだと思っていた自分たちの感覚をいま問い直す必要があることを痛感しました。そして人権を平気で蹂躙するような基地をなくさなくてはいけないと思ったのです。 そうした日常を捉え返したとき、自分たちで切り開いていくしかないと私は思います。
又、最近では、反戦地主や一坪反戦地主、違憲共闘会議の人々、行動する女たちの会、在関東のウチナーンチュなど様々な人々との出会いや、ともに闘うヤマトゥンチュとの語り合いを通じて、基地の問題が単に沖縄だけの問題ではなく、日本社会の未来に関わる問題なのだということを改めて感じています。
読谷の象のオリの土地を取り返す闘いから、日本中・世界へ平和を発信するたたかいへと連帯の輪を広げていきたいのです。
9月8日、沖縄県県民投票での、投票率59パーセント、その内89パーセントが「基地にノー」を表明しました。この沖縄のこころをどのように具体化するのかが今もっとも問われていると思います。そうした沖縄の意志を自分たちもまた共有していきたい。この本は、沖縄・読谷村で生まれ育ち、沖縄の意志の発信者として生きようとしてきた私たち仲宗根家の一家(父・正喜、母・秀子、弟・盛秀、妹・律子と私)の思いをまとめたものです。
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