発行:水曜社
この版元の本一覧
A5判 344ページ 上製
定価:3,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-88065-189-7 C3000
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年03月
書店発売日:2007年03月18日
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紹介
文化政策とは芸術を発展させるのみならず、国家的アイデンティティの強化や雇用創出など、社会・経済の発展に芸術を活用することである。フランスでは、古来中央政府がこの運営に決定的な役割を果たしており、その起源は太陽王・ルイ十四世の施策にまでさかのぼる——。
本書は文化芸術大国フランスの大国たる由縁を、ルネサンス期から説きおこし変貌しつつある現代の政策まで解説した初の書。建築、音楽、劇作といった中核的ジャンルはもちろん、著作権、芸術家支援、施設経営、デジタルコミュニティの誕生など、最近注目されているテーマにも言及する。
目次
1章 フランス文化政策の起源とその構造
1. その起源
2. 文化政策の内容
3. 文化政策の制度設計
4. 文化政策の予算規模
第2章 文化財保護政策
1. 文化財はどのように登録されるか?
2. 文化財はどのように保存されているか?
3. 文化財の価値付与
4. 結論:経済的価値評価から社会的価値評価へ
第3章 芸術家支援政策
1. 芸術家数の最適値は存在するか?
2. フランスの芸術家は貧窮しているのか?
3. 誰が芸術家を訓練するのか?
4. 結論:起業家としての芸術家
第4章 著作権政策
1. 著作権政策の背景
2. フランスのシステム
3. ヨーロッパの調和にむけて
4. ヨーロッパ特有の課題
5. 結論
第5章 舞台芸術政策:オペラのケース
1. 芸術を超えた芸術的組織
2. 経済的持続性の困難さ
3. 可能な解決策
4. パリオペラ座
第6章 劇団マネジメント政策
1. 制度
2. 演劇政策
3. 主たる課題
第7章 ミュージアム政策
1. ミュージアムを経済的に持続可能にするために
2. ミュージアムのネットワーク化と規模の経済の獲得
3. ミュージアム施設のフロンティアを再設計する:間接的で補助的なサービスの外注?
4. 新たな挑戦:文化からスターダムへ
第8章 文化産業政策:映画と書籍
1. 文化産業の主な問題:独占vs多様性
2. フランスの映画政策
3. オーディオビジュアルの今日的課題と政策の再調整
4. 国際的な課題
5. もうひとつの文化産業政策:書籍に関する政策
第9章 文化的景観政策
1. 定義
2. 文化的景観の選択基準は何か
3. エコシステムとしての文化的景観
4. フランスの政策
第10章 地域文化政策から文化的創造都市へ
1. 文化政策における地方自治体の関与の高まり
2. パートナーシップの難しさ
3. 文化的創造都市
4. より積極的な地方文化政策に向けて
第11章 フランス文化政策のアセスメント
1. 文化的価値と経済的価値
2. 全体的な評価
3. セクター別評価
4. 官僚制への批判
5. 文化政策の効果を向上させるにはどうしたらよいか
6. 結論
結語 フランス文化政策のガバナンス
1. 新たなフレームワーク
2. 新たなガバナンス 文化的発展のための文化的パートナーシップ
3. 構造的欠陥:評価の不在
前書きなど
今日、フランスの文化政策は非常に先進的なものとして認識されている。そのルーツはルネッサンス期にまでさかのぼり、フランスの文化政策は、拡大と充実の対象であり続けた。資格を有する専門家のネットワークによって支えられつつ、非常に高いクオリティの基準を設けている。近年、継続的に増加する公的予算によって支えられ、フランス文化政策は、多くの施策を発展させている。全国的に展開されるさまざまな普及のための催しのいくつかは、例えば「文化遺産の日」や「音楽の夜」といった形で広範囲にどこででも普及され、しばしば文化へのアクセスの革新的な発展のモデルとされたりしている。文化的例外、そして文化多様性と後に言われるものの主張者として、世界経済における文化の役割を明らかにすることに、疑いもなく、貢献した。
フランスの文化政策の見方は、非常に一般的であり、特に海外において、普及しているものである。この見方は間違いというわけではないが、その失敗や常に再調整の対象になっているようなことを正確にとらえているわけではない。フランス文化政策を、揺るぎのない、直面するすべての問題を解決するやり方を知っている、均一的な一枚岩と見るのは、大きな間違いである。フランスの文化政策にも、また、袋小路や疑問の数々、そして様々な資金の浪費がある。フランスの文化政策には、明確な目的があり、それは芸術作品の創造及び文化的実践の民主化である。しかし、例えば、ビジュアルアートの創造の分野、あるいは舞台芸術の民主化などにおいて、関連する指標は本来あるべきほどの進歩がみられているわけではない。
フランスの文化政策はしたがって、複雑で、驚くべきものでさえある。多くの国において、現代の予算の調整は、文化政策の分野について妥協し、減額する傾向があるが、フランスでは、予算は最終的には文化に有利に決定される。フランスでは、文化政策の効果がはっきりするまでには時間がかかるということが常に許容されている。(はじめに より)
版元から一言
法学を学ぶときにはドイツの研究が避けて通れないように、文化芸術を学ぶときにフランスは避けて通れない。にもかかわらず、これまで現地第一線の研究者による総括は日本に存在しなかった。
ルネサンス期から現代までを網羅した、初の一冊。
著者プロフィール
クサビエ・グレフ(クサビエ・グレフ)
パリ第一(パンテオン=ソルボンヌ)大学大学院経済専攻長。国際文化経済学会理事。パリ第13大学教授、オレルアン大学学区長、フランス文化省、OECD、EUなどのアドバイザーを広く歴任。主たる研究分野は経済政策、文化経済学、地域開発。
垣内恵美子(カキウチエミコ)
東京大学法学部法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、滋賀大学助教授、文化庁文化政策室長などを歴任、2001年より現職。日本地域政策学会理事。主たる著書として『文化財政策概論』『文化政策概論』『文化的景観を評価する〜世界遺産・富山県五箇山合掌造り集落の事例』など。
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