発行:吉備人出版
この版元の本一覧
A5判 156ページ 並製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-86069-180-6 C0021
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年01月
書店発売日:2008年01月16日
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紹介
巨大な前方後円墳が造られた後、小規模の方墳や円墳が現れる。この時代の新しい形式の古墳を飛鳥古墳といい、分布や列石、石室などの特徴を紹介しその背景を探る!
目次
目 次
第一章 「飛鳥古墳」とは
第一節 前方後円墳の終わり
最後の前方後円墳 時代区分の問題
第二節 飛鳥古墳の年代
都の土器編年 吉備の土器編年
第二章 吉備の飛鳥古墳とその特色
第一節 備前・美作地域
牟佐大塚古墳 宮山西塚古墳 唐人塚古墳 富原西奥古墳
糘山古墳群
第二節 備中地域
二子一四号墳 笹池東一号墳 長砂二号墳 小迫大塚古墳
定東塚・西塚古墳 定北古墳 大谷一号墳
第三節 備後地域
第四節 飛鳥古墳の特色
一、立 地
二、墳 丘
円墳と方墳 外護列石 双 墓 八角墳 仏教の影響
三、横穴式石室
前代の横穴式石室 大型石室の系譜 横口式石槨 特殊な石室
飛鳥様式の特色
四、棺
木 棺 石 棺 陶 棺
五、副葬品
副葬品の減少 土 器 装身具 武 器 馬 具
第三章 飛鳥古墳の諸問題
第一節 墳丘の築造規格と基準尺度
一、「大化薄葬令」
二、飛鳥古墳の規模と「薄葬令」
墳丘規模と変化 119 「方九尋」
三、飛鳥古墳の築造規格と尺
四、吉備地方の実例
定北古墳 二子一四号墳 大谷一号墳 使用尺の変化
五、尋と尺との関係
六、やや小規模な方墳の例
上野二号墳 山尾古墳
七、「高五尋」
八、「薄葬令」の実効性
第二節 飛鳥古墳の地域色
備中地域 備後地域 備前・美作地域 地域色が意味すること
定古墳群と大谷一号墳
第三節 古墳の終わり
仏教の影響 火葬の風習 律令的体制と古墳の終わり
前書きなど
あとがき
その名のとおり飛鳥時代の中心地である奈良県飛鳥地方の古墳や遺跡をめぐると、石材をきれいに加工して組み合わせた石室やさまざまな石造物を見ることができる。飛鳥時代につくられたこのような遺構、遺物に出会うと、その美しい造形に感銘を受けるものである。今から二〇年ほど前まで、このような古墳は岡山には縁遠いものだという感覚があった。今回、本書で取り上げたような「飛鳥古墳」が、岡山ではあまり明らかでなかった、あるいは私たちがよく知らなかったためである。吉備の中でも備後地方の南部には、横口式石槨など特徴的な古墳が分布していることを承知していたが、岡山をフィールドとしている私たちにとって、同じ吉備とはいえ異国のようにも思われた。
その後、岡山県内でも飛鳥時代の特徴的な古墳の発掘調査が相次いで行われ、吉備の飛鳥古墳のイメージは大きく変わった。その中で、亀山は大谷一号墳と二子一四号墳、尾上は定北古墳などの発掘調査に携わる機会をいただき、飛鳥古墳に強い関心をもつようになった。
近藤義郎先生には、岡山大学で考古学の基礎から学び、以来指導をいただいており、このたび本書執筆の機会を与えてくださった。そして、構想、構成から文章表現、飛鳥墳墓の評価にいたるまで丁寧な指導をいただいた。このような形で刊行できるのは近藤先生のお陰であり、深く感謝申し上げたい。
本書をまとめるにあたっては、蓄積された吉備の飛鳥古墳の資料をうまく整理し、飛鳥時代の吉備のあり方やイメージが描ければと思った。墳丘、墓室、副葬品、使用尺度など飛鳥古墳を構成する重要な要素をできるだけ網羅し、飛鳥古墳、飛鳥時代を理解しようと考えた。しかし、いざ作業を始めてみると資料収集に手間取り、久しく訪れていない、あるいはまだ行ったことのない古墳を訪ねてみたりもした。訪れたくてもそれができない破壊された古墳もあり、あらためて残念な思いも味わった。そのような基礎作業にかなりの時間を要し、筆者の怠慢もあって時間に追われることになった。せっかくの共同執筆なのだから、もう少し二人で議論する時間が取れればよかったと反省している。とはいえ、吉備の飛鳥古墳の実例とその特徴、問題点についてまとめることができ、ある程度当初の目的を達成できたのではないかと思う。また、本書の執筆を通じて、何より自分たちがたいへんいい勉強をさせていただいたと感謝している。
大谷一号墳の調査に尽力された故平井勝氏、近藤先生とともに本書の執筆を勧めてくださった故葛原克人氏は私たちの職場の上司でもあり、さまざまな場面で指導をいただいた。心よりご冥福をお祈りしたい。
版元から一言
前方後円墳時代の次に、小規模の方墳や円墳の飛鳥古墳が来る。この飛鳥古墳の分布や列石、石室などの特徴を紹介し、その背景を探る!
著者プロフィール
亀山 行雄(かめやま ゆきお)
1962年、鳥取県倉吉市に生まれる。岡山大学大学院史学研究科中退後、1986年から岡山県教育委員会に勤務。現在は高梁市教育委員会社会教育課文化係長。主な論文に、「7世紀の古墳」(『吉備の考古学的研究』(下)山陽新聞社 1992年)、「古墳時代初頭の土器」(『岡山県埋蔵文化財発掘調査報告』104 岡山県教育委員会 1996年)がある。
尾上 元規(おのうえ もとき)
1969年、岡山県牛窓町(現瀬戸内市)に生まれる。岡山大学大学院史学研究科修了後、1994年から岡山県教育委員会に勤務。現在、岡山県古代吉備文化財センター主任。主な論文に、「古墳時代鉄鏃の地域性—長頸式鉄鏃出現以降の西日本を中心として—」(『考古学研究』第40巻第1号 考古学研究会 1993年)、「壺鐙と瓢形円環轡について」(『環瀬戸内海の考古学−平井勝氏追悼論文集−』古代吉備研究会 2002年)がある。
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