戦争からラストモダンまで実感の同時代史
浦 達也
発行:批評社
この版元の本一覧
四六判 232ページ 上製
定価:1,900円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8265-0446-1(4-8265-0446-2) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年06月
書店発売日:2006年07月05日
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紹介

 この国ではアベレージ(正常・平均・標準)から、上へも下へも外れると生きづらい!
 戦争末期の広島で「ボクら小国民」として特別科学学級の国策教育に協力し、得難い体験と妬みひそみを、さらに疎開先で原爆の悲劇を、そして都会っ子の悲哀を実感する。戦後の焼け跡闇市の彷徨からNHKへ、上り詰めたチーフ・プロデューサーから一転奈落の底へ、現場こそメディアの命と実感。ニューアカデミズムの旗手を片っ端から異種配合してニューウエーブのうねりを、さらに第二ステージは大学教授として江戸川大を拠点に東大、一橋大、お茶大、法大と大学アカデミズムをハシゴしてメディアの真髄を語る。予定調和はキライだ! クリエイティブは死んだのか? クリエイティブの最前線を駆け抜けた著者の、最後の一発どんでん返し!

目次

第1章 科学組残党たったひとりの戦い——敗戦直前直後ヒロシマを舞台に
A——今は幻、敗色濃い中での夢の王国
戦時国策の「科学組」誕生と当時の世情
まず附小五年生科学組の授業のこと
戦火を避けて学童疎開と縁故疎開へ
学童疎開の飢えと不潔
陰湿なリンチ事件が起こる
ピカドンが!
敗戦直前直後、焦土縦断、再び寮生活
後に知ったこと——その一●原爆投下の謎
後に知ったこと——その二●シベリア抑留の追体験
後に知ったこと——その三●海軍兵学校の英語教育
戦時下ヒロシマ附中科学組を襲った悲劇
附中科学組一年生・夢の王国

B——闇市ブレードランナーの不良少年
生活数学なんて舐めとるんか
仮想の初恋とネクラな日々
闇市を浮浪する不良少年へ
突然のパーマと電車からの落下
古書フェチと太宰治フリーク

C——アベレージから外れる◎予定調和はキライだ
不良の条件
田舎の純朴は本当か
下町の人情は本当か
ユニークであろうとする存在者は嫌われる

第2章 NHKの悲劇——クリエイティブは死んだ
A——政治の季節に微妙な距離で
NHKがもっとも輝いていた頃
ニーズ発想とシーズ発想
一九六○年に東京本部に戻る
霞ヶ関の直近にいながら
七○年前後の若者の反乱
NHKの中心で起こったこと

B——咎無くてNHK座敷牢に
怨みがあるから書けるんや
CDよりCPコースを選んだ七○年代
奈落の底に突き落とされた二年間
失意のときに見えてきた悲しみの風景
忘れられない人との出会い
自ら希望してCDに
放送現場からの排除項

第3章 踊るポストモダン——文明のお通夜躁病
A——百花斉放した知殻変動
時代の変化とシンクロした現場復帰
ディケード単位で世界は変わる
八○年代ポストモダン揃い踏み
『スチュワーデス物語』以前以後
吉本隆明の「重層的非決定」

B——ニューアカ旋風とさまざまな芸術活動
八○年代のムーブメントと背景
旋風の露払となった知の山口組
文明のお通夜躁病
ニューアカと連動した新人類論ブーム
思い出のアーティストたち

C——失われた十年間・大学での試み
第一と第二のステージがWった九○年前後
東大本郷と一橋大でのたったひとりの実験
お茶大と法政大の居心地の良さとは
さよなら私の愛した江戸川大学
本編閉幕の辞——金柑少年の卒倒の果てに

番外編 現在の切実な問題——新星・西本直人とのメールバトル
1 浦サンに〈暴〉を問う[西本]
2 すべては双方の関係性のもとで[浦]
3 暴の偏在から遍在へ
4 人間が壊れ始めている
5 閉域性と想像力の欠如
6 あ、痛い
7 連歌的なオリジンのキャッチボール
8 隠喩としてのレトロ・フューチャー
9 イノベーティブな組織
10 プロフェッショナルという条件◎今野勉さんに聞いたこと
11 階級社会をどう見るか
12 さまざまな希望
13 かつて生意気な学生の、今の希望の置き処
14 希望というより祈り

版元から一言

番外編対談者
西本 直人(にしもと・なおと)
1973年生まれ。人は複雑性を縮減するために他人と交わり意味世界を構築するといわれるが、むしろ人生はもちろん学問でも複雑性の増幅に寄与するスタンスのほうを好む。2002年から明治大学経営学部で専任講師を務め、組織理論を中心に管理論、戦略論、マーケティング理論などの経営諸理論をカバーし、分野を横断するときの知的刺激を楽しむ。たまに思い出したようにビジネス記事や映画評を寄稿するのもそんな性癖から。共著書に『経営管理』、『経営組織』(ともに学文社)、『スピルバーグ』(竹書房)のほか、訳書にK.E.ワイク著『センスメーキング イン オーガニゼーションズ』(文眞堂)など。

ブックデザイン=臼井新太郎

関連リンク

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著者プロフィール

浦 達也(ウラ タツヤ)

1933年生まれ。今は幻となった太平洋戦争末期の特別科学学級の残党で、敗戦時小学校6年生にして国家や制度の虚しさを知り、以降、中心的学問に興味を失い、知(痴)の周縁世界を彷徨する不良少年として、時代の深層と寝ることを批評精神の原点に置く。慶応大卒業後、NHK教育教養番組ディレクター時代に東大講師を兼任、ニューアカデミズム旋風を
仕掛けた。現在は江戸川大学名誉教授で、評論と物書きに専念。「横断結合・異種交配」と「非専門が専門」が得意技。著書に『仮想文明の誕生』(光文社)、『言葉はどこまで届いているか』(PHP研究所)、『レトロ・フューチャー』(竹内書店新社)、『ザ・コミュニケーション』(誠文堂新光社)、『感覚の近未来』(共著・新曜社)、『知のスクランブル』(編著・駸々堂)、『吉本隆明対談集・さまざまな刺戟』(共著・青土社)など多数。

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