発行:梨の木舎
この版元の本一覧
A5判 210ページ 並製
定価:2,300円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8166-0801-8 C0022
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年02月
書店発売日:2008年03月03日
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紹介
一葉、らいちょう、晶子が生きた時代に、朝鮮の女性たちはどう生きたのか、儒教道徳のもとで女の枷を打ち壊そうとした「新女性」、独立のために戦った人、画家、事業家、教育者、舞踊家。日本植民地化に二重三重のマイノリティとして時代を駆けぬけ生き抜いた女たち——を描く差別抑圧をはねかえし自由をえるために生きようとしていた。
目次
##目次
1白善行(一八四八〜一九三三年)事業家—慈善事業に尽くした億万長者
2明成王后・閔氏(一八五一〜九五年)高宗の唯一の理解者、政治的パートナー。“奸悪な雌鳥”から“開化の先覚者”に評価一転。新発見の「明成皇后推定写真」について——100年以上も続く真贋論争
3李貞淑(一八五八〜一九三五年)最初の女性校長——淑明女学校を創立、教え子三千余人
4金貞蕙(一八六八〜一九三二年)女学校運営者——貞和女学校を設立、学校を運営した初の民間女性
5南慈賢(一八七二〜一九三三年)独立闘士——朝鮮の独立は武力でもなく金でもない
6趙信聖(一八七三〜一九五三年)独立運動家・教育者——投獄、抵抗。好んだ言葉は「{ウリトンポ}【わが同胞】」
7河蘭史(一八七五〜一九一九年)朝鮮女性として初の文学学士号を取得——女性にも学問の明るい光の道を
8朴エスタ(本名:金點童一八七六〜一九一〇年)朝鮮最初の西洋医学者——迷信、無知を打破して女性の医療に献身
9李一貞(一八七七〜一九三五年)最初の婦人商店店主——女性が自活できる経済的基盤を築く
10尹貞媛(一八八三〜?)国内外で認められた才媛——女性は社会の構成員
11安【アン・】敬【ギョン】信【シン】(一八八八〜?)独立闘士 68
警察庁舎に爆弾を投擲 乳飲み子抱え苦難の獄中生活
12金マリア(一八九二〜一九四四年)独立運動家——祖国の独立のために不屈の闘志でたたかった人生
13李愛羅(一八九四〜一九二一年)独立運動家・教育者——朝鮮の独立のために夫とともにたたかう
14羅蕙錫(一八九六〜一九四八年)画家・作家——“人間として生きたい”「新女性」のたゆみない挑戦
15鄭鍾鳴(一八九六〜?)社会主義女性闘士——「第一線で闘った人も恋愛し結婚すれば影も形もなくなる」
16金一葉(本名:金元周 一八九六〜一九七一年)雑誌編集者——作家から尼僧の世界へ、社会に大きな波紋広がる
17尹心悳(一八九七〜一九二六年)声楽家——平壌のキリスト教徒の家庭に生まれて
18李ガク璟(一八九七〜一九三六年)新聞記者——女性記者第一号、家父長制批判の論説も
19金明淳(一八九七〜一九五一年)作家——近代初期の女性作家、開かれる表現の世界
20姜周龍(一九〇一〜三一年)労働運動家——賃金の引き下げに抗議
21権基玉(一九〇一〜八八年)飛行士——朝鮮独立を願いパイロットを志す
22柳寛順(一九〇二〜二〇年)烈士 ——「朝鮮独立万歳!」を叫び続け一八歳で獄死した少女
23許貞淑(一九〇二〜九一年)社会主義女性運動家 ——父の影響下に独立運動へ、解放後は共和国で要職歴任
24朴花城(本名:朴景順 一九〇三〜八八年)作家 ——女性初の長編小説を『東亜日報』に連載
25崔恩喜(一九〇四〜八四年)記者 ——妓生や下女に変装し、冷遇された女性に密着取材
26姜敬愛(一九〇六〜四四年)作家——貧農の娘からプロレタリア作家に
27金命時(一九〇七〜?)女将軍——革命一筋、熾烈な抗日運動に命捧げる
28崔容信(一九〇九〜三五年)啓蒙運動家——無知と貧困からの農村解放へ、長編小説のモデルに
29朴次貞(一九一〇〜四四年)朝鮮女子義勇隊 ——日本軍と戦い負傷、後遺症で死去
30宋桂月(一九一一〜三三年)記者・作家 ——ソウル女学生デモを主導、投獄、女性解放の道へ
31承喜(一九一一〜六九年)舞踊家 ——現代朝鮮舞踊を開拓、世界にはばたいた舞姫
32朴鎮洪(別名:朴昭永 李英淑 崔順女 一九一四〜?)革命闘士 ——六回に及ぶ検挙、投獄、一〇年余の獄中生活
前書きなど
二〇〇八年二月二五日、朝鮮半島の南では、李明博政権が出帆する。金大中、盧武鉉政権下で誕生した統一省や女性省、戸主制を廃止した新民法などがそのまま存続できるかどうかに関心が寄せられている。
二年前の四月南では、憲政史上初めての女性首相が誕生した。女性運動の指導者として名高く、かつての軍部独裁政権下で一九七九年から二年半の投獄経験を持つ韓明淑氏である。北でも最高人民会議議員の約三割は女性議員が占めている。家父長的な男性優位の社会の中で、女性たちが封建的な桎梏と性差に苦しめられた時代を振り返ると、まさに隔世の感がある。女性たちは差別と抑圧といかに対峙し、それを跳ね返したのか、なにゆえにそれが可能であったのだろうか。
本書には、日本の植民地下という苦難の時代にあって、祖国解放と女性解放をめざして、身を削って闘った女性たち三二人が取り上げられている。
国を奪われた時代に米国や日本に留学し、中にはヨーロッパ各国を遊学したエリート女性もいる。日本の読者のなかには、初めてその名を聞く人たちも多いことだろう。キューリー夫人やマザー・テレサは知っていても、隣国の画家・作家の羅【ナ】蕙【へ】錫【ソク】や三・一独立運動を闘った金マリアや、日本官憲に捕えられ獄死した女子学生・柳【ユ・】寛【グァン】順【スン】の名を知っている人は少いかも知れない。
抗日運動で発揮された女性たちの不屈の精神は、解放後の北と南でそれぞれ受け継がれて、いま、祖国統一へと向かう大きな歴史の原動力となっている。
一九九一年五月、日本と南北朝鮮の女性によるシンポジウム「アジアの平和と女性の役割」が、東京と神戸で、その後はソウル、平壌でも開催され、「朝鮮は一つ」の思いを世界にアピールした。二〇〇〇年と二〇〇七年の南北首脳会談実現への道筋は、こうした女性たちのたゆみない努力が映し出された結果でもあった。
あらゆる犠牲を払って近代を生きた朝鮮女性たちの願いは、引き裂かれた祖国の統一であり、それはまた、女性の権利を取り戻し、真の男女平等社会を実現することである。本書を手にする人たちが、その切実な願いに触れてくださればと思う。
著者プロフィール
呉香淑(オ・ヒャンスク)
946年広島生まれ
1969年朝鮮大学校文学部卒
朝鮮大学校文学歴史学部教授。現代朝鮮文学専攻
著書、 『長編小説「人間問題」研究』(金日成綜合大学出版社)『姜敬愛創作研究』(同)
共編、 『姜敬愛作品集』(文学芸術出版社)
詩集、 『梅の花』(朝鮮新報社)
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2日前に入手したばかりで、まだ読んでいませんがページをめくりながら、情熱的に研究に没頭していた著者の姿が目に浮かびます。立派な著書を出されたことに敬意と祝意を表しながら、じっくり読んで勉強したいと思っています。
コメント by 金允浩 — 2008/3/4 火曜日 @ 10:11:44