刑法39条はもういらない
佐藤 直樹
発行:青弓社
この版元の本一覧
四六判 256ページ 上製
定価:2,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7872-3258-8(4-7872-3258-4) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年06月
書店発売日:2006年06月15日
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紹介

精神障害者の犯罪責任を免除する刑法39条。その起源を刑法史に探り、「理性的な人間像」と対立する「非‐人間としての精神障害者」という問題性を指摘する。責任能力を認めないのは精神障害犯罪者を「人間」と見なしていないと批判して、39条の廃止を訴える。

目次

はじめに──私がキレた理由 第1章 日本の責任能力制度──「生物学的」方法と「心理学的」方法  1 「生物学的」方法は生物学的か  2 裁判所がいちばんエライ  3 ほとんどが起訴前鑑定で責任無能力とされる  4 心神喪失者等医療観察法をめぐって  5 「犯行」がなくて「犯行時」が存在するか  6 犯罪は「つくられる」ものだ  7 フッサール現象学の「方法的独我論」とは  8 「刑法学説」のムナシサ 第2章 狂人は自分の病気によってすでに十分罰せられている──近代以前の責任能力  1 犯罪も刑罰もなかった時代  2 なぜ「結果責任」だったのか  3 ゲルマン部族法・ザクセンシュピーゲル  4 カロリーナにおける「内面」の発見  5 狂気はあたりを歩きまわっていた 第3章 「自由意思─理性的人間像」の成立──重商主義の時代の責任能力  1 テレジアーナ・ヨセフィーナ・プロイセン一般ラント法  2 刑法における「自由意思─理性的人間像」の成立  3 刑罰と労働が結びつけられた  4 精神障害者の「大いなる閉じ込め」  5 社会と刑罰から排除された精神障害者 第4章 純化する「自由意思−理性的人間像」──自由主義の時代の責任能力  1 「自由意思─理性的人間像」を必要としたのはなぜか  2 カント=フォイエルバッハと「犯罪と刑罰の等価交換」  3 フォイエルバッハのバイエルン刑法典  4 ヘーゲルの「価値的応報刑論」とは  5 ヘーゲル学派と諸ラント法  6 英米法におけるマクノートン・ルール  7 著者としての「メタ自己」の発見  8 露出する近代的主体の限界点 第5章 「あいだ」としての精神病──「生物学的」方法批判  1 身体疾患を「要請」されてきた統合失調症  2 「あいだ」としての精神病  3 精神病はメタファである  4 サズのダラム・ルール批判  5 近代における「因果関係」論の成立  6 心身二元論の陥穽  7 ホントに精神病が「原因」といえるのか 第6章 フィクションとしての「他行為可能性」──「心理学的」方法批判  1 責任非難の根底にある「他行為可能性」  2 日本には個人も意思決定も存在しない  3 フィクションとしての「他行為可能性」  4 「心理学的」要件は「内面」に存在するか  5 「心理学的」方法と精神異常抗弁廃棄論  6 責任能力論とメンス・レア  7 刑法三九条の廃止に向けて 第7章 日本の責任能力をめぐる判例──「了解可能性」という方法  1 日本には社会も権利も存在しない  2 「ゆるし」としての起訴便宜主義  3 「混合的」方法はタテマエにすぎない  4 心神喪失で無罪が認められたケース  5 完全責任能力となったケース

著者プロフィール

佐藤 直樹(サトウ ナオキ)

1951年、仙台市生まれ。九州大学大学院修了。九州工業大学情報工学部教員。専攻は刑事法学、現象学、世間学。著書に『「世間」の現象学』『増補版 大人の〈責任〉、子どもの〈責任〉』『〈責任〉のゆくえ』(いずれも青弓社)、『世間の目』(光文社)、『共同幻想としての刑法』(白順社)、共著に『世間学への招待』(青弓社)など。

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