とことん亭のおいしいおでん
新井 由己, イトヒロ:絵
発行:凱風社
この版元の本一覧
A5判 144ページ 並製
定価:1,400円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7736-2605-6(4-7736-2605-4) C2077
在庫あり
奥付の初版発行年月:2002年02月
書店発売日:2002年02月20日
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紹介

前作『とことんおでん紀行』の発表以来、著者・新井由己の、おでんに対するこだわりはますます加熱し、さらに取材を重ね、ついに「庶民の味方、体に優しい健康料理・おでん」の魅力を〈とことん亭のおでん〉として再現。今回は、『不思議の国の昆虫図鑑』や『おひさまぞろぞろ』などでユニークな世界を描いて活躍するイラストレーターのイトヒロと組んで、日本各地で作られている国民食のノウハウを披露した。作る人みんなの気持ちまで温めてくれるおでんレシピ集。

目次

●おでん宣言[おでんとは何か/おでんの約束10か条]

【第1章】おでんの「いろは」を覚えよう
 ◆調理道具あれこれ
 ◆「おでんだし」あれこれ[昆布だし/鰹節だし/煮干しだし]
  [コラム]化学調味料と天然だし
 ◆調味料あれこれ[醤油/味噌/塩/砂糖/みりん・酒]
 ◆「おでん種」あれこれ[おでん種分布図/全国/北海道〜東北/関東/東海/関西/四国/沖縄]

【第2章】いろんな「おでん」を味わおう
 ◆室蘭の味噌おでん[レシピ/味噌だれの作り方]
 ◆函館の煮しめ風おでん[レシピ/おでん・煮しめ・うま煮のちがい]
 ◆仙台の煮干しだしおでん・おでん三吉風[レシピ/サンマのすり身/ニラ玉]
 ◆関東煮・お多幸風[レシピ/キャベツ巻き]
 ◆東京おでん・一平風[レシピ/つみれ]
 ◆静岡おでん[レシピ/黒はんぺんのできるまで]
 ◆名古屋の味噌煮込みおでん・味軒風[レシピ/八丁味噌のできるまで]
 ◆京風おでん・なべ風[レシピ/おでん種の下処理]
 ◆大阪の関東煮[レシピ/タコの甘露煮]
 ◆大阪おでん[レシピ/クジラのおでん種]
 ◆高知の日曜市おでん[レシピ/じゃこ天のできるまで]
 ◆阿蘇の高森田楽[レシピ]
 ◆沖縄の豚足おでん・悦ちゃん風[レシピ/豚足の下処理/沖縄家庭おでん]
 ◆各地の付けだれ[付けだれ分布図/つけだれレシピ]
 ◆アイデアおでん[トマトおでん/キムチおでん/野菜の煮物風おでん/冷やしおでん/究極のおでん〈こなから風〉・特製京がんもの作り方/コンビニおでん活用方]

【第3章】みんなで「おでん」を楽しもう
 ●おでんパーティーの勧め/おいしいおでんを作るには/おでんは何からできている?/おでん種に一工夫/アイデアしだいでいろいろ楽しめる/和食の基本を身に付ける
 [コラム]味付けの「さしすせそ」

 ◆材料の主な問い合わせ・取り寄せ先

 ◆暖簾の奥の立ち話

前書きなど

■暖簾の奥の立ち話

新「イトヒロさんにとって、おでんはどんな食べ物ですか?」

イ「僕は宮城の田舎育ちだから、おでんといえば味噌田楽おでんでしたね。それもコンニャクのみ。いやあ寂しいなぁ。汁気たっぷりのおでんを知ったのはちび太(おそ松くんに登場するキャラ)が持っていたあの串刺しおでんからだね。あれには憧れたなぁ。東京に来てからは、学生時代に飲み屋でよく食べたおでんがいわゆる正式なおでんだと思った」

新「みんながイメージするおでんについては、紀文が全国区にしたんだろうね。でも、この本を見るとわかるように、各地にも独特なおでんがあるんですよ。味噌だれをたっぷりかけた室蘭の味噌おでん、串刺しおでんが鍋にぎっしり詰まった静岡おでん、鶏がらを使った大阪や高知のおでんだとか……」

イ「たしかにこの本を絵を描いていたら、いろんなおでんを食べたくなっちゃったんだよね。僕は、大阪のタコの甘露煮、名古屋の味噌おでん、静岡の黒はんぺん、沖縄の豚足のスープが気になったね」

新「とことん亭のおでんを作るほかに、教えてもらった店にも足を運んでもらいたいな。僕が選ぶベスト3としては、仙台のおでん三吉、名古屋の味軒、沖縄の悦ちゃんかな」

イ「各地のおでん以外に、アイデアおでんのページもおもしろかったね。これはどうやって思いついたの?」

新「キムチおでんは、韓国におでんがあるって言ったときにみんなに聞かれたのがきっかけかな。すごく簡単でおいしかった。野菜の煮物風おでんは、台東区千束にある『大多福』の主人と話したときに思いつきました。大多福のおでんは野菜たっぷりでヘルシーだと思ったんです。大多福のだし汁は『一平』と『お多幸』の中間だけど、いろんな味のだしでもおいしいですよ」

イ「ところで、冷やしおでんは本当に作ったの?」

新「実はあれ、寒いときに作ったんですよ。揚げかまぼこはちょっと硬めだったけど、だし汁はおいしかったし、キュウリや豆腐はひんやりして合ってましたよ。冷やしラーメンが流行したように、冷しおでんもブームにならないかな? これでおでん屋も夏の営業は心配いらないといいけど?」

イ「僕もやってみたんだけど、トマトのおでんは秀逸だったね。トマトはアミノ酸が多いから、西洋料理のベースに使われるしね。でも西洋風のおでんじゃなくて、ちゃんと和風のおでんになっていたのは驚いたよ」

新「アイデアおでんでいちばん成功したのは、やっぱりトマトかな。ブイヨンを使うのは雑誌でも紹介されているけど、煮干しだしがポイントなんですよ。鰹節でもけっこうイケます」

イ「アイデアおでんもそうだけど、今回は教えてもらったおでんをそのまま紹介するわけでなく、とことん亭のオリジナルレシピとして再現したわけだよね。レシピの完成度としては、ずばりどれがお勧め?」

新「手軽でおいしいということなら、保温調理で作る一平風のおでんがお勧めです。だし汁が濁って悩んでいる人はぜひこの方法を試してもらいたいですね。仙台の煮干しだしのおでんもちょっと違った風味でおいしいですよ。焼き干しが手に入れば、それを使ってみるといいでしょう。名古屋の味噌煮込みおでんや、高知の日曜市のコクのあるおでんも捨てがたいなぁ」

イ「うーん、すぐにでも作ってみたくなった。でも、自分で作るのもいいけど、新井さんが作った『とことん亭の味』も食べてみたいね。これはもう、新井さんが屋台を開くしかないんじゃない? カブで屋台を引いて全国行脚っていうのはどうかな?」

新「それは半分本気で考えてるんですよ。カブでおでん屋台を引いたら話題になるだろうなぁ」

2001年師走 とことん亭にて

版元から一言

天然のだしと様々なたれを使って、野菜や魚貝類の旨みを引き出すおでんに挑戦してみませんか。出来上がるまでの時間がきっと楽しいはず。

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