OECD投資政策レヴュー:中国中国クロスボーダーM&A
経済協力開発機構(OECD):編著, 門田 清:訳
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 160ページ 上製
定価:3,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2776-1 C0033
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年04月
書店発売日:2008年05月07日
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紹介

中国経済発展の現段階においてM&A開放政策が鍵を握る。これは漸進的改革として中国東北部、伝統的産業中枢の国有企業改革の中で推進されているが、本書は管理規定の開放、透明化、コーポレート・ガバナンスの現状を調査し、効果的な政策オプションを提示している。

目次

 日本語版序文
 序文
 刊行にあたって
 略語
 概要

第1章 投資政策レヴューの背景

第2章 中国におけるクロスボーダーM&A開放政策事例
 第1節 世界経済で支配的なクロスボーダーM&A
 第2節 中国で影の薄いクロスボーダーM&A
 第3節 中国で拡大を始めるクロスボーダーM&A
 第4節 海外M&A活動にも積極的な中国

第3章 中国におけるクロスボーダーM&A規制枠組み
 第1節 近年の相次ぐクロスボーダーM&A関連法の制定
 第2節 更なる政策の開発と執行に伴う課題

第4章 中国東北部における経験と教訓
 第1節 かつての重工業の中核地域であり、現在抜本的な再編下にある中国東北部
 第2節 全国平均を大きく上回る中国東北部都市部での失業率
 第3節 国家地域政策の重点地域に指定されている中国東北部
 第4節 クロスボーダーM&Aに集中する中国東北部でのFDI誘致政策
 第5節 中国東北部でのクロスボーダーM&A経験
 第6節 吉林省での企業による外国人投資の探求

第5章 対中国M&Aにおいて投資家の直面する問題
 第1節 外国人投資家及び国内投資家の両者に影響する問題
 第2節 複雑かつ不完全な広範な投資規制枠組み
 第3節 透明性に欠ける戦略資産政策
 第4節 なお残る外国人所有制限
 第5節 クロスボーダーM&Aにおける煩雑な認可手続き
 第6節 2005年12月開催のOECD・中国間シンポジウムからの知見(その1)
 第7節 OECD加盟国の慣行から大きく乖離する中国評価手法
 第8節 実現困難な敵対的買収
 第9節 2005年12月開催のOECD・中国間シンポジウムからの知見(その2)
 第10節 競争政策とクロスボーダーM&A

第6章 推奨政策措置
 第1節 外国人所有制限の緩和
 第2節 規制監督における透明性の拡大
 第3節 合併の競争効果調査に対する健全かつ現実的な手続きのための基盤整備
 第4節 企業における透明性の改善
 第5節 資本市場の開放
 第6節 パイロット・プロジェクトの対象とされる中国東北部

 補遺A OECD投資委員会・中国政府による投資政策策定に関する非公式外部諮問グループ
 補遺B 中国クロスボーダーM&A経験調査(企業対象)
 補遺C 統計表
 参考文献・ウェブサイト

資料:中国における買収・合併(M&A)政策に関する最新報告
 1.はじめに
 2.主要成果
 3.推奨政策オプション
 4.補遺——2003年暫定規定と2006年規定との相違

 訳者あとがき——中国東北部からの中国経済展望

前書きなど


序文

 近年、中国においてクロスボーダー買収・合併(M&A)に対する規制枠組みの開発が急速に進んでいるが、本報告書はその指針となるものである。また本報告書は、この指針の下に対内FDI(外国人直接投資)拡大に努力する中国政府が、いまだ解決をみない諸課題を検討し、OECD加盟国の経験からこれら課題の解決につながる一連の政策オプションを導出することを企図している。
 いまや、中国はFDIにおいて世界でも最大の国/地域の一つに数えられる。しかし、世界的にはクロスボーダーM&AがFDIフロー趨勢を決定付ける状況にあっても、こと中国に関しては、そのFDIフローに占める割合は比較的小さな規模に留まったままである。
 したがって、クロスボーダーM&Aに対する規制枠組みを改善することで、国内外からの中国投資に対し、多大な恩恵がもたらされる可能性がある。国有下にある産業、特に中国東北部のかつての産業の中心地でのその再編
において、クロスボーダーM&Aが重要な役割を果たすことが期待される。1990年代後半以降、中国政府はクロスボーダーM&Aに対し経済開放促進につながる法制度を整備してきた。しかし、より一層の経済開放と透明性を実現するには、その規制枠組みにおいてなお解決の待たれる部分が残される。
 外国人所有制限の緩和、管理面での透明性の改善、健全な競争法の早期制定により、クロスボーダーM&Aの促進が可能だろう。さらに、コーポレート・ガバナンスと情報開示面での改善を進め、買収・合併において投資家が効果的なデューディリジェンスを行えるようにするには、なお一層の改善が必要である。また、外国人投資家に対する中国資本市場の開放が進むことで、クロスボーダーM&Aも促進される。
 本書は、中国を対象とした投資政策レヴューとして二度目の公布となるが、先の2003年レヴューで提示した推奨政策措置に基づき、1995年以降進められてきたOECDと中国政府との間の投資政策協働プログラムの一環としてまとめられた。当プログラムでは、中国の投資政策枠組みの開放性と透明性の改善に向け、OECDと中国政府との間で互恵的に経験を共有することに焦点がおかれている。規則に基づく政策枠組みの開発は対内投資を質的、量的に改善し、国内経済へのスピルオーバー効果を最大限引き出すことで、経済の成長、発展に資するものと考えられる。

OECD投資委員会委員長
マンフレート・シェクリン
Manfred Schekulin

著者プロフィール

門田 清(カドタ キヨシ)

1965年、宮崎県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得・満期退学。現在、福山平成大学経営学部准教授、早稲田大学産業経営研究所特別研究員(1997.4-2001.3、2005.4-2007.3)。専門は国際ビジネス。著書に、「国際貿易論と国際ビジネス」(江夏健一・長谷川信次・長谷川礼編『シリーズ国際ビジネス2国際ビジネス理論』中央経済社、2008年、第8章)、「多国籍企業と世界経済」(江夏健一・桑名義晴編著/IBI国際ビジネス研究センター著『理論とケースで学ぶ国際ビジネス』同文舘出版、2001年)他。論文に、「世界経済システムと多国籍企業理論—ガバナンス・バランス・シフトを背景として」(日本国際経済学会・第49回関西支部総会、2007年6月)、「地域主体性とグローバル・リンケージの形成—日本と日系多国籍企業の創知に対するインプリケーション」(早稲田大学産業経営研究所『産経シリーズ』33、2001年)、「経済統合プロセスにおけるダイナミズムと周辺国の調整問題」(早稲田大学産業経営研究所『産業経営』第27号、1999年)他。翻訳に、経済協力開発機構(OECD)編著『OECD国際投資展望 世界経済の潮流とインベストメント』(明石書店、2006年)、OECD編「貨物輸送ロジスティクス—アジア太平洋、ヨーロッパ、アメリカ 地域を超えて共有される課題と解決」(『月刊ロジスティクス・ビジネス』ライノス・パブリケーションズ、2003年5・6・7月号)他。

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