健康、市民・社会的関与と社会関係資本学習の社会的成果
OECD教育研究革新センター:編著, NPO法人 教育テスト研究センター(CRET):監訳, 坂巻 弘之:訳, 佐藤 郡衛:訳, 川崎 誠司:訳
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 上製
定価:3,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2772-3
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年04月
書店発売日:2008年04月17日
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紹介

学習の経済的影響は一般的によく知られているが、個人や社会全体にもたらされる影響とはどのようなものなのか? 本書は、健康、市民・社会的関与の2つの領域について、学習が及ぼす社会的成果のメカニズムについて理論的及び経験的に分析する。

目次

 日本語版序文
 訳者まえがき
 序文
 謝辞
 概要

第1章 広範囲な教育成果の測定をめざす
 第1節 学習の社会的成果を理解する:背景と理論的根拠
 第2節 なぜ社会的成果に焦点を広げるのか
 第3節 学習の社会的成果(SOL)プロジェクトの起源
 第4節 キーとなる領域
 第5節 まとめ

第2章 人的資本・社会関係資本、コンピテンシー、学習成果の相互関係
 第1節 はじめに
 第2節 生涯にわたる多様な状況での学習:「ライフロング−ライフワイド学習」
 第3節 人的資本と社会関係資本
 第4節 コンピテンシー
 第5節 学習成果とその影響:個人的、社会的および経済的な充足感
 第6節 まとめ

第3章 学習の社会的成果(SOL)の理解と概念化
 第1節 はじめに
 第2節 ARCモデル:絶対・相対・累積モデル
 第3節 自己に対する影響と状況に対する影響
 第4節 マルチレベルな視点
 第5節 学習介入の種類とタイミング
 第6節 まとめ

第4章 学習がもたらす市民・社会的関与(CSE)成果
 第1節 はじめに
 第2節 様々な形態をとるCSE成果がどのように概念化され、測定されているか
 第3節 学習経験とCSEを結びつける因果関係のメカニズムとは何か
 第4節 CSEに影響し得るその他の要因
 第5節 CSEに対する影響について私たちは何を実際に知っているのか
 第6節 異なる教育経験がCSEに与える影響
 第7節 費用−便益の推計
 第8節 まとめ

第5章 学習がもたらす健康成果
 第1節 はじめに
 第2節 様々な形態をとる健康関連成果がどのように概念化され、測定されているか
 第3節 学習経験と健康関連成果を結びつける因果関係のメカニズムとは何か
 第4節 健康成果に影響し得るその他の要因
 第5節 健康関連成果に対する教育の影響について私たちは何を実際に知っているのか
 第6節 費用−便益の推計
 第7節 まとめ

第6章 学習の社会的成果(SOL)の結論と展望
 第1節 学習の社会的成果(SOL)の目標についての再確認
 第2節 ベネフィットを論証する?
 第3節 今後に向けてのステップ

 訳者あとがき

前書きなど

序文

 経済協力開発機構(OECD)は、経済成長と良好な雇用を可能にするために教育がきわめて重要な役割を果たしているということを長年主張してきた。われわれは、この分析を「学習の社会的成果」(Social Outcomes of Learning:SOL)という、より広範で社会的な領域まで広げようとしている。本報告書では、新たな分野を開拓している。「健康」および「市民・社会的関与」(Civic and Social Engagement:CSE)に教育が与える影響に焦点を定め、単に教育と上述の2つの社会領域との相関関係にとどまらない多数のモデルを提示することで、これらの因果関係を探究していく。一方で、これらの複雑な現象を調査するため、世界からのデータを経験則によって分析した結果についても言及する。
 SOLプロジェクトは2005年に始まった。これは、OECD教育研究革新センター(CERI)とOECD国際教育インディケータ事業のネットワークB(教育と社会・経済的利益)による共同プロジェクトであり、13の加盟国によって支援されている。SOLプロジェクトの第2段階に入った現在、「健康」および「市民・社会的関与(CSE)」に教育が与える影響についての分析をさらに深く進めているところである。
 OECDへの加盟、非加盟を問わず政策立案者にとって主要な2つの目標、すなわち人々の健康と活動的な市民生活の実現を支援するためには、一般的水準の教育が実に重要であることを、本報告書は裏づけている。しかし、決して簡単には関連づけられないこと、そのため、われわれは単に教育への投資を増やすだけではこの2つの領域の改善を望めないことも本報告書で指摘した。社会的成果を評価する場合、教育の恩恵に浴する機会の不平等といった問題は、個人にも一般的な社会にも、常に重要な要素である。
 本報告書以上に詳細な分析を閲覧したい場合は、関連の報告書を以下から無料でダウンロードすることができる。
www.oecd.org/edu/socialoutcomes/symposium
 本報告書は、Tom Schuller氏(CERI所長)と、Richard Desjardins氏(Danish School of Education講師)が共同執筆したものである。

OECD教育局長
バーバラ・イシンガー
Barbara Ischinger

著者プロフィール

NPO法人 教育テスト研究センター(CRET)(キョウイクテストケンキュウセンター)

Center for Research on Educational Testing
2007年1月7日設立。「教育テストの評価・解析研究」「教育テストの問題開発研究」「教育テストの基盤設計研究」をテーマに、国内外の研究機関や研究者とともに研究に取り組んでいる非営利の研究機関。
ホームページ:http://www.cret.or.jp

坂巻 弘之(サカマキ ヒロユキ)

1956年生まれ。現在、名城大学薬学部臨床経済学教室教授。専門は、臨床経済学・薬剤
経済学、アウトカム研究、医療費分析。主な著書に、『やさしく学ぶ薬剤経済学』(単著、じほう、2003年)『日本型疾病管理モデルの実践』(共編著、じほう、2004年)『実践薬剤経済学:治療目標の設定と薬剤選択および費用・効果分析の方法』(共監訳、ロ−ネ・E.バスキン著、じほう、2000年)ほか。

佐藤 郡衛(サトウ グンエイ)

1952年生まれ。現在、東京学芸大学国際センター教授。専門は、異文化間教育学。主な著書に、『国際理解教育:多文化共生社会の学校づくり』(単著、明石書店、2001年)、『「共に生きる子ども」を育てる国際理解教育』(共編著、教育出版、2006年)、『外国人児童の「教科と日本語」シリーズ(全5巻)』(監修、スリーエーネットワーク、2005年)ほか。

川崎 誠司(カワサキ セイジ)

1965年生まれ。現在、東京学芸大学教育学部准教授。専門は、社会科教育、多文化教育、ハワイ研究。主な著書に、『多文化社会アメリカにおける国民統合と日系人学習』(共著、明石書店、1999年)、『ひとを分けるものつなぐもの:異文化間教育からの挑戦』(共著、ナカニシヤ出版、2005年)、『新時代を拓く社会科の挑戦』(共著、第一学習社、2006年)、「異文化間トレランスの育成に果たすEquity Pedagogyの意義」(『異文化間教育』15号、異文化間教育学会編、アカデミア出版会、2001年)ほか。

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