障害のある人の完全参加を目指すシステムづくりCBR 地域に根ざしたリハビリテーション
マルコム・ピート, 田口 順子:監, JANNET(障害分野NGO連絡会):訳
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 240ページ 並製
定価:2,400円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2768-6 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年04月
書店発売日:2008年04月24日
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紹介

障害のある人々のニーズと地域のもつ特性から生まれたCBR(地域に根ざしたリハビリテーション)という新しく革新的な概念の発展とその計画・実施に影響を与える要因を検討した、福祉に係わるすべての人にとって必須の基本テキスト。

目次

 はじめに
 謝辞

第1章 地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)の序論

第2章 障害の範囲
 障害の定義
 障害の人口統計
 先進国における障害
 開発途上国における障害
 障害のタイプ

第3章 コミュニティ
 はじめに——コミュニティとは
 コミュニティの定義
 コミュニティにおける多様性
 地域に根ざしたアプローチ
 コミュニティへの参加の戦略
 CBRと地域開発
 コミュニティの開始とコミュニティ指向
 コミュニティ参加と動員

第4章 CBR
 CBR入門
 歴史的概観
 CBRの概念の定義
 CBRのイデオロギーの転換——忍耐の精神
 CBRの構築
 CBRの利点と欠点
 CBRの記述的枠組み(構造)
 リハビリテーションの連続体
 CBRの戦略
 リハビリテーションにおける地域指向型アプローチ
 CBRのサービス展開戦略
 サービスの調整
 地域に根ざした職業的リハビリテーションと国際労働機関(ILO)
 CBRの転換に向けた戦略
 専門家と官僚による挑戦
 紛争地域と平和構築地域におけるCBR

第5章 CBRのモデル
 CBRモデルの定義と分類
 CBRのモデル80

第6章 CBRプログラムの計画とマネジメント
 はじめに
 CBRプログラムの計画とマネジメント
 オーナーシップとガバナンス
 地方分権とCBR
 CBRプログラムのマネジメント
 プログラムの継続性
 コミュニケーションと調整
 コミュニティの参加、動員、認識
 公共政策促進と開発におけるCBRプログラムの影響

第7章 CBRの評価
 はじめに
 なぜ、誰のために、何を、そしてどのように、評価をするのか
 数的データと質的データ
 得られた評価の活用
 参加型評価
 評価のモデル

第8章 CBRにおける教育
 CBRの知識の基盤
 知識と技術の移転
 教育的な過程の中のステークホルダー
 教育における戦略
 CBR教育プログラム計画と実施における重大な要因
 CBRトレーニング・プログラムの潜在的問題
 CBRの教育的システム

第9章 障害の経済的、社会的影響と障害のある人の組織
 はじめに
 障害の経済学
 エンパワーメントとは
 慈善団体
 障害のある人の組織
 単一障害者組織と多種多様な障害者関連団体
 消費者運動
 女性の役割

第10章 CBRにおける調査研究
 はじめに
 誰が調査研究に興味を持つか?
 CBRにおける調査研究の目標
 CBR調査の困難性
 CBR調査のトピック
 調査研究におけるパートナーシップ
 開発途上国における調査研究

第11章 政策、戦略、サービス事業
 はじめに
 政策づくり
 政策開発と住民参加
 戦略的計画プロセスと公共政策開発
 政府の政策
 NGOの方針
 国際開発機関、政府、NGO間の多角的連携政策
 政府機関とNGOの比較
 人権政策

第12章 結論
 将来を決定すること
 現在の体制への異議
 CBRの目的
 アプローチの柔軟性
 CBRの意義を示すこと

 索引

前書きなど

はじめに

誰のために書かれた本か
 CBR(Community Based Rehabilitation)は、障害のある人々のためのプログラム立案にとって重要であり、先進国であれ途上国であれ、健康づくりや社会プログラムを改革しようとする時の中核要素となります。
 この本はこのようなCBRの適用に取り組んでいる人、あるいは取り組もうとする人々のために書きました。すなわちCBR計画の中でのカギとなるステークホルダーや保健並びに社会科学分野の専門職の人々、NGOをはじめ政府関係機関、地方行政、消費者諸団体、地域の関連組織の人々も含みます。

この本が目指すもの
 この本はCBRの発展や、CBRの計画・実施に影響を与える要因を検討するのに基本となるテキストづくりを目指しました。CBRはコミュニティの独自性と障害のある人々のニーズ、地域のもつ特性、障害のある人々との関わりあいを大切にしながら討議を重ねてきました。CBRは障害のある人々からコミュニティ、とりわけ地域の特別なリハビリテーション機関までの連続体の一部とみなされます。CBRの発展に寄与すると考えられる諸要素は、計画、マネジメント、教育、調査、評価、政策などのCBRを代表する単純で安易なアプローチではないという認識のもとで検討・考察しました。

何故、この本は書かれたのか
 著者は長い間、開発のあり方や教育問題、海外におけるCBRの展開にも関わってきました。そこでは政府関係機関やNGO、大学、消費者団体の人々と共にCBRの発展に関わってきました。
 したがってこの本は障害のある人々と、そして彼らと共に働く人々との中から学び生まれました。CBRが比較的新しく且つ又革新的な概念であるがゆえに、その情報は多岐にわたって広範囲であり、応用となるとかなりの限界があります。したがって、この本は正式な論文はもとより、これまでの数々の実践経験に基づくCBRに関する報告書や資料を取り入れてまとめたものです。

著者プロフィール

マルコム・ピート(ピート,マルコム)

理学療法士の資格をはじめ、教育学の修士、人体解剖学、細胞生物学で博士号を修得。カナダ有数の大学、Queen's大学における理学療法の教授を皮切りに、その後、リハビリテーションの副部長となる。医療の枠を越えた、住民とともに住民のニーズに応える活動こそが必要であるとCBRを模索し、大学構内にCBR促進国際センター(ICACBR, International Center for the Advancement of Community Based Rehabilitation)を組織し事務局長に。以来、CBR活動を続け、WHOの仕事にも従事する。インド、バングラデシュ、インドネシア、中国などでCBR開発を探り、CBRモデルを形成。また、医師、理学療法士など保健関連職種のためのCBR教育プログラムを開発する。このコースには、本書の共訳者である村田美穂氏が参加している。再三来日しているが、2003年にCIDA(カナダ国際開発庁)とJICA(国際協力機構)によるボスニア・ヘルツェゴビナのCBR支援協力プロジェクトの協議のため来日、その折に、JANNETがCBRの講演を依頼したことが本書の翻訳のきっかけとなった。

田口 順子(タグチ ヨリコ)

理学療法士、医学博士
JANNET研究研修委員長
西武文理大学特命教授
国際医療福祉大学非常勤講師
国際医療技術交流財団シニアアドバイザー
異業種集団による「花の集い 健康づくり女性の会」会長
第28回日本理学療法士学会学会長(1993年、横浜)の際、「国際的視野に立った理学療法」をメインテーマとし、CBRの先駆者を招聘、各国とのCBR連携を深める。
第13回世界理学療法連盟学会副学会長(1999年、横浜)の際に、CBR分科会では座長を務める。
JICA、JIMTEF(国際医療技術交流財団)、日本理学療法士協会によるCBR技術協力プロジェクトをインドネシアにて実施(1993-97年)。
JICA青年海外協力隊技術顧問(医療福祉分野担当)(1996-2003年)の際に、隊員の現地巡回指導時、アジアをはじめ中近東、アフリカ、中南米のCBR活動の調査を実施。
2001年よりJICA、JIMTEF、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会による海外研修員に対するCBRを主としたコースを企画、実施。

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