発行:明石書店
この版元の本一覧
四六判 264ページ 並製
定価:2,200円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2758-7 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年04月
書店発売日:2008年04月16日
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紹介
国境を越えたグローバルな人の流れは近年始まったことではない。世界を移動する人々、強大な移住民により、また国境の移動により周縁に追われた人々が世界各地に形成した集団の姿を解説し、ホスト国と接触し影響しあう民族社会のダイナミズムを見つめた入門書。
目次
はじめに(山下清海)
1.エスニック社会の基礎
1 エスニック集団とエスニシティ(杉浦直)
2 エスニック集団の適応戦略(矢ヶ崎典隆)
3 エスニック集団の住み分けとエスニックタウン(山下)
4 エスニック・ビジネス(片岡博美)
5 エスニック地理学の研究史(千葉立也)
2.世界のエスニック社会
1 海外の移民社会
(1)海外の日系人社会(飯田耕二郎)
【コラム1】 ハワイの日系人社会(飯田)
(2)海外の華人社会(山下)
【コラム2】 チャイナタウンの形成と変容(山下)
(3)海外のインド人社会(南埜猛)
【コラム3】 インド人IT技術者と学校教育(澤宗則)
2 南北アメリカのエスニック社会
(1)アメリカ合衆国のエスニック社会(矢ヶ崎)
【コラム4】 多民族社会ロサンゼルス(矢ヶ崎)
(2)カナダのエスニック社会(大石太郎)
【コラム5】 連邦残留か分離・独立か、揺れるケベック(大石)
(3)ブラジルのエスニック社会(仁平尊明)
【コラム6】 ブラジルの日系人(仁平)
3 ヨーロッパのエスニック社会
(1)イギリスのエスニック社会(杉浦)
【コラム7】 インド系移民の街 サウソール(杉浦)
(2)ドイツのエスニック社会(加賀美雅弘)
【コラム8】 ジプシーと呼ばれたロマ(加賀美)
(3)フランスのエスニック社会(手塚章)
【コラム9】 フランス型統合モデルの行方(手塚)
(4)スペインのエスニック社会(石井久生)
【コラム10】 バスク問題とゲルニカ(石井)
(5)オランダのエスニック社会(大島規江)
【コラム11】 ベルギーの言語対立(大島)
4 アジア・オセアニアのエスニック社会
(1)中国のエスニック社会(杜国慶)
【コラム12】 ナシ族の王都 麗江古城(杜)
(2)シンガポールのエスニック社会(山下)
【コラム13】 マレーシアのブミプトラ政策(山下)
(3)タイ・ラオスのエスニック社会(横山智)
【コラム14】 エスニック・ツーリズム(横山)
(4)オーストラリアのエスニック社会(吉田道代)
【コラム15】 「盗まれた世代」をめぐる議論(吉田)
3.日本のエスニック社会
1 アイヌ社会(千葉立也)
【コラム16】 先住民族とは(千葉)
2 日本のコリアン社会(福本拓・千葉)
【コラム17】 日本最大の在日コリアン集住地区 猪飼野(福本)
3 日本の華人社会(山下)
【コラム18】 池袋チャイナタウン(山下)
4 日本のブラジル人社会(片岡)
【コラム19】 構築される/溶解する「ブラジル」——エスニック・ビジネスの多様化(片岡)
5 日本のインド人社会(澤)
【コラム20】 東京のインド人街 江戸川区西葛西(澤)
おわりに(山下)
エスニック社会を知るための文献案内
執筆者紹介
前書きなど
はじめに
(…前略…)
今日、さまざまな民族が国境を越えて世界中に広がり、各地でこれまでみられなかった多様なエスニック社会が形成されている。本書は、このような状況をグローバルな視点から描き出そうとしたもので、本書のタイトルを『エスニック・ワールド——世界と日本のエスニック社会』と名づけた。
では、本書の構成について紹介しよう。本書は大きく三つの章からなる。
第1章は、エスニック集団、エスニシティ、住み分け(セグリゲーション)、エスニックタウン、エスニック・ビジネスなどの基本的概念を解説するとともに、エスニック社会の見方、研究の方法などを理解するのに役に立つ内容になっている。
第2章では、世界のエスニック社会に関して、国別に具体的な姿を描き出すことを目指したものである。まず、海外における日系人、華人、インド人について考察した後に、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど世界各地のエスニック社会の特色を論じている。
最後の第3章は、日本のエスニック社会を描いたものである。日本におけるアイヌ、コリアン、華人、ブラジル人、インド人の社会について、多くの日本人はあまり理解していないのではなかろうか。「そうだったのか、知らなかった」という読者の声が聞こえて来るような気がする。
本書の最後には、エスニック社会についてもっと知りたいという読者のために、参考になりそうな文献案内を掲載した。
本書の執筆に際しては、エスニック社会の伝統的な側面だけでなく、できるだけ新しい面、変化しつつある面も取り上げ、平易に解説したつもりである。読者の興味をさらに深めるために、合計二〇の【コラム】を各所に挿入した。また、写真や図表なども多く挿入し、できるだけビジュアルな構成になるよう努めた。なお、本書に掲載した写真は、特に断り書きがない限り、各執筆者の撮影によるものである。
本書が、真の国際理解や異文化理解に役立つ書となれば幸いである。
著者プロフィール
山下 清海(ヤマシタ キヨミ)
1951年、福岡市生まれ。筑波大学大学院教授。筑波大学大学院博士課程地球科学研究科地理学・水文学専攻修了。理学博士。1978〜80年、文部省アジア諸国等派遣留学生として、シンガポールの南洋大学地理系に留学。1994〜95年、カリフォルニア大学バークレー校Asian American Studies客員研究員。秋田大学教育学部教授、東洋大学国際地域学部教授を経て、2004年から現職。2005年12月から日本華僑華人学会副会長。専攻は人文地理学、華僑・華人研究。特に日本および世界各地の華人社会・チャイナタウンをフィールドワーク重視で調査研究。
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