学校から社会への移行期に準備しておきたいことすべてダウン症の若者支援ハンドブック
ジークフリード・M・プエスケル:編著, 百溪 英一:監訳, ハリス 淳子:訳
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 368ページ 並製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2736-5 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年03月
書店発売日:2008年03月05日
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紹介

ダウン症の人たちが成人期に入ってもさらに充実した生活を送れるようにするために、その移行段階というべき思春期、青年期に焦点をあて、その時期に必要な職業教育、余暇教育、人間関係、セクシュアリティ、自立生活などに関する具体的な方法や考え方を提示する。

目次

第1章 へその緒を切ること——親の観点
第2章 ダウン症の人の身体的成熟
第3章 思春期・青年期における心理的適応と精神障害
第4章 「でも、私には君の言っていることがわかりません」——ダウン症の若者・成人とのコミュニケーション
第5章 社会的統合と友情
第6章 ダウン症の青年・成人の地域社会への参加
第7章 障害のある生徒のための余暇教育——現在の展望
第8章 中度・重度障害をもつ学齢期の生徒のための職業訓練プログラム
第9章 高等学校後の知的障害者に対する継続教育——特殊カレッジプログラム
第10章 移行過程——学校から職場へ
第11章 就労の機会と選択
第12章 自立生活に向けて
第13章 ダウン症の人たちのセクシュアリティ、結婚、子育て
第14章 ダウン症の人たちの自尊心の向上
第15章 政策問題、人権、支援活動
終わりに

 監訳者あとがき

 文献一覧
 索引
 執筆者一覧

前書きなど

序文(一部抜粋)

(…前略…)

 本書は移行、つまり、学校を卒業し、働くことを主な特徴とする成人のライフスタイルへと移る期間に関する上記の疑問やそのほかの多くの疑問に答えるものです。長年この分野で精力的に活動してきた有能な専門家たちが、革新的なプログラム、適切な戦略、思春期から成人期への移行の根本的な理念について論じています。本書を読むことで、移行過程の重要な関心事について、幅広く、包括的に理解することができます。
 本書では、より全体的な見方を示すことができるよう、ダウン症の若者の全体像とその生活パターンのすべてに焦点を合わせています。就職と居住環境に加え、思春期の発達・成熟に関する要因や社会的統合、友情、心身の健康に関する関心事、そしてレクリエーションの機会について論じています。さらに、ダウン症の人、その親、教育者、そのほかの専門家、そして社会に影響を及ぼす移行の重要な要素にとくに注目しています。職業前スキル訓練、就労準備、自己認識の問題、キャリア意識、意思決定活動について、詳しく書かれています。また、移行チームにより計画・実行される移行過程についても記述し、よく計画された、協力的な移行過程が教育者、雇用主、そのほかの地域の機関のあいだの隔たりを埋めてくれることを強調しています。これまではダウン症の人たちに対する高校卒業後の教育機会が存在していなかったので、コミュニケーションスキル・プログラムや福祉サービス援助プログラム、フードサービス訓練プログラム、ハウスキーピング訓練プログラムなど、多くの内容を伴う継続教育の新しい概念を探求するための土台をここで築いています。
 本書の多くの章でダウン症の若者に対するサービス不足を解消し、問題のある領域を調査する必要性について述べていますが、ほかの章ではダウン症の人ひとりひとりの関心事やスキル、能力に合った広範な就職の機会に関する新しいアイディアを論じています。このような考えが、現在ある固定観念や作業所で見られる単調な活動の多くに取ってかわるべきでしょう。もっとも制限の少ない職場環境、快適で家庭的な地域社会に居住すること、自尊心の向上、社会的交流や性を伴う、意義のある人間関係に関する問題も論じています。
 本書は、親と専門家の両方に、思春期から成人期への移行に不可欠な多くの側面に関する重要な情報を提供するものです。本書でお伝えする情報によって、思春期に、より効果的で価値のある準備が行われ、移行過程がスムーズに進み、その結果、ダウン症の人たちの成人期がさらに充実した、意義あるものとなることを望んでいます。

著者プロフィール

ジークフリード・M・プエスケル(M・プエスケル,ジークフリード)

医師、博士、公衆衛生学修士、弁護士
1967年から1975年、ボストン子ども病院発達評価クリニックに勤務。そこで最初のダウン症プログラムのディレクターとなり、フェニールケトン尿症と先天性代謝異常プログラムの指導も行った。1975年、プロビデンスにあるロード・アイランド病院子ども発達センター所長に。発達障害、生化学遺伝学、染色体異常における臨床活動、研究、教育を続け、国内外で広く講演活動を行った。共著も含め、著書は15冊、執筆した科学論文は200以上にのぼる。自身もダウン症児の父親である。

百溪 英一(モモタニ エイイチ)

日本ダウン症ネットワーク事務局長
1953年東京生まれ。1977年日本大学獣医学科大学院修士課程を修了後、農林省家畜衛生試験場に入省し、家畜の病理学、細菌学、免疫学、分子生物学的研究に従事。26歳で結婚後、1983年に第2子の長女がダウン症をもって誕生。障害福祉に関する活動を開始。1986年アメリカ留学から帰国後に専門の医学、生物学の知識と患者支援を結びつけた活動をするために、北海道のダウン症児親の会の書記として患者家族会の活動に参加。2001年つくば市の障害を越えた学際的研究組織「つくば障害児の発達を考える会」を設立。同年、県内各地の仲間とともに「茨城県ダウン症協会」を設立し現在まで事務局長を務める。1995年ダウン症児の親と専門家の支援ネットワーク「日本ダウン症ネットワーク」を設立。2002年に同組織をNPO法人化し、現在まで事務局長を担当。家族は妻と二男、二女。趣味はレコード鑑賞、ポスターデザイン、漫画を描くこと、クラシックカメラ、写真撮影、レース鳩の飼育など。つくば市在住。

ハリス 淳子(ハリス ジュンコ)

滋賀県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部英米学科卒業後、高校の英語教師、商社や自動車会社の社内通訳・翻訳を経て、フリーの翻訳者に。主としてビジネス翻訳の分野で活躍中。

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コメントとトラックバック 1件 »

  1.  訳者の淳子さんへ
     貴重な本をよくがんばって翻訳されましたね。なかなか報われない領域でしょうが、貴重な働きをされたと思います。地味な仕事をこつこつとされたことに心から敬意を表します。

    コメント by zen — 2008/3/10 月曜日 @ 12:16:58

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