発行:明石書店
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四六判 452ページ 上製
定価:4,700円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2683-2 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年12月
書店発売日:2007年12月14日
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紹介
1998年の大量虐殺事件での体験、長期化する内戦や民主化闘争から生まれた第二世代の娘たちの声、非合法地帯・国境地帯に生きる女たちの声、ビルマ国内のみならず、世界各地から寄せられた、軍事政権の弾圧と迫害を受ける様々な民族の女たちの声を収録。
目次
「アジア現代女性史」シリーズの刊行にあたって
序文
第1章 女たちの監獄
1 私と手品
2 体験的真相
3 獄中より——鋼鉄の花の香り
4 思い出の面影たちとともに
5 国民が選んだ勢力から国民の権利というゴールへ
6 固く手をつなぎ合い
7 太陽に立ち向かい、月と競い合って
8 イェームン(陸軍第二二〇歩兵部隊における苦しみ)
9 追悼ドー・チーチー 香辛料と政治活動の栄光
コラム1 ビルマとミャンマー
第2章 国内の女たち
1 どこまで?
2 闘う女の声
3 ビルマ兵
4 小さな町パーカンのこと
5 責任は各自にあり
6 悲劇の家族
7 未来への希望
8 苦い薬を呑み込んで
9 中立的思考
第3章 「反逆者」の娘たち
1 幻の父を探して
2 希望を信じる日に向かって
3 祈りから行動へ
4 私の空
5 反逆者の娘
6 河は途切れず 樹は枯れず
第4章 女たちのジャングル
1 鳴き続けなさい 白鳩よ
2 女性兵士だった頃
3 秘密の旅
4 敗北から得たもの
5 エーヤーワディー恋しけれど
第5章 女たちの国境地帯
1 我が家は近い、気を引き締めろ!
2 悲嘆の中の力
3 人生大学
4 国境地帯における女性たちの政治活動
第6章 民族的少数者として
1 あるチン女性の告白
2 我が信念
3 メリー・オウンの物語——ラビェウンに語る
4 民族再統一に向かって
5 脅しと消えたアヒル
6 和解に向けての声——ノー・カインマーチョーゾーへのインタビューから
7 無比の教育
8 最後の牛までも——あるロヒンギャー女性へのインタビュー
コラム2 風土と覇権
第7章 女たちの身体
1 悪政の落花たち
2 共感
3 こちら側の保健事情
4 レディー・ラブ・パウダー
5 化粧で汚れた紙幣の切れ端
コラム3 英国と日本・侵略の遺産
第8章 海外からの女たちの声
1 失われた夢
2 哀悼
3 到着
4 私の見解——協議と支援
5 戻れない道
6 大いなる理解をもって——娘より
7 移行期のビルマの女たち
第9章 女たちの民主主義
1 文化的束縛か政治的制約か
2 女と和平
3 民主主義を切に願いて
4 姉妹たちよ 落穂を拾わん
5 民主主義の意味と私たちビルマ女性
コラム4 分断社会ビルマ
記載事項関連年譜
『女たちのビルマ——軍事政権下を生きる女たちの声』に寄せて
前書きなど
序文 ドー・アウンサンスーチー(二〇〇〇年版より)
本日、私の誕生日に、このように我がビルマの女たちに話ができるようご尽力くださったすべての方々に、お礼申し上げます。私たちは、このような機会を利用しないと、話すべきことも話せないのです。ビルマ国内では、移動の自由も、言論の自由も、議論する自由もありませんから、我がビルマの女たちと交流するのは容易なことではありません。軍事独裁制度のもとでは、こんな具合です。自由に発言し、自由に交流し、自由に議論し、自由に出会うということが、非常に困難です。しかし私たちは、そんな自由を獲得しようと努力しているのです。
私たちの国の民主化問題は、単なる政治問題ではありません。それが民衆の問題であることを、我が女たちには特に理解していただきたいのです。このように述べるのは、男たちがそのことをとっくに理解していると考えているからではありません。男たちがそのことを理解する必要はないと考えるからでもありません。しかし、このような私の誕生日には、私は女たちに関心を向けたいのです。今、私たちのビルマでは、もう一二年以上も民主主義獲得闘争が続いています。この一二年の闘争の中で、女たちの役割がどれほど大きかったかを、私はずっと見てきました。女たちが強靭な精神を持ってこそ、彼女たちに関わる男たちが、政治的にも社会的にも精力的に活動できるということを見てきました。我々の民主主義のために活動している女たちは、大変な苦労をしています。
最近私は、息子さんが逮捕された女性に会いました。娘さんが逮捕された女性にも会いました。この二人の年老いた女性の気持ちは一つでした。それは、自分の子どもの行動は正しい、多くの人のためにやったことなのだから何であれ受け入れる、何であれ立ち向かうという気持ちでした。娘の母親は、娘の出発前に言いました。母さんのために署名などして離党してくれるなと。つまり、母親を気遣って自分のやるべき仕事を投げ出すなと言いたかったのです。こうした強靭な精神の女たちのおかげで、幾多の妨害や弾圧にもかかわらず、民主化闘争は速度を緩めることなく、脈々と続いているのです。一九九八年、私たちが国会代表者委員会を結成したあと、私たちの党員が多数逮捕され、拘束されました。逮捕されたとき、逮捕された党員の年老いた母や、若い妻や、娘たちが、こぞって私たちを励まし、支援してくれたのです。これこそ女性の力だということを、私たちは理解しました。女たちは、自分の力をあなどってはなりません。
この国のみならず、この世界で、和平や平和を獲得するためには、女たちが多くのことをすることが必要です。もしもさまざまな国々で、和平がない、安全がない、経済発展がない、医療や教育の発展がないとすれば、主として苦しむのは女性にほかなりません。息子たち娘たちのことで、主として骨を折るのは、やはり女性にほかなりません。ですから私たち女性は、自分たちの家族の問題と政治の問題を切り離して考えられないと、理解することが必要です。そういう理解がある女たちもいます。それは私たちも、かなりたくさん目にしており、非常に心強く思ってきました。
それに、私たちの国内で和平を獲得し、団結統一するためにも、女たちが率先して活動する必要があります。私たちの国内には、諸民族兄弟姉妹が多数居住しています。そこで、これら諸民族が互いに理解し団結するために、互いに親愛と慈しみと思いやりの気持ちを持つために、女たちは大いに貢献できます。女同士ならば、大いに理解し合えます。子どもたちのことを思い悩むのは、モン族の母親であれ、カレン族の母親であれ、ビルマ族の母親であれ、チン族の母親であれ同じです。母が子を思い、心配する気持ちは、互いに理解できます。基本的な理解の上に立って、私たちから国家の団結を打ち立てることができるのです。
そこで、我が女たちに目覚めていただきたい。強靭な精神を持っていただきたい。すでに強靭な精神を備えておられるなら、それをさらに強めるよう手をかけて育てていただきたい。私たちの社会活動や政治活動は、女性の参加抜きには考えられないという認識を、しかと心にとめておいていただきたいのです。この国で、すべての人々にできることがたとえわずかでもあるのです。民主主義獲得のために、すべての人々が少しずつ少しずつ、一人ずつ一人ずつ活動すれば、私たちはめざすゴールにもっとも早く到達できるのです。私たちがめざすゴールとは、すべての国民に安全と平和と安定を与えるものです。ですから、そのゴールに到達するために、私はビルマのすべての女性の皆さんに、こぞって協力していただくようお願いするものです。ありがとうございました。
二〇〇〇年六月一九日
著者プロフィール
タナッカーの会(タナッカーノカイ)
1998年6月タイで発行された『闘う女たちの声(Taikpwewin Amyothamimya Athan)』の編集のみを目的に結成された、さまざまなバックグラウンド、さまざまな民族のビルマ女性チーム。
富田 あかり(トミタ アカリ)
本書の翻訳のみを目的に結成された日本女性2名のチーム。
藤目 ゆき(フジメ ユキ)
大阪大学准教授。アジア現代女性史研究会代表。
専攻 日本近代史、女性史。
【主な著書・訳書・論文】
マリア・ロサ・L・ヘンソン『ある日本軍「慰安婦」の回想——フィリピンの現代史を生きて』(編訳)岩波書店、1995年。
『性の歴史学——公娼制度、堕胎罪体制から売春防止法・優生保護法体制へ』不二出版、1997年。
「冷戦体制形成期の女性運動——占領下の日本民主婦人協議会と朝鮮戦争」三宅義子編『日本社会とジェンダー』明石書店、2002年。
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