発行:明石書店
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A5判 352ページ 上製
定価:4,200円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2630-6 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年09月
書店発売日:2007年10月03日
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紹介
障害福祉の歴史や障害概念の変遷、認定の課題などをふまえつつ、障害者の生活実態や福祉ニーズを検討。障害者の自立支援を視野に入れ、生活を保障する制度と施策、ソーシャルワークの実践、リハビリテーション科学等を解説。卒研や国家試験の学習にも資する。
目次
シリーズ刊行のことば
第3巻 序
第1章 21世紀における生活支援の障害福祉学
第1節 21世紀における障害福祉
第2節 人権と障害福祉
第3節 障害福祉の基本理念
第2章 障害福祉の歴史と最近の動向
第1節 わが国における障害福祉の歴史
第2節 障害者施策をめぐる国際的動向
第3節 障害者施策をめぐる国内の動向
第3章 障害の概念と障害認定
第1節 わが国における障害の定義と範囲
第2節 国際的な障害の概念
第3節 わが国における障害認定の課題
第4章 障害のある人の生活実態と福祉ニーズ
第1節 障害のある人の全体状況
第2節 身体障害のある人の生活と福祉ニーズ
第3節 知的・発達障害のある人の生活と福祉ニーズ
第4節 精神障害のある人の生活と福祉ニーズ
第5章 障害のある人の日々の暮らしの基盤づくり
第1節 障害福祉関連法と行政組織
第2節 障害福祉の実施体制
第3節 「障害者自立支援法」による障害福祉サービス
第4節 経済的安定のための所得保障
第5節 バリアフリーな生活基盤整備のための法律と施策
第6章 障害福祉における専門職の養成
第1節 専門職養成の現状と課題
第2節 研究能力の高い専門職の養成
第3節 障害福祉専門職の倫理教育
第7章 ソーシャルワークとリハビリテーションの科学
第1節 ソーシャルワークの基本となるもの
第2節 リハビリテーションの分野と方法
第3節 障害のある人の暮らしを支えるテクノロジー
第8章 障害のある人の自立生活実現への支援
第1節 自立生活思想の起源
第2節 自立生活の考え方と課題
第3節 地域社会における自立生活と障害者ケアマネジメント手法
第4節 当事者主権とソーシャルインクルージョン思想
第9章 知的・発達障害のある人の生活支援と権利擁護
第1節 生活支援から権利擁護へ
第2節 権利擁護とそのシステム
第3節 生活支援と権利擁護のあいだで
第4節 知的・発達障害のある人にとっての成年後見制度
第10章 障害のある人の芸術・文化・スポーツ活動
第1節 福祉文化と障害のある人
第2節 障害のある人の芸術と支援実践
第3節 障害のある人とスポーツ活動——パラリンピックの歴史から学ぶ
第4節 共生する芸術・文化・スポーツ活動——身体表現活動から福祉文化社会の形成へ
索 引
著作者紹介
前書きなど
第3巻 序
本巻は、シリーズ「障害科学の展開——障害をとおしての人間理解、共に生きるための障害支援」の第3巻として、『生活支援の障害福祉学』というタイトルとした。
このタイトルには、「障害」を手がかりとして、すべての人間の生活を支える具体的な仕組みと支援方法について考える視点の提起を意図している。つまり、各章において検討された障害をめぐるさまざまな生活の局面は、障害のある人々だけの問題にとどまらず、子ども、女性、高齢者などが抱える課題や貧困問題等を、総合的(トータル)に考える想像力と実践力を涵養してくれるものであると考えている。
21世紀のわが国の障害福祉の状況を歴史的な検討を踏まえて概観すると、1949(昭和24)年の「身体障害者福祉法」の制定を黎明期として始まり、1960(昭和35)年に制定された「精神薄弱者福祉法」(現、知的障害者福祉法)、1970(昭和45)年に制定された「心身障害者対策基本法」、1993(平成5)年に心身障害者対策基本法から改正された「障害者基本法」などに基づく制度や施策を基底に置いて、これまでの約60年間にわたり、着実な発展を遂げてきた。
わが国ではこれまで障害福祉サービスは身体障害、知的障害、精神障害等、障害別の法体系・福祉制度によって実施されてきた。しかし、障害の種別を超えた障害保健福祉施策を総合化し、障害のある人の自立と社会参加を支援し、主体性・選択性が尊重されるサービスの提供が長年の課題とされてきた。
また、地域リハビリテーションや地域生活支援、障害特性に対応する専門性の確保、障害の重度化・重複化・高齢化への対応も検討課題とされてきた。このようななかで、障害福祉サービスの自己評価や第三者評価が導入され、障害のある人の権利擁護等も重要な今日的課題となっている。
さらに、障害福祉を包含する大きな領域として社会福祉基礎構造改革が検討され、日本社会の高齢化に伴い、2000(平成12)年には介護保険制度が実施され、それらの経過を踏まえて、2006(平成18)年度からは「障害者自立支援法」が施行されたところである。このように、わが国の障害福祉は現在、大きな転換期もしくは過渡期にあるのかもしれない。
本巻は、障害福祉制度を知識として理解するのみではなく、障害のある人のかかえている生活課題とそれを取り巻く環境の問題を正しく認識し、障害のある人の「ありたいと願う生活」の実現をめざす、自立支援・生活支援の具体的な援助方法(生活実態の把握から福祉文化まで)等を視野に入れて解説した点に特徴がある。
そして、本巻では「障害者福祉学」ではなく「障害福祉学」を、「障害者」ではなく「障害のある人」という用語をできるだけ使うようにした。なぜこのような言葉を用いたのか、その意図については、本巻をとおして正しく理解いただき、これからの障害福祉のあるべき方向性を考えていただけることを期待している。
さらに、本巻を手がかりに、障害福祉学の基盤形成の意義が確認され、障害福祉と障害児教育の担い手が自らの現場実践を幅広くとらえ、保健・医療・福祉・教育・労働分野間の連携の重要性を認識するための一助となることを期待している。同時に、「障害のある人」と「今、たまたま障害のない人」の関係性のあり方として提起される、意味のある〈対等な関係〉がもたらすものは何かについても是非、自らに問いかけてみていただきたい。
最後に、本書が、障害のある人にとっても、だれにでも、生活しやすい、真の豊かな地域社会(コミュニティ)を実現するための里程標となることを心から願っている。
2007年9月
筑波大学大学院
人間総合科学研究科
奥野 英子
結城 俊哉
著者プロフィール
奥野 英子(オクノ エイコ)
筑波大学大学院人間総合科学研究科(障害科学系)教授
青山学院大学文学部卒、日本女子大学大学院文学研究科社会福祉学専攻博士課程前期修了(社会学修士)、博士(心身障害学、筑波大学)、社会福祉士、介護支援専門員
日本障害者リハビリテーション協会、国立身体障害者リハビリテーションセンター主任生活指導専門職、厚生省障害福祉専門官を経て、現職
日本リハビリテーション連携科学学会常任理事、同学会・社会リハビリテーション研究会代表幹事、日本福祉心理学会理事、など
(単著)『社会リハビリテーションの理論と実際』誠信書房、2007年
(編著)『実践から学ぶ「社会生活力」支援——自立と社会参加のために』中央法規出版、2007年
(共著)『自立を支援する社会生活力プログラム——知的障害・発達障害・高次脳機能障害等のある人のために』中央法規出版、2006年など
結城 俊哉(ユウキ トシヤ)
筑波大学大学院人間総合科学研究科(障害科学系)准教授
中央大学文学部(哲学科教育学専攻・心理学専修)卒、筑波大学医療技術短期大学部(看護学科)卒、東洋大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士前期課程修了・社会学修士、博士後期課程修了・博士(社会福祉学)。千葉県精神科医療センター、中部女子短期大学、聖学院大学を経て現職
(単著)『生活理解の方法——食卓から社会福祉援助実践への展開』ドメス出版、1998年
(共編著)『社会福祉方法原論』法律文化社、1997年、『社会福祉方法原論の展開——現場実践を生きる』高菅出版、2007年
(共著)『ケアリングのとき—こころと手』中央法規出版、2005年、『障害科学の展開(第1巻)障害科学とは何か』明石書店、2007年など
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