アジア世論調査(2004)の分析と資料アジア・バロメーター 躍動するアジアの価値観
猪口 孝:編著, 田中 明彦:編著, 園田 茂人:編著, ティムール・ダダバエフ:編著
発行:明石書店
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B5判 608ページ 上製
定価:8,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2589-7 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年08月
書店発売日:2007年09月05日
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紹介

アジアの世論を理解し比較するための極めて重要な情報源として定着しつつある〈アジア・バロメーター〉調査。2004年調査は東・東南アジア13カ国を網羅。アジアの人々の生活状況、生活上の満足、政治的態度、経済状況などを理解するための貴重な資料集。

目次

推薦文(ラッセル・ダルトン、ハンス・ディーター・クリングマン)
本書によせて(ピーター・カッツェンスタイン)
序文(猪口 孝)
謝辞(猪口 孝、田中明彦、園田茂人、ティムール・ダダバエフ)
編者・執筆者一覧
ファクトシート
第1部 各国別分析
 序 章 躍動するアジアの価値観——アジア・バロメーター2004(猪口 孝)
 第1章 日本:都市部における価値観と生活スタイル(ティムール・ダダバエフ/田中明彦)
 第2章 韓国:転換期にある市民生活と市民的徳性(玄 大松)
 第3章 中国:中国の「調和社会」の物質的・精神的基盤評価(郭 定平)
 第4章 ベトナム:経済発展と生活水準の向上(ドウ・マイン・ホン)
 第5章 ミャンマー:比較社会文化の観点から見る暮らしと幸福(ミャット・テイン)
 第6章 ラオス:ありのままのラオス社会(ボンロアン・ドアンゲウン)
 第7章 カンボジア:紛争後の社会における信条と意見(ケアン・ウン)
 第8章 タイ:民主主義と人気のある指導者の権力(チャイワット・カムチュー/アーロン・スターン)
 第9章 マレーシア:文化的束縛の強い社会における高い満足度と政治的保守主義(ヨハン・サラバナムッチュ)
 第10章 シンガポール:緩やかな権威主義体制下でグローバル化する社会生活(園田茂人)
 第11章 インドネシア:変革のパラドクス(プラティクノ/イ・クツ・プトラ・エラワン)
 第12章 フィリピン:フィリピンの政治的雰囲気と社会経済状況(リディア・N・ユー・ホセ)
 第13章 ブルネイ:ブルネイ人の生活状況、希望、そして不安(ハジ・ハムザ・スライマン/堀田善宇)
第2部 テーマ別分析
 第14章 満足度の数量化(猪口 孝/堀田善宇)
 第15章 東アジアの幸福と満足の文化(真鍋一史)
 第16章 自分の子どもにどのような大人になってほしいのか(猪口 孝/岡田謙介)
 第17章 アジアの市民たちは政治的権利をどう評価しているか(マシュー・カールソン)
 第18章 東アジアの地域統合への道を探る(福島安紀子/岡部美砂)
第3部〈アジア・バロメーター〉資料編
 フィールド・リポート
 質問票
 図表
 索引

前書きなど

序 文
 10カ国を調査した2003年の〈アジア・バロメーター〉に引き続き、2004年の〈アジア・バロメーター〉調査は、東アジアと東南アジアの13カ国——ブルネイ、カンボジア、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイおよびベトナム——に焦点を当てる。こうした国々に焦点を当てることは、これら13カ国の東アジア・東南アジアの国々が、急成長を遂げるアジアを代表する国々であることを考えれば、なんら不思議ではない。これらの国々を調査する重要な目的の一つは、これら13カ国を取り巻く地域で、変化そのものが信じられないくらいのスピードで進行しているときに、その地域の人々の信条や価値観がどのように変化しているのかを観察することである。
 これら13カ国に焦点を当てることは、〈アジア・バロメーター〉調査が、アジアで起こっている変化を最も白日の下にさらけ出すことができ、その変化を理解しようと努力している方々に最も報いることができる調査であると認識して下さっている外務省アジア太洋州局地域政策課に理解され、同調して頂いた。ゆえに、2004年の〈アジア・バロメーター〉調査は、外務省から寛大な資金援助を頂いている。ほとんどの現地調査は、上述の13カ国で2004年夏に実施された。そこで用いられた方法論的手法と研究方法は、2003年の〈アジア・バロメーター〉調査で用いられたものと同じである。2003年の〈アジア・バロメーター〉調査と同様に、〈アジア・バロメーター〉ワークショップとシンポジウムが2005年3月14日から16日にかけて開催された。そこでは、各国事例研究と国際比較主題分析の両方が発表され、関係各国出身の研究者が参加した活発で建設的な議論が行われた。そのため、本巻は主に、2004年の〈アジア・バロメーター〉調査の成果として上述の会議において発表された論文の修正・校正版によって構成されている。〈アジア・バロメーター〉プロジェクトにおける前回の調査と同様に、本巻もアジアの普通の人々の日常生活に主な焦点をあてる。国際比較分析では、幸福と満足、地域的アイデンティティー、人権、中産階級、また両親が子供に何を望むのかといったような独特の問題まで注目する。
 過去・現在の調査に加えて、〈アジア・バロメーター〉プロジェクトは、さらに今後数年間のうちにいくつかの調査を実施する予定であり、文部科学省からそのための経済的支援と大変有難いご支持を頂いている。こうした財政的支援が得られたので、2005年の〈アジア・バロメーター〉調査が、南アジアと中央アジアの国々14カ国——アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、カザフスタン、キルギスタン、モンゴル、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ、タジキスタン、トルクメニスタン、およびウズベキスタン——で実施することができた。2006年には、東アジアの国々——中国(香港含む)、日本、韓国、シンガポール、台湾、およびベトナム——で調査を行う予定である。2007年には、この調査プロジェクトは、東南アジアの国々——ブルネイ、カンボジア、東チモール、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、およびタイ——も調査の対象にする予定である。そして、2008年の調査では、上述のそれぞれの小区域の中での主要な国々——日本、中国、インドネシア、インド、およびカザフスタン——で、2003年から2007年の調査で用いたものよりも大きな標本数で、より詳しい全国的な標本抽出を実施する予定である。
 この各年の調査の調査結果と分析は毎年公表する予定なので、我々と同じ学術的な関心を持つ研究者はそのデータ資料を入手することができる。〈アジア・バロメーター〉におけるこうした複数年の試みが終わった暁には、我々は、今までに調査した30カ国のデータを用いて、アジア地域で特に重要な諸問題について主題分析を実施した最終版を作成する予定でいる。方法論的観点から見れば、我々は、今までの調査で用いたものと、また2005年から2008年の調査で用いる予定でいるものと同じ質問票を使用するつもりだ。その結果、短期間に実施されたすべての調査を用いて、東・東南・南・中央アジアにおける30カ国を分析し比較することが可能となるだろう。

猪口 孝

著者プロフィール

猪口 孝(イノグチ タカシ)

中央大学政治学教授:東京大学名誉教授(マサチューセッツ工科大学博士号取得):前国際連合大学上級副学長:法制審議会会員:日本学術会議会員:Japanese Journal of Political Science(Cambridge University Press)編集長:Asian Consortium for Political Science理事長。国際コミュニケーション基金研究最優秀賞受賞(2007年)。

田中 明彦(タナカ アキヒコ)

東京大学大学院情報学環教授(東洋文化研究所教授兼任)。1977年東京大学教養学部卒業後、マサチューセッツ工科大学より1981年に政治学博士号取得。専門は、国際政治学、現代東アジア国際政治など。

園田 茂人(ソノダ シゲト)

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授(東京大学社会学修士):中国社会文化学会理事、朝日アジアフェロー。専門は、中国の社会変動、アジアの文化変容と階層比較、日本企業のアジア進出など。

ティムール・ダダバエフ(ダダバエフ,ティムール)

筑波大学人文社会科学研究科准教授(立命館大学国際関係学博士号取得)。専門は、中央アジアの国際関係。UNESCO小渕恵三基金研究員(2001-2002年):日本学術振興会外国人特別研究員(大阪:国立民族学博物館、2002-2004年):国連大学秋野豊基金フェロー(2004-2005年)、東京大学東洋文化研究所助教授(2005-2006年)を経て現職。2003年、第19回佐藤栄作総理大臣賞最優秀賞受賞(佐藤栄作記念国連大学協賛財団)。主な研究対象は、中央アジアの国際関係・政治。最近の著書は、『マハッラの実像——中央アジアの社会と文化の変容』(東京大学出版会、2006年)、Towards Post-Soviet Central Asian Regional Integration: A Scheme for Transitional States(Akashi Shoten、2004年)など。

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