女性と経済ジェンダー白書5
北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”:編
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 360ページ 並製
定価:2,400円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2541-5 C0336
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年05月
書店発売日:2007年05月14日
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紹介

ジェンダーの視点から現代社会が直面する問題を問い直す好評のシリーズ。第5弾ではこれまでの集大成として,私たちの生そのものを深く規定する「経済」を追究する。グローバリゼーション下での市場主義の論理をいかに乗り越えるか,処方箋を提示する。

目次

はじめに(羽瀬川順子)
特集 女性と経済
 〈座談会〉「身近な経済」——暮らしをめぐる実感も二極化
  〈座談会を終えて〉女性の貧困はなぜ見えないのか——座談会が映す格差の実態(竹信三恵子)
 〈総論〉経済危機とジェンダー(大沢真理)
 新自由主義的なグローバル化とジェンダー平等(ダイアン・エルソン/訳:市井礼奈/監修:大沢真理)
  ——オルタナティブを求めて
 ジェンダー予算(大崎麻子)
  ——人間開発とジェンダー平等達成のための政策的手段
 香港における再生産労働の国際移転(伊藤るり)
  ——深化するグローバリゼーションと〈ジェンダー平等〉の課題
 〈コラム〉ジェンダー平等と平和が不可欠な持続可能な開発のための経済社会システム
  (ワンガリ・マータイ/訳:力武由美)
 「非正規雇用」のまん延が促す身分格差の拡大(鹿嶋 敬)
  ——新聞の報道姿勢の分析を中心に
 男女共同参画社会と賃金の平等戦略(森 ます美)
 福祉・雇用政策の再編の中で男女共同参画社会を考える(若森章孝)
  ——新自由主義的福祉政策は超えられるか
 生活保護改革と自立支援論(菊地英明)
  ——見落とされた母子世帯への所得保障の視点
 〈インタビュー〉市場経済と言葉と(アーサー・ビナード/聞き手:力武由美)
 自由から尊厳へ(永田えり子)
 近代の「貨幣文学」から見た男女共同参画(仲正昌樹)
 市場(スーク)の中のお母さん(松井彰彦)
 「働く」ことは社会参加の条件か?(小林洋幸)
 〈インタビュー〉男女共同参画社会のあるべき経済活動とは(残間里江子/聞き手:羽瀬川順子)
  ——女性経営者としての経験から
 オルタナティブな経済活動が市場に与えるインパクト(力武由美)
書誌情報
 キーワードでつかむジェンダー問題最前線
資料集——「女性と経済」関連法文書・関連資料
 「女性と経済」関連法文書
 経済活動のジェンダー不平等(『人間開発報告書二〇〇五』より)
索 引
執筆者等紹介

前書きなど

はじめに
 北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”は、男女が共にさまざまな分野で社会の発展を支えながら男女共同参画社会の実現をめざす「活動」と「交流」そして「情報」の拠点施設として、一九九五年に開所しました。以来一二年間、“ムーブ”では、「知る」「交わる」「考える」「生まれる」をキーワードに多彩な事業を展開しています。
 その一つであります『ムーブ叢書 ジェンダー白書』は、男女共同参画社会の実現の障害となる課題を明らかにし、解決の方向性を探るとともに、国内外に情報発信することを目的に発刊しているものです。五冊目の配本となります今回の『ムーブ叢書 ジェンダー白書5』は「女性と経済」を特集しました。
 「女性と経済」は、一九九五年の国連第四回世界女性会議において採択された「北京行動綱領」の一二の最重要課題の一つとして取り上げられて以来、二〇〇〇年開催の国連特別総会「女性二〇〇〇年会議」における「政治宣言」「成果文書」においても、また二〇〇五年開催の第四九回国連婦人の地位委員会「北京+10」ハイレベル会合において採択された「一〇本の決議」においても、緊急な課題領域として設定されました。
 その背景には、一九九〇年以降の経済のグローバル化の急速な進展に伴い、新自由主義政策による市場経済が重視される一方、貧困や暴力、ジェンダー・階級・人種/民族間の格差や不平等、人権や環境、福祉や少子高齢化など多くの経済・社会問題が頭をもたげている状況があります。これらの問題の解決のためには、「人種/民族」「階級」を包含する「ジェンダー視点」を中心にすえた経済社会の仕組の再構成が必要です。
 このように多様化・複合化した「経済」の領域のジェンダー課題に対峙するため、本号では次の二点のことを試みました。まず一つ目は、これまでに刊行した四冊の『ムーブ叢書 ジェンダー白書』で取り上げた特集テーマ「女性に対する暴力」「女性と労働」「女性とメディア」「女性と少子化」でそれぞれ浮かび上がってきたジェンダー課題を「女性と経済」という視点で捉え直し、考察の上、統合していることです。二つ目は、座談会で出された、さまざまな立場の市民の皆様が日常生活の中で感じている「お金」に関する「声」を基本にすえ、男女共同参画社会のあるべき経済のあり方、仕組、そして政策はどのようなものかを、多様な執筆陣の専門的な見地から分析、展望した示唆に富む情報提供および政策提言をしていただいていることです。
 本書が一般の皆様を始め、男女共同参画センター・女性センターや地方自治体で男女共同参画行政にたずさわる方々、ジェンダーについて学んでいる学生や研究者の方々に広く活用していただき、男女共同参画社会の形成がより一層推進されることを願っています。

二〇〇七年三月
北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”所長 羽瀬川 順子

関連リンク

北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”HP

著者プロフィール

北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”(キタキュウシュウシリツダンジョキョウドウサンカクセンター“ムーブ”)

 1995年7月、男女共同参画社会の実現を目指す活動と情報発信の拠点施設として北九州市立女性センター(愛称:ムーブ)の名称で開所。2002年4月、「北九州市男女共同参画社会の形成の推進に関する条例」の施行に伴い、名称を北九州市立男女共同参画センターと改称。市民参画のもとで、“知る・交わる・考える・生まれる”をコンセプトに、情報収集・提供、講座・講演会、企業等対象のセクハラ防止研修、市民活動支援・連携、相談などさまざまな事業を展開している。

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