発行:明石書店
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A5判 292ページ 上製
定価:3,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2535-4 C0331
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年03月
書店発売日:2007年04月12日
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紹介
グローバル化と技術革新に伴い,多様なリスクに晒されるに至った現代社会の危機管理。組織の危機管理,政策決定,政軍関係等を検討し,経済生活のグローバル化と安全保障上のリスクの関連を様々な角度から分析。国内・国際社会で法がいかに対応すべきかを論じる。
目次
はしがき(村井友秀・真山 全)
第1部 組織と危機管理
第1章 政策における科学と価値
──アリストテレスの知の復権(鎌田伸一)
第2章 昭和前期の戦争指導機構に関する組織類型論的考察
──危機管理に適した組織特性とは(佐藤耕紀)
第3章 企業の持続的成長と危機管理(加藤 健)
第4章 ポストモダン軍隊論の射程
──リスク社会における自衛隊の役割拡大(河野 仁)
第5章 日本にシビル・ミリタリー・ギャップは存在するか?
──自衛隊・文民エリート意識調査の結果から(彦谷貴子)
第2部 安全保障と経済学
第6章 テロリズムの経済学的分析
──合理的個人による思想と行動の過激化について(清水寛文)
第7章 グローバル公共財としての地球秩序の生成と崩壊過程(ライフサイクル・プロセス)の解明(藤本 茂)
第8章 格差社会と軍事支出(深谷庄一)
第9章 戦争とピグー、ケインズの経済学
——戦費調達をめぐって(武藤 功)
第3部 社会的リスクと法的秩序
第10章 安全保障理論としての立憲主義
——「国家からの自由」と「国家による自由」の狭間で(山中倫太郎)
第11章 婚外子(非嫡出子)の法定相続分(石渡 哲)
第12章 国際法秩序と「国家行為免責」理論、軍律
——国際法における上官命令抗弁(佐藤宏美)
第13章 防衛大学校の学生および教職員ならびに施設の武力紛争法上の地位(真山 全)
索 引
前書きなど
はしがき
平成19年(2007年)は、防衛大学校社会科学教室の管理学科および国際関係学科による教育開始から33年目にあたる。両学科は、平成12年(2000年)に学群制導入に伴い人文社会科学群内の公共政策学科と国際関係学科となったが、この2学科は、社会科学分野の隣接領域を担当しており、従前より密接な関係にある。また、平成19年は、同大学校総合安全保障研究科の教育開始から10年目の年でもある。同研究科は、戦略科学と国際安全保障の2コースを持ち、そこでは、上記2学科教官が安全保障を中心とした修士課程の教育を行っている。
創設から30周年を過ぎたこれら両学科および教育開始から10年目を迎えた研究科は、この際合同して記念論文集を刊行することとなった。しかし、単に経年の要素のみから本記念論文集刊行を企図したわけではない。安全保障情勢の大きな変化に伴い、社会科学の観点から分析し直さなければならない問題が多数生じている。かかる必要性に鑑み、安全保障に係わる諸問題を改めて整理し、それを理解するための視点と分析方法を提示することを目的として本書が刊行された。
安全保障学は、新しい学問分野である。これを政治学、経済学、社会学や法学と並ぶ独立した新分野であると認識しうるかは、なお議論がある。安全保障に関する研究が既存学問分野の雑多な集合体であるとしても、雑多なものを集合せしめる契機を探ることは、意味のあることである。本書は、こうした安全保障に関する研究の総合に向けての里程標たることを目指している。
冷戦後の新しい国際環境において、様々な分野でのグローバル化が進展する中、世界の中の日本や歴史の中の今をいかに理解すべきかが問われている。こうした関心に応え、現代の国際環境と現代日本社会の理解に示唆を与えるべく、本書は、安全保障という共通の視点からその現代的意義を多角的に考察することを目的とする。
本書は、第1分冊『現代の国際安全保障』および第2分冊『リスク社会の危機管理』から構成される。第1分冊は、ポスト冷戦期に生じた脅威と、それに応じた安全保障体制の変容を多角的に分析するもので、その第1部「新しい脅威と安全保障体制の変化」では、冷戦期の安全保障体制が変化を迫られている様が語られている。これを受けて第2部「地域安全保障の新展開」は、圧倒的な国力を持つ米国の動きを分析し、アジア、中東等の地域安全保障の説得的な議論を提供している。第3部「国際安全保障の歴史的検証」においては、過去の安全保障体制の失敗や問題点の今日的意義が考察される。
第2分冊は、グローバル化と技術革新に伴い、多様なリスクに晒されるに至った現代社会の危機管理に焦点をあてている。第1部「組織と危機管理」では、組織の危機管理および政策決定、ならびに政軍関係等に関し理論と実践の両面から検討が加えられている。第2部「安全保障と経済学」は、経済生活のグローバル化と安全保障上のリスクの関連が様々な角度から分析される。最後の第3部「社会的リスクと法的秩序」においては、国内社会と国際社会のそれぞれにつき、新たな状況のもとで法がいかに対応すべきかを論じている。
本書は、そのタイトルの通り、安全保障学なる学問分野の最前線を示すものであり、記念論文集の形態をもってこれを研究者、学生および市民に提示することができたことは、全関係者の慶びとするところである。
平成19年(2007年)3月
防衛大学校人文社会科学群長 村井 友秀
防衛大学校総合安全保障研究科教務主事 真山 全
著者プロフィール
村井 友秀(ムライ トモヒデ)
1949年生。東京大学大学院社会学研究科博士課程国際関係論専攻満期退学、人文社会科学群長・国際関係学科・教授、東アジア安全保障専攻。
真山 全(マヤマ アキラ)
1957年生。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学、総合安全保障研究科教務主事・国際関係学科・教授、国際法専攻。
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