高次脳機能障害を生きる人と家族のためにQ&A 脳外傷 【第2版】
NPO法人日本脳外傷友の会:編
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 160ページ 並製
定価:1,400円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2486-9 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年02月
書店発売日:2007年02月14日
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紹介

「脳外傷」「高次脳機能障害」とは何か,後遺症は,リハビリの方法は,復学・復職への路は…。脳に傷を負い迷い悩む人やその支援者の疑問・不安に答え,希望をつむぐガイドブック。障害者自立支援法・社会保障・支援団体についてなど,内容一層充実の第2版。

目次

まえがき
第1章 脳外傷とは何か
 Q1 脳外傷とは何ですか
 Q2 脳外傷を起こす原因と患者の世代はどのようになっていますか
 Q3 後遺症にはどのようなものがありますか
 Q4 高次脳機能障害とはどういうことですか
 Q5 てんかん発作との関係はありますか
 コラム TIME 明日の空へ
第2章 医療と社会保障
 Q6 適切な病院はどのように探したらよいですか
 Q7 相談機関にはどのようなものがありますか
 Q8 高次脳機能障害者のケアマネジメントはどのように行われますか
 Q9 福祉制度では脳外傷による高次脳機能障害はどのように位置づけられていますか
 Q10 高次脳機能障害の法的認定と障害手帳の制度はどのようになっていますか
 Q11 利用できる福祉サービスにはどのようなものがありますか
 Q12 経済的な保障制度はどのようになっていますか
 Q13 高次脳機能障害は公的年金制度の対象になりますか
 Q14 脳外傷・高次脳機能障害に伴う医療保険はどのように処理されるのでしょうか
 Q15 遷延性意識障害者の社会的状況や支援制度について教えてください
 Q16 契約や財産管理がむずかしい本人を守ってくれる制度はありますか
 Q17 脳外傷に関わる研究機関はありますか
 コラム 作業所でいきいきと
第3章 リハビリ・家族
 Q18 リハビリテーションにはどのようなものがありますか
 Q19 家族でもできる高次脳機能障害の訓練方法を教えてください
 Q20 社会的行動障害にはどのように対応したらよいですか
 Q21 在宅のケアに対して支援の道はありますか
 Q22 学校に復帰する場合の問題点は何ですか
 Q23 就労に際してどのような問題がありますか
 Q24 就労を支援するにはどのような方法がありますか
    また、どのようなところに行けば支援が受けられますか
 Q25 地域生活に復帰するために必要なことは何ですか
 Q26 脳外傷の当事者団体や家族の会は、最近各地に設立されているようですが、どのような活動をしているのでしょうか
 Q27 日本脳外傷友の会の活動について教えてください
 コラム グループホーム奮闘中
第4章 世界の状況
 Q28 アメリカの脳外傷への対応はどうなっていますか
 Q29 イギリスでも脳外傷に対する取り組みはあるのですか
 Q30 オーストラリアにはどのような取り組みがありますか
 Q31 国際脳損傷協会はどのような活動をしているのですか
 コラム 元気になって!!
あとがき
【巻末資料】
 脳外傷関連の出版物
 日本脳外傷友の会 正会員団体一覧
 日本脳外傷友の会 準会員団体一覧
 高次脳機能障害支援モデル事業(2004〜05年度)地方支援拠点機関等一覧
 日本脳外傷友の会関連団体が運営する作業所・デイサービス一覧

前書きなど

まえがき
 初版の『Q&A脳外傷——本人と家族のためのガイドブック』を2001年3月に上梓してから、すでに6年が経ちました。当時は「脳外傷」ということばも「高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)」ということばも、まったく世間の方々に知られていませんでした。それに比べると今では、「高次脳機能障害」ということばもかなり社会的認知を得てきたように思われます。
 それは、2001年4月から始まった厚生労働省による「高次脳機能障害支援モデル事業」(2001〜05年度)にもよりますが、各地に脳外傷友の会や高次脳機能障害家族の会などの関連団体が結成され、活発な活動を展開してきたこと、それに伴いマスコミによる社会啓発が進んだ結果であるといえましょう。
 残念ながら、今日にあっても交通事故や労災事故などは日々起こっています。救命救急医療の進歩は目覚ましいものがあります。数年前には交通事故の年間死亡者数は1万人を超えていましたが、2005年には、6000人台に減少しました。すばらしいことです。しかし事故件数は減っていないのです。ということは、後遺症者の数は、増大しているということになります。
 今日も、どこかの救急病院の待合室には、不慮の事故や病気で入院中の方のご家族が胸も張り裂けそうな気持ちで座っておられることでしょう。
 この本をご覧になっているあなたもそういうご家族のお一人かもしれません。
 あるいは、救命され退院を迫られて、どこかリハビリテーション病院に転院できないかと情報を集めておられる方かもしれません。また、退院して自宅に戻られても、受傷前の様子とすっかり変わってしまった息子さんや娘さん、夫や妻の姿に困惑して、必死で情報を集めておられるのかもしれません。
 また、そういうご家族から相談を受けている熱心な専門家や援助者のお一人かもしれませんね。
 この本は、同じような経験をしてきた当事者団体や家族の会の連合体である「日本脳外傷友の会」が編集しました。私たちも、わからないことばかりで途方に暮れていました。多くの不安に押しつぶされそうになっていました。
 今日では、各地に多くの当事者団体や家族の会が結成されています。お近くの会にご相談いただければ、何かお力になれるかもしれません。
 障害者自立支援法の制定により、市町村における相談支援の役割も増しています。窓口に相談に行く時に、本書がお役に立つかもしれません。インターネットのホームページにも、たくさんの情報が載るようになりました。出版物も多く出回っています。それらの情報もできる限り掲載しました。
 脳の時代といわれるように、脳そのものも注目されています。かつては、一度傷ついた脳細胞は修復できないとされていました。しかし今日では、脳は可塑性があり早期のリハビリテーションによってかなり神経細胞の修復が可能であるといわれるようにもなってきました。希望は失いたくありません。まだまだ未解明な部分もたくさんあります。それほど脳は不可思議で大切な臓器です。不慮の事故や病気で、心ならずもその大切な脳に重大な損傷を受けてしまった方々とそのご家族、支援者の方々にとって、本書が少しでもお役に立てば幸いです。
 長い間「谷間の障害」といわれてきた、脳外傷および高次脳機能障害を持つ方々への支援普及事業ということばが、初めて障害者自立支援法施行令に記載されました。この時期に本書が世に出ることは意義深いことと思います。当会も2006年にNPO法人として新たな出発をし、さらに全国各地に友の会ネットワークを拡大して協力し合い、谷間にある障害問題の解決に努力したいと思っています。そして、読者のお一人お一人のご協力、ご支援も賜りたいと存じます。

2006年12月
NPO法人 日本脳外傷友の会 東川悦子

著者プロフィール

NPO法人日本脳外傷友の会(ニホンノウガイショウトモノカイ)

 日本脳外傷友の会は2000年4月、3つの地方友の会の連合体として発足しました。結成当時、脳外傷・高次脳機能障害は国や地方自治体の支援もなく、「谷間の障害」と呼ばれていました。そうした状況を打開したい一念から、毎年各地で全国大会を開催し、厚生労働省や国土交通省に当事者救済を訴えてきました。
 2006年12月現在では、全国に17の正会員団体、11の準会員団体を擁する組織にまで成長し、特定非営利活動法人(NPO)となりました。
 各地の友の会は、当事者や支援者の様々な相談に応じる他、当事者・支援者同士の交流情報発信、行政への交渉、作業所等の自主運営、就労支援等に取り組んでいます。
 今後、さらに全国各地にネットワークを拡大して協力し合い、谷間にある障害問題の解決に努力したいと思っています。

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