医療制度改革の新たなフレームワーク医療保障法
井原 辰雄
発行:明石書店
この版元の本一覧
A5判 208ページ 上製
定価:3,300円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2429-6(4-7503-2429-9) C0032
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年10月
書店発売日:2006年10月18日
※送料は無料です
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA/Master)がご利用になれます
Tags: none

他のオンライン書店で購入※リンク先の書店では、お取り扱いしていない場合があります。あらかじめご了承ください

アマゾンboople.com紀伊國屋BookWebブックサービスビーケーワンセブンアンドワイ
e-hon楽天ブックス文教堂Jbooksライブドアブックス本やタウンYahoo!ブックス

紹介

少子化・高齢化が進展するにつれて,医療技術の進展,経済成長の鈍化による国民の医療費の負担増加がますます大きな問題となってきている。本書は,医療保障の最終的な受益者は個人であるという認識に立ち,医療保障制度の課題を考察しようとするものである。

目次

はしがき
序章 医療保障法の概念
 1 医療保障とは
 2 医療保障法における「法」とは
第1章 医療保障法の枠組み
 1 制定法による枠組み
 2 保障内容による枠組み
 3 我が国の医療保障制度を考察する視点
第2章 利用可能性
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「利用可能性」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第3章 無差別
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「無差別」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第4章 物理的アクセス可能性
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「物理的アクセス可能性」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第5章 経済的アクセス可能性
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「経済的アクセス可能性」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第6章 情報アクセス可能性
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「情報アクセス可能性」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第7章 受容可能性
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「受容可能性」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第8章 医療の質
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「質」の規範的内容からみた医療保障法の課題
第9章 参加
 1 規範的内容
 2 締約国の義務の性格
 3 国内施策の現状と課題
 4 「参加」の観点からみた医療保障法の課題
資料
 資料1 社会権規約委員会一般的意見14(英文・抜粋)
 資料2 平成18年度医療制度改革関連法の施行スケジュール

前書きなど

はしがき
 現在、我が国を含む先進諸国においては、少子高齢化の進展、医療技術の進歩、経済成長の鈍化等により医療保障制度の持続可能性の確保が政策課題となっており、また、患者の権利意識の高まりの中で医療の質に対する関心が高まっている。このような中、近年、各国において医療保障制度改革が行われてきており、我が国においても「安心、信頼の医療の確保と予防の重視」、「医療費適正化の総合的な推進」、「超高齢社会を展望した新たな医療保険制度体系の実現」を基本的な考え方として、平成18年(2006年)度医療制度改革が行われたところである。
 しかしながら、医療制度改革における議論は、ややもすると医療財政の議論が主となりがちである。OECD(経済協力開発機構)は、医療政策の基本的目標として、Efficiency、Effectiveness、Equity、Empowermentを挙げている。また、WHO(世界保健機関)は2000年のWorld Health Reportにおいて、保健医療制度の目標として、good health、responsiveness to the expectations of the population、 fairness of financial contribution の3つを挙げている。確かにこれらの目標には、個人の視点が含まれているものの、医療保障の主体たる個人の位置付けがあいまいであり、マクロの制度論に主眼が置かれていると思われる。
 そこで、本書は、医療保障の最終的な受益者は個人であるという認識に立ち、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第12条に規定される「健康権」を基礎に、同規約の義務履行という観点から我が国の医療保障制度の課題を考察しようとするものである。
 本書のタイトルは『医療保障法』であるが、むろん、医療保障法の体系書ではない。また、我が国の医療保障制度の課題を網羅的に取り上げて議論を行っているわけでもない。
 むしろ、医療保障制度改革の議論の新たな枠組みを提示し、その枠組みに沿って、試行的に現行医療保障制度の課題のいくつかを議論するものである。
 具体的には社会権規約委員会の一般的意見14に記載された「健康権」の規範的内容を枠組みとして考察を行うものである(第2章以降の章立てはその規範的内容に沿ったものである)が、その内容が具体的であるとは言い難い。本書では、ILO(国際労働機関)の勧告、条約等も参照しつつ、その具体化を試みたが、今後は、本書においては参照を控えた欧州人権条約など地域条約の内容、各国の医療保障法の考察を通じて、その規範的内容をより具体化していくことが必要であると考える。また、国内医療保障制度の考察も、より網羅的に行っていく必要がある。
 これらの課題を重々認識しつつ、筆者の九州大学在任期間2年の中で、不完全ながら、今後の医療保障制度改革の議論の枠組みを提示すべく、本書を取りまとめたものである。
 本書のベースは、平成17年(2005年)度九州大学大学院医学系学府医療経営・管理学専攻専門職学位課程における「医療保障法」の講義、平成18年(2006年)度同法学府における「社会保障法」のゼミの参考資料として筆者がまとめたもの(一部、日本社会保障法学会第48回大会の報告内容を含む)である。医療保障制度の基礎的な理解があることを前提とした記述となっているため、わかりにくい部分もあると思われる。医療保障制度、社会保障制度の概説書を横において、読まれることを希望する。

2006年6月
井原辰雄

著者プロフィール

井原 辰雄(イハラ タツオ)

1964年 広島県生まれ。
1987年 厚生省入省。
1990年 London School of Economics and Political Science, LL. M. 修了。
1996年8月—1998年6月 OECD医療政策室勤務。
2004年8月—2006年7月 九州大学大学院法学研究院助教授。
2006年9月 内閣法制局第1部参事官。
[著書]
 鬼■信好(■は崎の大が立)編集『四訂 社会福祉の理論と実際』(共著)「第6章 生活問題と社会保障」中央法規、2006年。
[訳書]
 OECD編著『世界の社会政策の動向』明石書店、2005年。
[論文]
 「社会保障分野における政策立案・実施に関する経済協力開発機構(OECD)の活用方策」『週刊社会保障』No.2125(2001.10.8)pp. 48-51。
 「「健康権」と「患者の自己決定権」についての一試論」『週刊社会保障』No.2165(2001.12.17)pp. 54-57。「高齢化に関する国際行動計画の法的位置付けと高齢者の健康権について」『週刊社会保障』No.2203(2002.9.30)pp. 48-51。
 「医療情報開示に関する一考察」『自治体学研究』第86号(2003.3.31)pp. 32-37。
 「OECD“A System of Health Accounts”準拠の医療費推計に関する研究」『医療経済研究』第13巻(平成15年[2003年]7月)pp. 71-106(共同研究)。
 「オランダにおける高齢者および障害者に対するケアに関する施策について」『海外社会保障研究』No.154(Spring 2006)pp. 26-36。
 「社会保険における被保険者の位置付け——医療保険法を中心に」『社会保障法』第21号(2006年)pp. 109-122。

※送料は無料です
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA/Master)がご利用になれます


コメントとトラックバック »

まだコメントとトラックバックはありません

TrackBack URI : http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7503-2429-6.html/trackback/

コメントをどうぞ

▲ページの上端へ