「君が代」の本歌は挽歌だった「君が代」の起源
藤田 友治:編著, 歴史・哲学研究所:編著
発行:明石書店
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四六判 208ページ 上製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2037-3(4-7503-2037-4) C0021
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年01月
書店発売日:2005年01月22日
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紹介

「君が代」はほんとうに天皇賛美の歌なのか。「日の丸」の起源を万葉集までさかのぼり,挽歌としてのその本質を明らかにする。学校現場での強制が進むなかで,議論に一石を投じるユニークな「君が代」論。

目次

序文 画期をなす「君が代」の本質の解明(山本晴義)
《第一部 対談篇》
「君が代」の源流をめぐって——「賀」の歌でなく「挽歌」であった(藤田友治+梅川邦夫+久保下多美子)
 一、「君が代」の経過と最近の情勢
 二、「君が代」の制定
 三、「君が代」挽歌論
 四、「君が代」の源流の歌
 五、古代人と現代人の死生観
 六、戦争で亡くなった人々への想い
《第二部 論文篇》
1 「君が代」の源流(藤田友治)
 一、「君が代」の由来
 二、「君が代」讃歌の二重構造
 三、入来神舞の構造
 四、生き続ける「石」・「珠」信仰
 五、鍾乳洞起源説
 六、「君が代」と教育
2 「君が代」考(溝口貞彦)
 一、「さざれ石の巌となりて」について
  1 問題の所在
  2 平安人の考え方
  3 歌詩の思想的背景
 二、この歌の基本的性格
  1 挽歌と賀歌
  2 用語の検討
  3 蓬莱山思想との結びつき
 三、その後の「君が代」をめぐる動き
3 「君が代」の二重構造——挽歌から讃歌へ(藤田友治)
 一、はじめに
 二、「君が代」の源流を訪ねて
 三、「君が代」の分析と『万葉集』
 四、「君が代」論の反響—讃歌と挽歌—
 五、挽歌と相聞歌
 六、久米の若子
 七、戦闘する紀氏集団の悲劇
 八、挽歌を賀の歌に変容させた紀貫之
 九、古代人の死生観——転世
 一〇、まとめ
4 『万葉集』の死生観(梅川邦夫)
 一、死後の世界への想い
 二、現身と自然
 三、日常と死
 四、死と魂
 五、挽歌と相聞歌
 六、霊魂から祖霊、そして神へ
 七、まとめ
資料 「君が代」関係年表
参考文献
あとがき
執筆者紹介

前書きなど

あとがき 一  「君が代」の歌詞はどこからきたのだろうか。その歌の源流を根本的に検討してみた。果たして、そもそも「祝い」の歌であろうか。われわれの先入観を問い質(ただ)してみた。  「君が代」は『古今和歌集』巻七、「読み人しらず」にあるのはよく知られている。しかし、本書で明らかにしたように『万葉集』、『古今和歌集』をはじめさまざまな検討を重ね、研究してみると「君が代」はそもそも賀の歌ではなく、元来は死者を悲しんで、枢を挽くときにうたわれる「挽歌」であった。 本歌『万葉集』 挽歌 妹が名は 千代に流れむ 姫島の 子松が末に 苔生すまでに(二二八)         が、歴史・哲学研究所にて各論文を読みこんだうえに対談をおこなったものである。 (中略)  第二部は1の藤田論文を起点として、「君が代」の歌詞への問いと二重構造論を溝口氏が2で根本的に受け止められて挽歌論へ発展した画期をなすものである。さらに、3で藤田は「君が代」の源流と挽歌論を日本古代史上の謎が多い紀氏の歴史の解明とあわせておこなった。4の梅川論文は歴史・哲学研究所にて三年間、毎月行ってきた折口研究・『万葉集』の研究をまとめたもので、本書の挽歌論の背景にある『万葉集』の死生観を明確にしている。 三  本書はさまざまな方法を用いて「君が代」へのアプローチをしている。文学上の『万葉集』・『古今和歌集』はもとより、「君が代」の源流を考察している。考古学、東洋思想、道教、哲学等を含めテーマに対し、あらゆる学を用いて総合的に解明しようとしている。それが本書の特徴であり、読者へのメッセージである。戦いで死んで逝った人々に想いを刻み、無惨に逝った人々への挽歌を現在、こともあろうに「賀」の歌として、しかも強制されて歌う生徒・学生が「不幸」と感じるのは私たちだけだろうか。「君が代」論の議論が真剣に起こることを期待したい。

著者プロフィール

藤田 友治(フジタ トモジ)

一九四七年大阪府生まれ。関西学院大学文学部卒業、立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。大阪府立佐野工業高等学校・定時制課程日本史教諭、大阪経済大学非常勤講師、アジア研究所(大阪経済法科大学)客員研究員、歴史・哲学研究所所長。<br>著書:『好太王碑論争の解明』(新泉社、一九八六年、韓国版・二〇〇四年)。『倭国の源流と九州王朝』(共編著、新泉社、一九九〇年)。『「君が代」、うずまく源流』(共編著、新泉社、一九九一年)。『天皇陵を発掘せよ』(共編著、三一新書、一九九三年)。『三角縁神獣鏡』(ミネルヴァ書房、一九九九年)。『前方後円墳——その起源を解明する』(同上、二〇〇〇年)。『古代日本と神仙思想』(五月書房、二〇〇二年)ほか、著書・論文多数。

歴史・哲学研究所(レキシテツガクケンキュウジョ)

研究テーマは歴史では天皇陵、前方後円墳、三角縁神獣鏡、好太王碑など。哲学では天皇制・皇国史観批判、西田幾多郎、ヘーゲル、フォイエルバッハ、マルクスなど。文学では万葉集、折口信夫など。中国や韓国の研究者とも交流している。<br>歴史・哲学研究所の関係する図書<br>『好太王碑論争の解明』(新泉社、1986年)、『三角縁神獣鏡─その謎を解明する─』(ミネルヴァ書房、1999年)、『天皇陵を発掘せよ』(共著、三一新書、1993年)、『続・天皇陵を発掘せよ』(共著、三一新書、1995年)、『古代天皇陵をめぐる』(三一新書、1997年)、『知識人の天皇観』(共著、三一書房)、『前方後円墳─その起源を解明する─』(ミネルヴァ書房、2000年)、『古代日本と神仙思想』(五月書房、2002年)、『日本の教科書の歴史観を問う』(論創社、2002年)、舩山信一『ひとすじの道』(三一書房)、河田光夫『親鸞と被差別民衆』(明石書店)、「木村英雄・村田恭雄のインタビュー」(『教師の眼から見た戦後史』明石書店)など。<br>また、研究所の研究者の発行する図書の紹介・販売や講師の派遣をしている。連絡は次のところへ。<br>〒599-0301 大阪府泉南郡岬町淡輪5826-7 歴史・哲学研究所<br>TEL・FAX 0724(92)2974

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