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法と動物 青木 人志(著) - 明石書店
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法と動物 (ホウトドウブツ) ひとつの法学講義

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発行:明石書店
四六判
248ページ
上製
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-7503-1894-3   COPY
ISBN 13
9784750318943   COPY
ISBN 10h
4-7503-1894-9   COPY
ISBN 10
4750318949   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0032  
0:一般 0:単行本 32:法律
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2004年3月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2011年2月8日
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紹介

動物と人間社会との接点でおきる様々な問題を法律はどのように規定しているのか。ペットとしての動物,財産としての動物,実験動物,野生動物……。人間は動物とどのように接し,動物をどのようにとらえているか。動物を通してみたわかりやすい法学入門。

目次

序章/法の密林に動物を探す ―本書のねらい

第1部・裁判にあらわれた動物たち

第1章/迷惑な動物たち
 ○裁判にあらわれた動物たち
1 咬みつき被害
2 動物の挙動による損害
3 生活妨害

第2章/財産としての動物たち
1 高価な競走馬
2 チャンピオン犬と交配料
3 長尾鶏は著作物?
4 経済的価値と動物保護活動の衝突
5 獣医療過誤

第3章/愛される動物たち
1 動物の死傷についての慰藉料
2 集合住宅での動物飼育
3 動物虐待罪

第2部・動物法の新展開と将来の課題

第4章/動物法の新しい動きと課題
「動物の愛護及び管理に関する法律」の成立/法改正のポイント/法定刑の引き上げと保護対象動物の拡大/動物愛護管理法に残された問題/犬猫の引き取りと殺処分の問題/引き取り数と殺処分を減らす方策/引き取られた動物の「利用」は許されるのか?/動物実験問題の論じ方/わが国の動物実験についての法規制/比較法的にみた日本の動物実験規制/ふたたび「実験動物施設への払い下げ」の問題を考える/有害駆除されたニホンザルの実験利用の問題/動物実験をめぐる法規制をどうするか?

第5章/「動物の権利」を語ることは可能か?
民法上の「人・物二元論」/ヨーロッパの動向/「物から人へ」という潮流の存在/「動物の権利」という言葉が感じさせる違和感/伝統的な法学世界観(人・物二元論)と抵触する/「権利」という言葉の多義性/「動物の権利」の具体的内容がはっきりしない/「動物の権利」論は訴訟との接点がない/「新しい権利」の生成メカニズムを作動させる条件が整っていない/「動物の権利」論は立法論なのか解釈論なのか?/「動物の権利」という言葉に固着したイメージ/「法人論」をまずは議論の土俵に ―わたしの提案/フランスにおける「動物=法人」論/わが国への応用可能性/動物法と動物の権利の将来

あとがき

前書きなど

序章 犬、猫、小鳥といったペット動物と一緒に暮らした経験をもつ人は多い。そして、そういう人は、その動物たちと、深い心の交流をしているのが普通である。テレビをつけると、ユーモラスな動物園のサルや、かわいらしいライオンの赤ちゃんや、きびしい野生の掟のもとで生きるシマウマや、けなげに働く盲導犬の姿が、連日のようにどこかのチャンネルで放映され、お茶の間では膨大な数の人たちが、それを見て笑ったり、泣いたりしている。 実際、動物は、人間の心のなかにすっと入り込んできて、人間を和ませる特殊な存在である。謹厳きわまりない学者や、人を激しく糾弾する運動家が、自分のペットの話になると、とたんにニコニコと相好を崩してしまうこともある。コマーシャルに、しばしば愛くるしい動物が使われるのも、そういった理由からであろう。 その一方で、われわれの食卓には、毎日、牛や豚や鶏の肉がならぶ。皮製の靴や鞄をみな持っている。冬になると毛皮のコートを着る人も多い。競馬で儲けようという人もいる。医薬品や化粧品の安全性は動物実験によって確かめられる。つまり、わたしたち人間は、動物を愛するだけでなく、動物を毎日大量に消費し、利用しているのである。 こうしてみると人間と動物の関係は、じつに複雑で多面的である。そのため、法や裁判の世界に現れる動物たちの姿も多種多様であり、われわれの文化のあり方を反映しているものなのである。本書に紹介する動物が関わる裁判例を通じて、読者は、現代日本社会における人間、ひいてはそこに生きる自分自身の姿(その姿は必ずしも美しくないかもしれないが)にも思いを馳せることができるだろう。■ 本書の構成 以下、本書においては、まず、動物たちが、法とりわけ裁判の中にどのように現れているかを探る(第1部)。それにより、動物という切り口から法の世界を眺めることが可能になると同時に、動物をめぐる日本社会の文化のありようについても、考えるきっかけが見えてくる。それを前提に、最近の日本の動物関連立法(動物愛護管理法)を紹介し、残された課題を指摘する。そして、最後に、一部の論者によって提唱されている「動物の権利」の問題を、未来を見据えて考えてみたい(第2部)。 ―――― では、さっそく、法の密林に動物たちを探しに出かけよう。(「序章」より抜粋)

著者プロフィール

青木 人志  (アオキ ヒトシ)  (

 1961(昭和36)年、山梨県富士吉田市生まれ。山梨県立富士河口湖高校、一橋大学法学部、同大学院法学研究科卒。博士(法学)。関東学院大学法学部専任講師、一橋大学法学部助教授を経て、現在、一橋大学大学院法学研究科教授。比較法学専攻。著書に『動物の比較法文化』(有斐閣)、共編著書に『日本法への招待』(有斐閣)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。