出版した本を、知ってもらう・買ってもらうために フィルムアート、宮迫さんの版元日誌に刺激されて
この「版元日誌」は版元ドットコム会員社が、毎週、あいうえお順の交代で書いてる。
会員社が増えて500社くらいになったので、一度書くと10年まわってこないことになる(500社÷52週=約10年)。実際には、ちょうど忙しかったりして辞退するする会員も多いので数年でまわってくるようだけどね。 (さらに…)
この「版元日誌」は版元ドットコム会員社が、毎週、あいうえお順の交代で書いてる。
会員社が増えて500社くらいになったので、一度書くと10年まわってこないことになる(500社÷52週=約10年)。実際には、ちょうど忙しかったりして辞退するする会員も多いので数年でまわってくるようだけどね。 (さらに…)
添付資料:
20170522ネット書店新刊予約調査.PDF
版元ドットコムでは、6/8木から、ネット書店hontoでの近刊予約システムを稼働させた。
この近刊予約システムを、honto・MJ(丸善ジュンク)と半年以上の協議・準備をかさねてつくったのは、アマゾン以外のネット書店で近刊予約されない・予約を始めるのが遅い、という問題を解消したいからだ。
アマゾンは在庫数量の調整に際して出版社からの営業にほとんど対応しない。
アマゾンは「発注システムからの注文をまて」という考えのようで、新刊配本時に在庫がなかったり、メディアやSNSでの露出による注文急増にまったく対応できない。
したがって、在庫調整に協力可能なネット書店を拡げていこうと考えている。その第一歩が、このhontoとの協業なわけだ。
さらに、この近刊予約システムはほかのネット書店ともすでに利用の相談が始まっている。利用ネット書店の拡大も引き続き努めていく。
この近刊予約システムをさらに有効活用するために、ネット書店における新刊の近刊予約状況の調査を、版元ドットコム会員社の協力を得て調査した。 (さらに…)
openBDプロジェクトは、書誌情報・書影の収集を版元ドットコム、APIシステムの開発をカーリル(図書館横断検索サービス開発会社)で分担しあって、書誌情報・書影をAPIで、だれもが利用できるサービスをはじめた。
●だれもが自由に使える書誌・書影
ある本の存在を知るきっかけにインターネットの情報が大きな存在感となっている。
インターネット以前なら、ある本の存在を知るのは書店であったり、新聞・雜誌などの書評や広告だったり、友人・知り合いの口コミからだったりしていた。
インターネットでは、ブログという個人の「日記」、ツイッターやフェイスブックなどのSNSの利用が拡大して、個人の口コミがより手軽になって、広がっている。その際に本の話も多く口コミされている。
こうしたインターネット上での本の紹介では、それを読んでくれた人がその本の購入にたどり着けて欲しい。
特にわれわれ出版社としては、タイトル・ISBN・著者名・出版社名を表示してより確実にたどり着けるようになって欲しいと考える。
また、購入意欲を高めるために書影も表示されたい。
版元ドットコムが図書館蔵書横断検索サービスのカーリルとopenBDというサービスをはじめた動機は、書誌情報・書影をだれもがカンタンに利用できる環境をつくり、われわれのつくった本を一人でも多くのひとに知ってもらいたかったからだ。 (さらに…)
今の日本社会にとって、一番大切なのは、自分の価値観・考え方と他の人の(自分のモノとは違った)それを、どうやって「共存」させるかという ことだと思う。
恋愛やセックスが好きな人と、嫌いな人、どっちでもいい人。その対象が異性か同性か、どっちでもいいのか。
さまざまな「人それぞれ」を尊重するってのは、今の日本ではなんとなく「そうだよね~」ぐらいの合意ができているように思える。
ところが、その「人それぞれ」のことから派生する社会制度のことになると、途端に正しさの議論になってしまっていないか? (さらに…)
ポット出版の沢辺です。版元ドットコムでは組合員社(まあ、幹事みたいなもの)の一員です。
緊デジ(経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業」)では、JPO(日本出版インフラセンター )で標準化委員などとして参加し、また出版社申請と制作の仕事を担当しました。
版元ドットコムの組合員社・会員社へは、版元ドットコムの一員としてもたびたび協力をお願いし、多くの皆さんに、緊デジ事業に参加していただき感謝しています。
たいへん遅くなってしまいましたが、みなさんに報告とお礼をさせていただきます。
(さらに…)
年明け早々です。ってなんの関連もないけど、細切れの話で失礼します。
さて、YouTubeってのがありますよね。
これを利用して、本のプロモーションビデオをつくって公開するってのを考えました。
もう数日で正式にプレスリリースします。
すでに、音楽CDなどのプロモーションにはビデオが一般的なものになっていますよね。
この企画は、これまでの版元ドットコムなどを中心にした共同のインターネットでの[本]の販売促進を、さらに動画をつかってやってみようと考えたもんなんです。
(さらに…)
今、出版業界ではISBNの13桁化の議論にかかわり始めたりしたんで、そんなことを書こうかとも思ったんだですが、事実経過を点検しなければならないので、やめました。
今回のテーマは、僕の大好きな「本とお金」です。
出版業に関する、具体的なお金のことを書いて自分の勉強に使わせてもらった「本」の紹介をします。
(さらに…)
【“流通合理化”に賛成】
現在、取次各社が返品業務を大幅に変更しようとしている。前提として、僕はこれに賛成します。出版業界とそのシステムには様々な改善・改革の必要があると思っているので、その取組みには大いに期待を持っています。
ただ、そんな今だからこそ取次各社にお願いしたい。同時に、業界全体の流通情報の公開・共有を進めて欲しいのです。 (さらに…)
「本の未来を、私たち版元自身の手で切り開いていくために」などと、ずいぶん肩ひじ張ったものでした。
一年間の新刊点数が7万点をこえています。一日に250点ほどになるようです。
この「7万点」という数字をめぐっては、作りすぎだとか、粗製乱造などというように言われています。
でも、ぼくはどうもその「粗製乱造」論に納得がいきません。
実際7万点が「正しい」新刊点数かはよくわからないし、正しい新刊点数を考えたり決めようとしてもあまり意味があるとは思えません。
しかし、7万点という数はともかくとして、たくさんの本を出すことができる状態はとてもいい状態だと思います。
この、出せる自由、がぼくらの自由の度合いを表す指標となると思うからです。
自分が好きなもの、他者に伝えたい考え、などを出すことができる。
多くの本のなかから自分の好きなもの、知りたいことが書いてある本を選ぶことができる。
こうした自由を増やすことに、近代の人間が力を注いできたのだとすれば、せっかくの自由をへらすようなことはマイナスなのだと思うのです。
よく「こんな本を出すことが表現の自由ではない」といって、一部の本を批判する論調を目にしますが、そんな本を出すことも、自由なのだと
思うのです。
もし、ある本が本当に必要ないなら、買われなかった、という事実で退場させられればいいのだと思います。
いま、僕らが日々入手しているものは、ただたんに生存のために必要なものではなくなっています。
生きるために必要な栄養素として食事をしてるというよりも、おいしいものを食べようとしています。
コンビニの弁当でさえ、安さ・手軽さばかりではなく、おいしさを競っていますよね。
いかに栄養をとるかではなく、とりすぎた栄養をいかに燃焼させるか、のほうが問題です。
必要、ではなくって、好きなもを手に入れることが、今のぼくらには大切なんだと思います。
その程度までに、人間は畑を耕してきて、蓄積させてきた。
で、その好きなものを大切するって態度が、だんだんとうまくなって、他者の好きなものを排斥したりしないで共存できる態度になっていくのではないかな、と思います。
さて、版元ドットコムです。
版元ドットコムは主に小規模の版元(出版社)が結果的にあつまった団体です。
たぶん、出版傾向は、売れるだろうモノよりも出したいモノに傾いているんだと思います。
食べ物にたとえるなら、ニチレイの「冷凍・シュウマイ」ではなく、商店街のお総菜屋の「シュウマイ」だったり、つぶれかけたばあちゃんの店のものだったりするんだと思うのです。
冷凍庫にいれて、仕事で遅くなったときにチンしてすぐ食べられる「冷凍・シュウマイ」は便利だし、味だってずいぶんと工夫されていておいしいもんです。なので、それがいいという人も多いでしょう。
またべつに、総菜屋の「シュウマイ」を好きでこのんで買ってくれるひとも、そこそこにいると思います。
日もちしなかったりするけど、まあそっちが好きなんで、って感じで。
で、その両方があるから、ぼくらの食事は、選ぶ自由を増やすことができて、ついつい食べ過ぎてしまうのだとおもうのです。
総菜屋を選ぶこともできるから、ニチレイの「冷凍・シュウマイ」を選ぶ日もいい、ということになるのではないでしょうか。
小規模の版元が、自分の好み・一部の偏った好みの本をだしていて、全体の本の世界の選ぶ自由の幅が広がってるんだと思うのです。(大きな声では言いづらいですけど「小」があるから「大」があり得るんだぞ、と思ってもいます)
そこで問題は、しかし小規模の出版は、その本の存在そのものを知らせることがむずかしいということです。
東京にすんでるぼくは、大阪のある町のお総菜屋の存在を知りません。
ところが、版元ドットコムの存在は、インターネットという道具をつかって、少なくともその存在を知らしめる最低限のことを実現できるようにしたのだと思います。
あとは、よりいっそう自分自身の好み、一部の好みの本をつくっていくのです。
もちろん、それでもだれからも見向きもされなかったら、退場せざるを得ないかもしれませんが……。
沢辺 均(ポット出版)