ギネスの泡と共に消えた約束
ある人物と二人で酒を飲んだ夜を、約束の言葉を、今でもはっきり覚えている。
もう15年も経つのに、新宿のあの辺りを歩くといつも決まって思い出す。
深夜の狭いカウンター席に肩を並べて座った、場末の居酒屋の名前は忘れてしまった。
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ある人物と二人で酒を飲んだ夜を、約束の言葉を、今でもはっきり覚えている。
もう15年も経つのに、新宿のあの辺りを歩くといつも決まって思い出す。
深夜の狭いカウンター席に肩を並べて座った、場末の居酒屋の名前は忘れてしまった。
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版元日誌の依頼メールが届いて、すぐに断ろうと思った。
閑人堂として、数か月前に1冊の本を刊行したばかり。
まだ片足でふらふらと立っているにすぎない。
堂々と版元を名乗るのは、歩いていると言えるようになってからにしよう——。 (さらに…)